Episode13 The End
【ざっくりあらすじ】最終話
スパイスショップの書物でドクロの倒し方を探すモンローたちは“血”がカギだと示す記述を見つけた。一方、ドクロが襲った警察署でひとり生き残ったニックは、その惨状に愕然とした。
あなたのムチと杖が
私を慰める
悲しみと怒り
『血に宿る力だけが巨大な悪を打ち破り、破壊者を破壊できる』という記述から、モンローたちは『フォース・ドゥ・サン』がドクロを倒す最後の手段だと考えた。『フォース・ドゥ・サン』はグリムとヴェッセンとヘクセンビーストの血が同時に必要で、作ることはまず不可能だと言われている薬だ。
ニックが知らせたハンクとウーの死は、仲間たちに強いショックを与えた。しかし、悲しみに浸る時間はない。『フォース・ドゥ・サン』に必要な薬剤の調合を終えたロザリーとモンローが森の小屋へ出発すると、スパイスショップにドクロが現れた。立ち向かったニックは跳ね飛ばされ、ドクロは杖のパワーでイヴが持つナイフをイヴ自身に向けさせた。ナイフを自分に刺したイヴを抱きかかえたニックは「ジュリエット」と呼んだ。穏やかな笑みを浮かべたイヴは「悔いはない」と言い、静かに息を引き取った。
ニックはイヴに棒をあててみるが、ハンクとウー同様イヴも生き返らない。知らぬ間にドクロは姿を消し、ニックは激しい怒りを爆発させた。
死闘
森の小屋で『フォース・ドゥ・サン』の準備をしているモンローたちに、ニックはイヴの死を知らせた。絶望に襲われる仲間たちを、アダリンドは「この薬は効く」と励ました。ニックとヴォーガしたアダリンドとモンローが手を重ね合わせ、3人の手を短剣で貫いた。混ざり合った血が『フォース・ドゥ・サン』の最後の材料だ。
薬が完成すると、地下で寝ていたダイアナが「変な感じがして眠れない」と起きてきた。「もう怖くない」言うダイアナが戸口に立つと、地響きとともにドクロが現れた。ダイアナは自然な様子でドクロと手を繋ぎ去ってゆく。阻止しようとしたレナードは、ダイアナの目の前で殺された。ダイアナはふたりの戦いを微笑みながら見ていた。
ケリーをトラブルに任せたニックたちは『フォース・ドゥ・サン』をドクロに浴びせた。苦しみ始めたドクロに、ニックが両刃斧で襲い掛かる。ドクロはニックを跳ね飛ばし、ニックを助けようとしたアダリンドは斧で切り裂かれてしまった。ロザリーはヘビに変わった杖に絞殺され、モンローも杖のヘビにかみ殺された。
グリムの末裔
ニックの絶叫が森に響く中、ダイアナはケリーをドクロのもとへ連れて行くつもりだ。阻止しようとしたトラブルはドクロのヘビの杖で殺された。トラブルに駆け寄ったニックに、ドクロは取引を持ち掛けた。棒を譲れば全員返してやると話したドクロは、手始めにトラブルを生き返らせた。
取引に応じようとしたニックを「悪魔に惑わされるな」と、トラブルが止めた。ニックから棒を奪ったトラブルは森へ逃げた。追いかけたニックはトラブルと戦い、棒を奪い返した。ドクロのもとへ向かうニックを「裏切らないで」という声が呼び止めた。
声の主は死んだ母のケリーだった。「棒を手放さないで」と諭す母に背を向けたニックの前にマリーおばさんが現れた。愛する人たちを諦めきれないニックに、ふたりは「ヤツに勝てる」と教えた。「“グリム一族の血”でどんな悪も打ち破れる」というケリーとマリーに導かれ、ニックは再びドクロに挑んだ。
ドクロと戦うニックにトラブルも加わった。ケリーとマリーも戦い、4人の力はドクロに勝った。ドクロの手から落ちた杖をニックが拾うと、自然と棒が杖に収まった。無敵の杖を持ったニックはドクロにそれを突き刺した。
