Episode8 Three Dots
【ざっくりあらすじ】
マックスの放射線治療の準備をするヘレンは、病院スタッフたちへの告知を勧める。何とか話してみると応じたものの、マックスにはまだ治療に対する迷いがあった。
ラビの選択
手術を予定しているラビの心臓に問題が見つかり、手術をすれば9割の確率で助からないとわかる。マックスは「生存率が1割ある」と前向きに捉えたが、ヘレンはリスクの高い手術に反対した。『成功率1割の手術にかけてみるか、手術せず残された1年の時間を愛する家族や信者とともに過ごすか』と選択肢を示されたラビは熟考した末、手術はしないと決めた。
明日から始まる化学療法に迷いがあるマックスは、死を前にして穏やかに決断を下したラビにその理由を質問した。「難しい選択だが、幸せと思える道を選ぶべきだ」と答えたラビに、ガンだと明かしたマックスは治療に対する恐怖と怒りを吐露した。「人生は変わっても、君は変わらない」と諭したラビは決断を変えた。
ラビが手術を受けると知ったマックスは手術室へ駆け付けた。おかげで心の整理ができたと笑顔で話すラビは、ガン患者のまま生きるのは嫌だと本音を明かした。ラビの妻も「最初から夫の心は決まっていた」と受け入れている。「厳しい道を選んだ彼を恨みませんか?」というマックスの質問に、妻は「それが彼だもの」と返事した。
心の病
地下鉄に飛び込んだエイミーがERへ運ばれた。その日、エイミーは母親同伴でカプールの診察を受けた患者だった。エイミーの片頭痛の原因はストレスではないかと考えたカプールは精神科のフロムの診察を勧めたが、母親は「娘は片頭痛なんです」と言い張っていた。
運よく線路の間に落ちたエイミーは助かり、エイミーはうつ病だと診断したフロムは母親に治療を勧める。しかし、地下鉄に飛び込んだ娘の心の訴えに目を向けない母親は「娘は足を滑らせただけ」と反発する。一方、親の保険に入っているエイミーは、心の病を受け入れない家族を気にして治療を拒む。マックスの提案で、フロムはカウンセリングを別の診療名に変えることにするが、エイミーは家族にウソをつくことにも苦しみを感じてしまう。
この方法ではエイミーのうつは悪化すると判断したフロムは、「母親抜きに治療はできない」とカプールに説明した。カプールは娘を案ずるエイミーの母親に寄り添い、心の中で自分を責めていた母親は娘の苦しみを受け入れた。母が治療に参加してくれると知ったエイミーは「助けが必要なの」と本音を訴え、母は涙を流す娘の手を握り締めた。
ローレンの失態
別の病院で働いたローレンは休むことなくニュー・アムステルダムのシフトに入る。同じように他病院でバイトしているケイシーは、連続して勤務を続けるローレンを心配するが、ローレンは「私は睡眠を分けて取る」と言いながら働き続けた。
やっと仮眠室に入ってもすぐに呼び出され、レイノルズの誕生パーティーを計画中のイーヴィーに何度も“レイノルズの好きなもの”について質問されるローレンは心身ともに休めない。危険な状態に陥った患者を何とか救ったものの、ローレンは限界だった。意識が朦朧とするローレンは、レイノルズのことをしつこく聞くイーヴィーに、レイノルズと寝たことを暴露してしまった。
カプールと息子
カプールは息子のロハンと一緒に休日を過ごすようになった。1年目のメダルをもらうロハンは集会に父を誘うが、「メダルより依存を克服したことが褒美じゃないか」と指摘したカプールは集会は断り、別の日に会おうと誘う。
エイミー親子を診察したことで、カプールは自分も同じ間違いをしていると気が付いた。依存症の集会に足を運んだカプールは、仲間たちに祝福され、メダルを受け取った息子を見守った。
勇気ある決断
『冒すべきリスクもある』というラビの言葉に励まされたマックスは、密かに考えていた治験段階の“精密標的療法”を試したいとヘレナに知らせた。精密標的療法はラビの手術と同じくらいリスクある選択だ。マックスは自分らしく生きることを望んでいるのだ。
一方、ヘレナも精子ドナーを決めかねている理由をマックスに明かした。愛する人を亡くしているヘレナは、精子ドナーを選び、家族を持とうとすることは彼への裏切りに感じているのだった。
おちゃのま感想
マックスが治療法を決断する分岐点的なエピソードでした。どんなふうな治療なのかわかりませんが、マックスの今ある人生を手放したくないという思いは伝わってきました。
命の選択ともいえるラビの決断や、自殺未遂するほど追い詰められても理解してもらえないエイミーの苦しみや、患者さんたちの物語は重い内容でした。悲喜こもごもの病院の一日で、“喜”の部分を担当したのはレイノルズかな?
悲しげに見えていたヘレンは愛する人を亡くしてました。ヘレンの涙もろい理由は、患者さんや家族の気持ちが痛いほど理解できるからだったんですね。ますますヘレンを応援したくなりました。