Episode5 Cavitation
【ざっくりあらすじ】
ニュー・アムステルダム病院の特集記事を書くことになったスタンダード紙のルイス・ナヴァロが取材に訪れた日、警官の発砲で被弾した少年マリクとジェイレンがERへ搬送されてきた。
命を救うために
心タンポナーデを起こしたマリクは危険な状態だ。心臓外科医を待てばマリクは助からないと判断したローレンは、規則違反だと承知のうえで処置をした。しかし、処置の最中マリクが出血してしまう。駆け付けたレイノルズは専門外の処置をしたローレンを批判し、ローレンは「人手不足のせいだ」と反論する。その様子を記者のナヴァロが録音していた。
マリクを処置した際の録画を何度も見直したローレンは、自分のミスではないと確信した。一方、マリクを手術したレイノルズもローレンのミスではないと知る。出血源はローレンの処置とは別の場所だった。マリクを救うため、レイノルズも専門の範囲を超えて手術を行った。その後、レイノルズは「わだかまりを残したくない」とローレンに声をかけるが、ローレンの返事は「心臓外科医の脾臓オペは規則違反」だった。
兄と弟
カプールはしばらく寝かされたままのジェイレンが気になった。担当のハートマンは「弾が体内にあるため、しばらく観察する」と説明するが、麻痺に気づいたカプールは「すぐに処置が必要だ」と声を荒らげてしまう。
カプールに押し切られた形で手術を始めたものの、出血が止まらず、ハートマンは「待つべきだった」とぼやく。そんな中、手術に協力していたヘレナが出血の原因を突き止めた。出血の原因を探るためいったん手術室から出たヘレナは、自制できないほど怒るジェイレンの兄ハビエルの様子から、兄弟がステロイドを使っていると気づいたのだ。
マックスは弟を心配するハビエルに手術の成功を知らせた。しかし、回復室で急変したジェイレンは助からなかった。マックスは、弟の動画を見ているハビエルに寄り添った。画面の中のジェイレンは笑顔を振りまいている。たまらず涙を流すハビエルはマックスにしがみついた。
記者の目
マックスの“大改革”を取材するつもりのナヴァロは、慌ただしく病院内を駆け回るマックスに密着した。警察署長や市長からの連絡を無視し続けるマックスは「どちらに味方しても危険だ」とナヴァロに説明した。警察が使う弾を替えさせたい市長は、マックスの後押しを望んでいるのだ。「君の記事でどうにかできないか」と問われたナヴァロは、期待には沿えないと答えた。
取材を終えたナヴァロはマリクたちをテーマに考えるが、マックスがナヴァロに望んでいるテーマは病院の真実だ。ナヴァロは1発の銃弾がもたらした悲劇と、命を救うことに全力を尽くした医師たちの記事を書いた。「最善を尽くしたが、今回は銃弾が勝った。それが真実だ」というナヴァロの記事を医師たちの前で読み上げたマックスは、他でもないこの病院で働くみんなに感謝した。
カプールと息子
メッセージを残しても、連絡がなかったカプールの息子ロハンが病院にやってきた。レストランで仕事をしているロハンは、大したことじゃないが店を任されていると報告する。「会えて嬉しいよ」と切り出したカプールは、唐突に「お前を許す」と告げる。ロハンは「お袋が死んだ後も少しも変ってない」と反発し、「さよなら親父」と帰ってしまう。
一発の銃弾に引き裂かれた家族を見たカプールは息子が働くレストランの前に立ち、懸命に働く息子の姿を眺めた。
ヘレンの涙
泣きはらした目をしたヘレンを見たマックスは「君は僕の最大で最悪の秘密を知ってるんだ」と言い、話を聞こうとする。マックスに「ガンは広がってなかった」と咽頭鏡検査の結果を知らせたヘレンは、子供が欲しいのと打ち明けた。妊娠の可能性を知るため検査を受けたヘレンは、担当医に「もし実子が欲しいなら、すぐに行動する必要がある」と断言されたのだ。
「なぜ褐色の子をこの世に送り出したいのかわからない」と言うヘレンに、マックスは“希望”という言葉を贈った。
おちゃのま感想
病院がテーマのドラマなので、少年二人がどんな事情で撃たれたのか、どうして1つの発砲でふたりが被弾したのか、その辺の事情はわかりません。犯罪捜査のドラマが好きなわたしとしては、そこも気になってしまいますが、これは命を救う医師たちの物語なんですよね。
凝った演出のエピソードでしたが、個人的な好みで言えば、もう少しシンプルなほうが伝わってくるものが大きかったかなと感じてます。
内容はさておき、今回はカプールとヘレンのプライベートが描かれました。フロムについては養子に迎えた子供たちのことが語られました。まだ5話目だけど、おぼろげな人物像が出来上がりつつあります。小さいピースが集まり、泣き虫なヘレンが妙に愛おしく感じるようになってます。