誇らしげにニックを見つめるケリーとマリーは、グリムの末裔として“大いなる力の一部”である棒を守りなさいと告げた。ふたりに感謝しているニックにトラブルが労いの声をかけた。ニックが振り返ると、ケリーとマリーは消えている。トラブルにふたりの姿は見えていなかった。
黒い塵になったドクロの死体は渦を巻き、ニックを引き寄せた。異界の扉のようなその中に、ニックは飲み込まれた。
その後の世界
鏡の中から戻ったニックにアダリンドが駆け寄った。そこはモンローの家で、ニックはイヴと異界から戻った時間に着いていた。モンローもアダリンドもイヴもレナードも生きている。以前と違いアダリンドの指にボナパルトの呪いの指輪はなく、イヴはヘクセンビーストのままだ。ロザリーとハンクとウーもやってきた。「悪い予感がして」というトラブルも現れた。
ドクロの死を知るのはニックとダイアナだけだった。愛する人たちを取り戻し、感極まるニックの周りにみんなが集まった。モンローは鏡を通ってこの世界に来た杖の存在に気がついた。
20年後。
森の中に隠されたトレーラーの中で、青年が『ニックと異界の獣との戦い』を記録している。“グリム”は真実だと父から教わったと記した青年の名はケリー。ケリーを呼びに来た姉の名はダイアナ。「パパとママとヴェッセン退治よ」と声をかけたダイアナは、三つ子も来るとケリーに知らせた。
おちゃのま感想 ★★★★★
ニックも感無量の様子でしたが、わたしも感無量です。
はぁ…終わっちゃいました。
本当に終わるの?と息詰まる展開ののち、20年後の世界へ…。ファンへの感謝の気持ちを感じる演出だったと思います。
20年後のケリーとダイアナにさらっと語らせることで、ニックとアダリンドがその後も幸せに暮らし、モンローとロザリーは無事三つ子のパパとママになったと知ることができました。(本当はウンチクを語りながら子育てするモンローが見たかったケド)
仲間たちが次々殺されたシーンはニック同様ショックだったけど、ママやマリーおばさんが登場したことで良いラストになったな~と思います。“グリムの末裔”を最終話のテーマにしたとこもよかったです。この作品のキモですものね。
思えばニックにとって“グリム”について教えてくれた人はモンローなんですよね~。なので、今回初めてママとマリーおばさんから『心得』のようなものを実践で教わり、ニックが“グリム”の指針を得たように感じた内容でした。
あのニックを誇らしげに見るケリー&マリーの瞳を見ると、このドラマを引っ張ったニック役のジェントーリさんを称えているようにも見え、ここも涙腺緩むポイントでした。
ドクロを倒した世界がどこだったのか、ダイアナがドクロに懐いていた理由はどうしてなのか、と、ぐるぐるする思いは捨て、単純に「よかったね~」と感動しようと思います。
このブログを始めたきっかけでもある『グリム』が終わり、今は寂しさに浸ってます。『グリム』はニックとモンローの魅力からハマったドラマでした。モンローに頼り切りだった新米グリムのニックが成長し、ジュリエットに起きた悲劇を乗り越え、そして母となり変化したアダリンドを愛し、家族もできました。ブレることのなかったニックとハンクとウーの絆。モンローとともにニックを信頼し支えた正義の人ロザリー。権力に誘惑されつつも子煩悩だったレナード。途中参加のトラブルや、愛すべきバド。すんごくキモいヴェッセン役のゲストの皆さん含め、演じる楽しさやチームワークの良さが伝わってくる、そんなドラマでもありました。
最後に、グリムファンのみなさま、読んでくださってありがとうございました。そして、旧ブログでコメントを下さったTさま、とっても励みなりました。感謝をこめて…。