Episode13 Wait & Hope
懲罰房を出たマーティンは特別待遇の囚人ライフに戻る。一方、マルコムは周囲が勧めるバカンスに出発する。しかし、息子の休暇を喜ぶジェシカの根回しで、マルコムを空港へ送っていたギルに事件の知らせが入り、マルコムは殺人事件の現場へ立ち寄ることになった。
はじめの殺人
被害者のジュールス・コナーは元検事で、現在は有力者とつながりがある弁護士だった。凶器は1730年代のアンティーク銃で、腕には『モンテ・クリスト伯』の登場人物“ヴィルホール”の名前が刻まれている。マルコムが、父との良い思い出がある『モンテ・クリスト伯』の復讐ストーリーを説明する中、イドリサが遺体の下に置かれた不審物を見つける。
不審物が地雷だと気づいたマルコムは、動かされた遺体の代わりに地雷を手で押さえる。地雷の作動音を聞いたマルコムはJTとギルに調べてほしい手がかりを教え、ダニに伝えようとした言葉を飲み込む。「プランはある」と嘘をつき、チームを退避させたマルコムの携帯にマーティンから電話がかかる。
「作動中の地雷を押えてる」と教えられたマーティンは、危機的状況のマルコムが電話に出たことに注目する。そんな父との会話を終わらせたマルコムは現場に残された凶器の銃で窓ガラスを撃ち、爆発と同時にその窓から飛び出した。マルコムは無事だったが、マルコムが落下したギルの車は大破してしまった。
復讐の理由
マルコムが現場から持ち出した凶器のアンティーク銃は、富裕層の投資顧問をしているウィリアム・ボイトがオークションで競り落としたものだと判明する。さっそくボイトを訪ねたマルコムたちは、張り巡らされたワイヤーと剣の中で拘束されているボイトを発見する。
救出したボイトの話から、事の発端は、数年前、富豪のテイラー家で起きたボート事故だとわかる。屋敷のボートを盗んだ料理人の娘イザベラが衝突事故を起こしたとされていたが、イザベラと付き合っていたテイラー家の跡取り息子カルも同船していたのだ。事故当時、カルはハイ状態で、イザベラは未成年だった。醜聞を嫌うカルの父ジョージの指示で、殺されたコナーとボイトは事実を隠ぺいしたのだ。
次の標的はカルだと判断したマルコムたちは、今夜、カルの結婚披露宴が開かれるテイラーの屋敷を訪ねる。カルに代わり応対したジョージは、「カルの命が危ない」と言われても聞く耳を持たない。テイラー家の先祖が酒の密売で財を成したと知っているマルコムはジョージも把握していない地下トンネルの存在を指摘し、案の定、トンネル内の倉庫にはイザベラの父エルネストが隠れていた。
真相
エルネストを逮捕したギルは、マルコムをバカンスへ送り出す。ギルに頼まれマルコムを空港へ送るダニは、自分自身が怖いというマルコムの苦悩を知る。捜査がマルコムの救いだと悟ったダニは、マルコムが“捜査に必要”だと考えるマーティンのもとへ連れて行く。
「カルは父が敷いた人生のレールに息が詰まっていたらしい」と言うマーティンが示唆した“カル犯人説”に納得したマルコムは、ドレスアップしたダニと披露宴に忍び込む。しかし、「イザベラを愛してた」と後悔を口にするカル本人からボート事故の話を聞いたマルコムは、ジョージが息子に不釣り合いなイザベラを排除するため事故を利用したと気づく。イザベラの遺体が見つからなかったことを思い出したマルコムは、犯人はイザベラだと確信する。逮捕されたエルネストは娘を止めようとしていたのだ。
ドラマチックな演出を好むイザベラの考えを推理したマルコムは、花婿の父としてスピーチしようとしたジョージのマイクを奪う。スピーチを始めたマルコムがボート事故の隠ぺいに触れると、カメラマンとして披露宴にもぐりこんでいたイザベラが姿を現した。「殺さなくても君は幸せになれる」と説得するマルコムに感謝したイザベラは銃を手にする。マルコムはジョージを守り、ダニがイザベラを取り押さえた。ジョージに感謝されたマルコムは「あなたもいずれ逮捕されますよ」と返事した。
マルコムの家族
カルの披露宴で20年ぶりに社交界に復帰したジェシカは、息子の活躍を目の当たりにした。生き生きとしたマルコムを見たジェシカは、捜査がマルコムの幸せだと受け入れる。そんなジェシカに披露宴の招待状を密かに送ったのは、この披露宴をリポートするエインズリーだった。事件を解決したマルコムに、母が幸せそうだったと教えられたエインズリーは安堵した。
おちゃのま感想
今回もマルコムの魅力あふれるエピソードでした。ジェシカがあつらえたバカンス用のキザなスーツを嫌味なく着こなせるのは、さすが!です。
ド派手なアクションや、マーティンとチームのからみなど、面白いネタが盛り込まれたエピソードでした。しか~し、気になったのはマルコムとダニの関係です。地雷に手を置いたマルコムがダニに伝えたかったことって何なんでしょうね?表面上は変わらないけど、二人の間にある空気が変わったように感じます。マルコムにとって、ダニは信頼できるうえ、すべてをさらけだせる相手ですもんね。
そして、ママを思うエインズリーもよかったです。勝気で生意気なお嬢さんだけど、エインズリーはジェシカの悲しみや苦しみをちゃんとわかってるんですよね。