Episode6 All Souls and Sadists
子供の頃、マルコムがベッドの下に隠した箱の中には、父マーティンが捕まる前の週にふたりで行ったキャンプの写真が入っていた。その写真に写るステーションワゴンが記憶を探る手がかりになると考えたマルコムは、車を探し始める。そんな中、山中で100回以上刺されたあげく殺された男性の遺体が見つかった。
被害者の家族
殺されたギャビン・パーカーの遺体と犯行現場の様子を見たマルコムは、犯人は初期のサディストで、人に苦痛を与えることに喜びを覚えたところだとプロファイルする。
事情を聴かれたギャビンと別居中の妻クリスタルは動揺もせず、悲しむフリもしない。クリスタルが“私の全て”と話した12歳の息子アイザックがかつての自分に重なるマルコムは、父を亡くしたアイザックを気にかける。ママはパパを必要としてなかったと言うアイザックの話から、クリスタルがイスラエルの格闘術クラヴマガを教えるジェイクと付き合っていると判明する。
加重暴行の常習犯であるジェイクがサディストか確かめるため、マルコムがクラヴマガの入会希望者としてジェイクと手合わせする。攻撃に逆上するジェイクを間近で観察したマルコムは「典型的なサディストだ」と断言し、ギャビン殺しの容疑者になったジェイクはクリスタルが抱える問題を教える。4か月前、ギャビンに息子の親権を求められたクリスタルは大荒れし、ジェイクは自分の技すべてをクリスタルに伝授したのだ。
マルコムの失敗
ランニング中のクリスタルを尾行していたダニとJTは、犯行現場のすぐ近くで血の付いたスウェットを掘り起こしたクリスタルを捕らえる。サディストではないクリスタルが犯人とは思えないマルコムは納得しないが、当のクリスタルは犯行を認める。
アイザックに「何もかも大丈夫」と言ってしまった自分を責めるマルコムは「やることが全部裏目に出た」と、セラピーの席で打ち明ける。「その少年のことは“いい面”を見てる」と言うガブリエルの言葉を聞いたマルコムは、無意識にアイザックを好意的に見ていたと気づく。
調書にサインしようとしているクリスタルを止めたマルコムは「息子をかばってるね」と指摘し、クリスタルの庭に埋められていたウサギを入れた袋を突き付ける。観念したクリスタルは、8歳の時、アイザックが素行障害と診断されたと話し始める。子供の素行障害はサディズムにつながり、ウサギを殺しているアイザックを見たギャビンは精神病院へ入院させると決め、悲劇が起きたのだ。
母親が逮捕されたアイザックは、福祉局が来るまでジェイクが見ていた。クリスタルの自宅に踏み込んだチームは、まだ息のあるジェイクを発見する。ギルは、「僕ならあの子が分かる」と言うマルコムにアイザック確保を任せる。誰も僕のことを分かってくれないと嘆くアイザックと対峙したマルコムは「ママはいつでも君の味方だよ」と真摯に話しかけ、マルコムを信じたアイザックは包丁を手放した。その後、アイザックは精神科病院への入院が決まり、マルコムは面会者リストに名前を載せてもらった。
ステーションワゴン
写真のステーションワゴンが記憶を取り戻す手がかりになるというマルコムの考えを聞いたセラピストのガブリエルは、トラウマの根源に迫ろうとするマルコムを危惧する。危険な予兆の幻覚を見つつも、マルコムはステーションワゴン捜しをダニに頼む。
ダニが見つけてくれたステーションワゴンを確認したマルコムは、父の車だと確信する。トランクには鎖をつなぐ金具があり、ブラックライトは大量の血痕があったことを示した。
シリアルキラーの娘
エインズリーが『“外科医”の20年後』というテーマで父マーティンを取材すると知ったジェシカとマルコムは猛烈に反対する。
ジェシカは取材できないよう手をまわすが、面会した父に、「逮捕されてから毎日おまえのことを考えてた」と言われ、「私にはもったいない娘だ」と感激されたエインズリーはジェシカに反発する。ママがパパをただの怪物に仕立てあげたと言う娘の瞳を見たジェシカは「情に流されたわね」と落胆し、「違う」と反論したエインズリーはやり遂げて見せると誓った。
おちゃのま感想
マルコムの失った記憶を探る件がさらに面白くなってきました。
マルコムはマーティンが逮捕される1週間前の記憶がないとわかったわけですが、もしかして、マーティンは日常的にマルコムの記憶を操作してたんでしょうか。マーティンのマルコムへの執着を思うと、父と息子の絆を失くしたくないという思い以上のものがあるような気がします。考えすぎかな?
父との思い出がないエインズリーは苦しんでいない分、無防備に見えて仕方ありません。リポーターとしてというより、本音は娘として父を知りたい気持ちが強いように感じます。その気持ちは本能のようなものかも知れないけど、娘が取材するシリアルキラーの姿を見た被害者関係者のみなさんは苦しむことになるんじゃなかろうか…( 一一)