Season:1 全22話
【ざっくりあらすじ】
犯罪コンシェルジュの異名を持つFBI10大指名手配犯のひとりレイモンド・レディントン(レッド)が、FBIへ出頭した。6年前に死んだとされている犯罪者のザマーニが生きていると証明したレッドは、「ここから先はエリザベス・キーンとのみ話す」と宣言した。
リズとFBIチーム
レッドが指名したエリザベス・キーン(リズ)は、研修を終えたばかりのFBIの新人プロファイラーだった。突然FBI特別作戦部(通称“郵便局”)へ連れて行かれたリズは、テロ対策本部長のハロルド・クーパーにレッドとの関係を質問された。しかし、なぜ自分が選ばれたのかわからないリズは、クーパーを納得させる説明はできなかった。
情報の確かさを証明したレッドは、FBIが把握してない犯罪者を提供することと引き換えに免責を手に入れた。レッドの条件はリズが窓口となること。リズはクーパーの下、FBIのレッド担当だったレスラー、CIAのマリクとともに、レッドが渡す“ブラックリスト”の犯罪者を追うことになった。
レッドが現れ、リズの人生は激変した。小学校教諭の夫トムと幸せな生活を送っていたリズは自分の人生が偽りだったと知り、自分が何者かわからなくなってしまう。そして、婚約者を殺されたレスラーも、それまで自分が信じた捜査官としての在り方を変えることになる。
リズの夫トム
レッドが現れたと同時に、リズの夫トムが自宅で襲われる事件が起きた。「トムには注意しろ」とレッドに忠告されたリズは、トムに疑念を抱き始める。自宅の床下からトムの偽造IDや現金、銃が見つかり、リズはその銃が亡命しようとしていたロシアのスパイを暗殺したものだと突き止めた。
疑われていると知ったトムは自ら希望し、リズのチームの尋問を受けた。トムは無実を訴え、トムが犯罪者だという証拠は見つからなかった。そして、レッドが“トムの愛人”と教えたジーナ・ザネタコスがロシアのスパイ殺しを認めたため、トムへの疑いは晴れることになる。しかし、これはトムがレッドと組む捜査官を知るため仕組んだ作戦だった。
トムの勤務する小学校の代理教師ジョリーン・パーカー(本名ルーシー・ブルックス)失踪事件から、リズはトムが犯罪組織の一員だという証拠を見つけた。トムの二度目のプロポーズを利用したリズは、トムの兄グレイグ(本名クリストファー・マリー)をおびき出した。リズとレッドに捕らえられたグレイグは、組織を恐れ飛び降り自殺してしまった。
リズに見破られたと悟ったトムは、犬の散歩に行くと家を出たまま失踪した。リズはこれまで調べたトムのことをFBIへ報告し、トムはFBIとレッドから追われることになった。いつかレッドがリズの前に現れると知っていたトムは、4年前リズに接触した日から結婚までしてその時を待っていたのだ。
リズの記憶
リズは幼いころ養父のサムに引き取られ、実の娘のように育てられた。本当の父についてリズが覚えていることは、火事から救い出してくれたということだけ。手にある火傷の痕がリズの唯一の記憶だった。
レッドが自分の本当の父ではないかと感じるリズはレッドにそのことを質問するが、レッドの答えはNOだった。サムと古い友人だったというレッドは、サムが小さな女の子を育て始めたきっかけを話した。レッドは「君を守るため」と話し、リズの父親が誰であるか教えることはなかった。
病死だと思っていたサムの死にレッドが関わっているのではと疑いを持つようになったリズは、病院の防犯カメラを調べサムの死亡時にレッドが病院にいたことを突き止めた。リズに追求されたレッドは、苦しむサムを手にかけたことを認めた。レッドはサムを苦しみから救ったと説明したが、リズはサムの口を封じるため殺したと確信した。
サムの死の真相を知ったリズは、レッドと組むことを拒否し転属を希望した。リズがチームを去ることは、レッドとの取引が終わることを意味している。免責を失ったレッドは逮捕されたが、その後レッドと繋がる国家情報長官補佐フィッチの計らいで移送中脱走した。
ベルリン
これまでのブラックリストの捜査を見直したリズは、レッドがFBIと手を組んだ狙いは正体不明の敵“ベルリン”を調べることと、FBIにベルリンから自分を守らせることだったと気が付いた。
捜査中の事件から、ベルリンが囚人移送の飛行機でニュージャージーのラングストン空港へ向かっていることが判明した。空港に捜査官がいると知った飛行機は川への不時着を試みるが、軍により撃墜された。その後捕まった囚人の話から移送機はロシア情報局のもので、逃亡した囚人を運んでいたことがわかった。
ベルリンはレッドと手を組んだFBI捜査官のリストをトムから入手していた。まずマリクが犠牲になり、次にクーパーが襲われた。
レッドは、マリクを殺した犯人がベルリンだと教えた男を見つけ出したが、その男はベルリンではなかった。偽ベルリンと対峙しているレッドの前に、リズを人質にしたトムが現れた。レッドは事もなく偽ベルリンを射殺し、トムともみあったリズはトムを撃った。まだ息のあるトムをレッドは殺そうとするが、トムの始末はリズが引き受けた。
リズたちは、ベルリンは囚人の護送係だと思っていた男だと気が付いた。腕が切断されていたため護送係だと思い込んでしまったが、手錠を外すためベルリンが自分で切り落としたのだ。入院していたベルリンはすでに姿を消し、行方はわからない。
レッドについて
レッド担当だったレスラーの情報
海軍兵学校を24歳のとき首席で卒業。
エリートコースに乗っていたが、1990年のクリスマス、妻子のもとへ戻る途中で姿を消した。以後4年間行方不明だったが、その後海外で見つかった極秘書類から、レッドが犯罪者の支援者になっていたことがわかった。
レスラーはレッド担当のチームでレッドを追っており、レッド暗殺計画(2008年のブリュッセル作戦)にも加わっていた。
おちゃのま感想 ★★★★★
『ブラックリスト』は、ほかのドラマと一線を画した面白さがあります!
1話完結で描かれる事件も他では見ることのないような犯罪者ばかりが登場するし、なんといっても最初からドラマの根底にある“レッドとリズ”の関係の謎と、それにからんだトムの謎に、興味がどんどんエスカレートしました。仕込まれてる伏線も見ごたえがあります。
登場人物も魅力的で、特に愛嬌あるレッドのお喋りは暗いテーマのドラマに温かな雰囲気を加えてます。リズとの関係はまだ明かされませんが、表情や仕草からリズのことを何より大切にしていると伝わってきますよね~。
そして運命に翻弄されるリズの表情が素晴らしいです。「なにを信じたらいいのかわからない」というリズの揺れる瞳には、知らぬ間に引き込まれてしまいます。
一見普通の人、トムもまたよかった。特に亡くなったサムの病院でのレッドとのシーンは、真実を知った後見直すとゾクゾクします。
シーズン1はレッドを狙うベルリンがアメリカ上陸を果たしたところで終わりました。トムをリズの夫として潜入させたり、グレイグが自殺を選ぶほど恐れたベルリンとの対決がシーズン2の大きなテーマとなりそうです。そして、レッドがリズにこだわる理由も謎のままです。
興味深くシーズン2へと続きます。