
Episode7〜13
ざっくりあらすじ
ヴォスのメディアを使ったアピールが功を奏し、知事ベッツがようやく話し合いに応じる。「誠実に話を聞いてくれるはず」と信じていたヴォスだが、非公式と言っていた知事は会場に大勢のマスコミを呼んでいた。カメラを前に政策アピールするベッツはあからさまにヴォスを見下し、公立病院にもかかわらず「公的資金に頼らず経営してくれ」と言い放つ。
ベッツに予算を削られたチャステインはたちまち資金不足に陥る。いったんはレベル1外傷センターの閉鎖を決めたものの、思い直したヴォスは資金が尽きるまで全力で闘うと決意する。そんな中、搭乗していたヘリが墜落したベッツが現場から近いチャステインに搬送され、市民に隠していた心臓の病歴が判明する。
深刻な依存症のイアンは薬の入手が困難になったことで娘のケイドに助けを求め、父が薬を服用しながら執刀していたと知ったケイドはショックを受ける。キャリアを守りたいイアンに説得されたケイドは周囲に嘘をつきイアンを治療施設へ入れるが、施設でもそつなくこなすイアンを見て嘘で父を守るのは間違いだと悟る。
一方、絶縁状態だったニックの父カイルと和解できたコンラッドは、抑えていたビリーへの想いと向き合う。互いへの愛を確認しあったコンラッドとビリーは前へ進み、ふたりが愛し合っていることを知っていた周囲は祝福し、コンラッドと付き合っていたケイドも受け入れる。
おちゃのま感想
シーズン6は全13話という時点でキャンセル濃厚だったんですよね。なので、7話以降の後半エピソードはメインキャラの物語に焦点をあてたものになり、本来ならメインストーリーになるであろう知事ベッツとの闘いについては枝葉を省いたシンプルな内容になった印象です。さらに、医師の薬物依存症問題、産後うつ問題・・・と、前シーズンで示唆された『レジデント』がメッセージを発したいであろうテーマについては、それぞれ決着した形で終ったものの物足りなさが残りました。
先に愚痴を吐いてしまうと、ニックなしの『レジデント』はやっぱり寂しかったです。タイムジャンプしてるけど、シーズン5→6と続け様に見たわたしにとって、ニックの死はついこの間のこと。もちろん、コンラッドが新しい愛を見つけて良かったと思うし、その相手がビリーというのも納得してます。ジジにとっても最良の相手。でも・・・(“でも”って言葉がつい出てしまいます)。人生には避けようのない別れがあると分かっていても、この寂しさを消せないまま終わったことは残念です。
そしてもうひとつ。シーズン5&6で投入された新キャラ、リーラの双子の姉妹パドマとヤマダ医師の物語がそれぞれ中途半端な形で終わったことも残念でした。特に、シーズン6中盤から登場したヤマダさんの見せ場は少なく、記憶に残ったのはビリーにちょっかいだすところくらい(涙)さらに、これは視聴者である自分の問題だと分かってますが、途中参加のリーラへの思い入れが薄いこともあり、パドマの物語すべてが唐突でいきあたりばったりな印象でした。パドマの存在がリーラとデヴォン、そしてオースティンの人生に深く影響してゆくようなストーリーが見たかったです。
さて、良かった点に目を向けると、番組更新をアピールするような中途半端なクリフハンガーでなく、終了を見据えての内容にまとめてくれたことは視聴者への敬意を感じ、「見てよかった」という気持ちで終わることができました。もちろん、先に書いたように物足りなさは残りますが、チャステインは経営難脱出、コンラッドはビリーに愛を伝え、ドロドロ必至だと思ってたケイドもビリーに振られたヤマダ医師と意気投合してハッピーエンド。さらに、ベルの病気には明るい兆しを見せてくれたし、デヴォンとリーラは公私共に順調、オースティンは家族を得て・・・と、大団円。
全体的に振り返ると、医療の闇との闘いをテーマにした『レジデント』はハラハラするストーリーが魅力的で、一味違った医療ドラマを作ろう!という気合を感じる作品でした。内容のほうも、成長過程にいるコンラッドやデヴォン中心ではなく、ベルたちベテラン医師についても丁寧に描き、互いを信頼し合う“大きな家族”というイメージに説得力がありました。番組を去ったニックやミーナについても、それぞれの物語で見送り、キャラを大切にしている点も好印象でした。さらに、シーズン1で悪者だったベルをそのままにせず、改心する様を描いた点は素晴らしかったです。“闇”に墜ちていたベルが立ち直り、やがてコンラッドたちの仲間になるなんて、想像すらしなかったサプライズでした。
記憶をたどると、あれこれ感慨深い感情が湧いてきますが、『レジデント』の物語はここで終わりです。シーズン5からまとめ記事になってしまいましたが、ラストまで一緒に楽しんでくださったみなさま、ありがとうございました。いつか、また、別のドラマでご一緒できると嬉しいです。