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バリー【ドラマファイル】

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この記事は2009年に書いたものです。『最終話まで見終わっての感想』は2024年に追記しました。

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原題:BARRY

 

 

 

 

 

作品データ

ジャンル:ブラックコメディ
シーズン:4(完結)
エピソード:32
主な舞台:LA
リリース:2018~23
メモ:最終話まで視聴済

 

 

 

ストーリー

帰還兵のバリーはうつ病を患いながら、父の友人フュークスと殺し屋業を営んでいる。裏方のフュークスにホテル代をケチられても、折半のはずの報酬が少なくても、バリーは生真面目に仕事をこなす。

 

 

フュークスの指示でロスへ進出したチェチェンマフィアのゴランと会ったバリーは、フュークスに言われたように自分を売り込んでみる。対象者は“悪人”で、殺人は世の中の役に立っていると言うフュークスの話を信じるバリーに、ゴランが殺してくれと頼んだのは妻の浮気相手ライアンだった。気乗りしないながらも、ライアンを尾行したバリーは演劇クラスに迷い込んだ。ライアンに相手役を頼まれたバリーはわけもわからず舞台に立ち、演劇の世界を知ることになる。

 

 

演劇クラスで一際目立つ存在のサリーの話術に引き込まれ、流されるようにクラスの仲間たちと飲むはめになったバリー。困惑しているバリーに、サリーは体よく酔っ払ったライアンを押し付けた。すっかりバリーを気に入ったライアンは、演劇の講師ジーン・クジノーの著書をバリーに贈った。別れ際、酔ってるライアンはバリーをハグし、その様子をゴランの手下ハンクが見ていた。

 

 

 

おちゃのま感想

ネタバレしてます! 4.0

 

シーズン1の感想

話題のブラックコメディ『バリー』のシーズン1を見ました。1話30分程度で全8話。“ブラックコメディ”はハマれないと自覚してるのですが、この作品は小難しさを抜きにして楽しめます。バリーの物語がすいすいと流れるように進み、8話があっという間。

 

 

Barry

 

 

周囲の思惑のせいで、次々と予定外の事態に巻き込まれるバリーの物語も面白いのですが、登場人物たちの掘り下げ方も絶妙でした。殺し屋を辞めたいバリーのジレンマや、バリーを利用しているとしか思えないフューリーの狡猾さ、胡散臭い演劇講師のジーンなど。中でも女優としての成功を夢見るサリーは興味深かったです。掘り下げれば掘り下げるほど、笑顔の下にある野心の塊がむき出しにされる自己中なサリーなんですが、セクハラやいやがらせに遭っても前へ進む諦めないこの人の強さは、描きたい隠れテーマなのかな?と想像させられます。

 

 

Hank

 

 


興味深いキャラたちの中で、バリーに好意的なゴランの手下ハンクの愛嬌あるマフィアっぷりはドラマのエッセンスになってます。生き延びたハンクはちゃっかり敵対するマフィアと手を組んだので、この先どんなふうにバリーとからむのか楽しみです。あのちゃめっけたっぷりな笑顔・・・。良い味出してます。

 

 

殺し屋稼業から足を洗おうと決心しても、次々と予想できない事態に巻き込まれ、ドツボにハマるバリー。災いのもとであるフューリーと別れ、サリーと演劇の道を歩み始めるものの、そこにも落とし穴が…というところで、シーズン2へ続きます。願わくは、暗い方向へ進むのではなく、シーズン1同様、殺し屋という底なし沼にはまったバリーの奮闘を見たいです。

最終話まで見終わっての感想

 

シーズン1を視聴したところから、かなり時間を要してのファイナルまでの道のりでした。なので、シーズン1を見た時とはまたちょっと違った視点になった自分の変化をまじえての感想です。

 

5年ほど前にシーズン1を見たときは、演劇に出会ったことで普通の人生を歩もうとするバリーをとにかく応援したくなるような気持ちだったのですが、時間を置いたことでわたし自身も変化したのか、バリーが多くの人を殺した事実から目を逸らしてはいけないんだと感じるようになりました。バリーが殺し屋になったのは、それなりの理由や資質あってのこと。さらに感じ方の変化は、バリーを利用して金儲けしてるだけの小狡い小悪党という印象だったフュークスにもありました。闇の顔があるからこそ、フュークスはバリーの本質(ビジネスとして人を殺せる)を見抜けたんですよね。

 

シーズン2以降の展開で大きな鍵になったのは、シーズン1でクジノーの恋人だったモス捜査官の死でした。シーズン1最終話でバリーが殺し屋だと気付いたモスの死の件がまるで蜘蛛の糸のように張り巡らされ、逃れようとするバリーやクジノーといった主要キャラたちを捕らえ、結びつけ、物語の結末へ進んでいく展開は見事でした。さらに秀逸だと感じた点は、時間の経過とともに置かれる状況が変わるキャラを演じる俳優さんたち。演劇がテーマになってることもあり、腕の見せ所といわんばかりの熱演ぶりで、もしやラストは「すべて舞台上の演出」というオチではないかと思ったくらいです。

 

さて、最後に理解が難しかったサリーについて。ドラマが終わっても、サリーは本当にバリーを愛していたのかな?と疑問を感じています。バリーと関わったことでサリーの人生も大きく変わったのは事実だけど、この人の転落は身から出た錆のような気がしてなりません。この先、サリーが愛ある人になることを願ってやみません。そうすれば、バリーの人生にも意味があったと思えるようになるかもしれないから。さよなら、演劇というセラピーで人生を変えようとしたバリー。
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