Episode10 Pick Your Poison
【ざっくりあらすじ】
麻薬性鎮痛剤の過剰摂取で死亡した男性から、ジョーン名義の処方箋が不正に使用されていることが判明した。グレグソンも同席しジョーンとシャーロックはなりすまし被害を訴えた。しかし、DEA(麻薬取締局)のリッター捜査官はジョーンを疑い、シャーロックの捜査協力も断った。
なりすまし犯の正体
シャーロックとジョーンは独自に捜査を始め、なりすまし犯はコロナ総合病院時代ジョーンの同僚だったクリーグ医師だと特定した。
クリーグは、ジョーンのほかにも医師3人の処方箋を不正使用していることがわかり、シャーロックとジョーンはクリーグが開業したクリニックを訪ねた。火薬のにおいをかぎ取ったシャーロックが奥の部屋へ進むと、射殺されたクリーグと女性の遺体が見つかった。
シャーロックとジョーンはグレグソンに連絡し、ジョーン含め4名の医師の処方箋を不正使用していたクリーグが射殺されたことを知らせた。射殺犯は、クリーグが不正に使うため取り寄せた処方箋パッチを盗んでおり、それは依存者が1万回乱用できるほどの量だった。
犯人の標的
クリーグと一緒に殺されていたのは、マーラ・リジリー・ムーアという女性だった。マーラがクリニックに居た理由は、息子イーサンのためだった。イーサンは“非特異性自己免疫疾患”という診断がつかない病気で、事件の日は手違いでリハビリと診療が重なりマーラひとりで病院へ行っていた。
今回の銃弾が、2年前の路上強盗で使われたものと一致した。2年前の被害者は強盗に襲われた様子を説明したが、撃たれ傷と刺さったガラス片からシャーロックは「車上強盗しようとしたところを車の持ち主に撃たれた」と事件の真相を言い当てた。
ベルに「真実を話せば偽証罪に問わない」と取引を提示された男は、大型家具チェーンの”リジリーズ”の駐車場を出てきたシルバーのレクサスを襲い、運転手から撃たれたことを打ち明けた。何百もの店舗を擁する巨大チェーンのリジリーズは、マーラの実家だ。シャーロックたちは、犯人の標的はマーラで、処方箋はそれを隠すために盗まれたと確信した。
母の本性
通信記録から、マーラがクリーグのなりすまし医師の携帯に電話をしたことがわかった。電話をかけた理由は“イーサン”だと考えたジョーンは、イーサンのカルテを確認し、マーラがイーサンを薬漬けにし病気にさせていたと突き止めた。
クリーグのもとでイーサンの検査をし尽くしたマーラは次の医者を捜し、偶然クリーグがなりすましてた医者に電話をかけたのだ。クリーグの診療メモから、イーサンが事件の1週間前真実を知ったことがうかがえた。
部屋に閉じこもっていたイーサンが迎えの車とともに消え、シャーロックは歩行困難なイーサンはクリニックの待合室で薬物依存の共犯者と知り合ったと考えた。ジョーンを疑っていたDAEのリッター捜査官の協力で事件直後に処方箋が使われた薬局がわかり、イーサンの共犯フィッシャーが見つかった。フィッシャーはイーサンが隠れているホテルを教え、事件の日イーサンをクリニックまで連れて行ったと自供した。
逮捕されたイーサンのホテルの部屋から、凶器の銃が見つかった。銃はイーサンの父親が2年前カージャック犯を撃った後ガレージに置きっぱなしにしていたものだった。
ジョーンは、マーラがそもそも薬を入手したのは祖父の薬だったことをイーサンに教え、服用をやめたから症状は改善されるはずだと話した。イーサンは「なぜ母を殺したか」警察に話してほしいと頼むが、ジョーンは犯罪者だとしても医師としてリスクを承知で助けたクリーグを殺した事実をイーサンに突きつけた。
シャーロックとシンウエル
シャーロックのおかげで刑務所行きを免れたシンウエルは、引き続きSBKへの潜入を続けていた。シンウエルの潜入はいずれ失敗し殺されると心配するシャーロックは、手を尽くし潜入をやめさせようとした。しかし、シンウエルの決心は変わらず、ジョーンが紹介したグズマン刑事の内通者になってしまった。
シャーロックは、シンウエルが善意で修理したチェステーブルをシンウエルの部屋へ運んだ。苦労して手に入れた78年前の殺人事件の証拠だったが、シャーロックはチェスを口実に内通者として生き延びる術をシンウエルに教えることにしたのだった。
おちゃのま感想 ★★★★
ジョーンの処方箋を使うなりすまし事件から、虐待を受けた息子が母に復讐するというまったく別の事件へと繋がるエピソードでした。
あのパパがもう少し息子に寄り添っていれば・・・と、後味悪い結末でした。
冒頭の、修理したチェステーブルを自慢げにシャーロックに見せるシンウエルと、茫然とするシャーロックはなかなかツボにはまるシーンでした。シンウエルがシャーロックの生徒になったので、今後もふたりのかみ合わない雰囲気が楽しめそうです。