Episode2 Essential Workers
カプールを救うためニューアムステルダム病院に戻ったレイノルズは、カテーテルでの処置が最善だとマックスに知らせる。そんな中、カプールに付き添うため病院を訪れたエラに声をかけたヘレンは、エラの陣痛が始まっていると気づく。
エラの出産
出産予定日が3週間先のエラは、心の準備が追いつかないとうろたえる。唯一の家族といえるカプールのほかにエラが頼れる人は出産サポートの女性だけだったが、遠出している女性を呼ぶことはできない。
予定を全てキャンセルしたヘレンはエラの出産に立ち会うことにする。しかし、パンデミックのせいで接触の問題を抱えるようになったヘレンは、苦しむエラの手を握れず、言葉だけで励まし続けるしかできない。一方、生まれてくる赤ちゃんやカプールのことで不安に押しつぶされそうなエラは「もう無理」と弱音を吐き、泣き出してしまう。
強迫性障害のパニックと不安に耐えながら出産に挑むエラにヘレンができることは、その手を握って励ますことだった。勇気を出したヘレンはエラの手を握り、あなたならできると励ました。
フロムの苦しみ
立っているのもやっとのフロムが絶食していると知ったローレンは、大丈夫と言い張るフロムを心配する。ERで摂食障害の患者を見てきたローレンは断りもなくフロムのデスクの引き出しを開け、大量の食べ物と体型を罵る言葉を書いたメモを見つける。メモに書いた罵りは、フロムが父から言われ続けた言葉だった。
自身の体型管理に苦労したフロムの父は、息子に厳しい食事制限を課し、体重を管理した。減量具合をみるため裸の写真を壁に貼られ、罵りの言葉で励まされていたフロムは自分を嫌うようになり、中学生のとき自殺未遂までした。それでも父は何事もなかったかのうように息子の体重を管理し続けたのだ。
フロムを放っておけないローレンとフロムは激しい口論になる。言い争うふたりを止めたのは、カプールが急変したという知らせだった。
カプール
容態が悪化したカプールは、結局、開胸手術するしかなくなった。執刀するレイノルズは、いまのうちにカプールと話をしておくよう勧め、フロムをはじめとする仲間たちはカプールの病室に集まる。
手術を待つカプールの意識が戻り、何かあったらエラと孫を託したいと頼まれたフロムは「もちろん僕が面倒を見る」と約束する。カプールに「君はいい父親」だと言われたフロムは、反発してしまったローレンに本音を打ち明ける。フロムは父の言葉が頭から離れない苦しみを吐露し、かつてフロムのセラピーに救われたローレンは「セラピストに話してみたら?」と提案した。
カプールの手術は成功し、エラも女の子を出産した。夢の中で亡き妻に「孫娘がおじいちゃんを必要としてる」と教えられたカプールが目覚めると、見守る仲間たちの顔があった。
改革の修正
看護助手が骨肉腫の母のためにオピオイド鎮痛薬を窃盗したことで、マックスは自身が決めたオピオイド規制の問題に気づく。オピオイドの規制は命を救うための改革だったが、個別の症例を無視して一律に規制したことで苦しむ患者を置き去りにしていたのだ。
必要としている患者に安全な量だけオピオイドを渡す方法を考えたマックスは自転車便での配達を思いつくが、その方法は犯罪だった。逮捕されたマックスを保釈した理事長のブラントリーは、『薬の行方を追えず、説明責任を果たせない』と自転車便の問題点を指摘する。
ブラントリーの指摘をヒントにしたマックスは、解決策を見つける。ニューアムステルダム病院が処方するオピオイドにウォーターマークの目印をつけることで転売を阻止できると考えたマックスは、和解の条件に公立病院への寄付が含まれている製薬会社にその費用を負担させることにしたのだ。
パンデミックを経て
出産するエラの手を握ることができたヘレンは、誤解されたまま終わりそうなシンとの関係を取り戻す。
新型コロナウイルスの犠牲になった大勢のスタッフを偲ぶモニュメントの前に座ったレイノルズは、一緒に闘えなかったことを悔やむ。そんなレイノルズに「今はここにいる」と声をかけたローレンは、大打撃を受けた病院で最も苦しんだ人物だった。
おちゃのま感想
カプール先生の物語が悲しい結末でなくてホッとしています。カプールを演じてるアヌパム・カーさん降板の件は知っていたので、タイミング的にパンデミックの犠牲になるのでは・・・と心配しておりました。
パンデミックのせいで、すっかり遠い過去のような感覚でしたが、そういえばそんなこともあったな〜な、マックスのオピオイド改革。大問題の鎮痛剤を自転車便でお届けする案に驚いていたら、逮捕されちゃいましたね〜。この問題は簡単に解決するとは思えないのだけど、ニューアムステルダム的にはこれで終わりってことなのかな。
今回のエピソードの主役はカプールだと思うけど、フロムの過去が悲しすぎました。同じ様に辛い子供時代を送り、依存症になってしまったローレンにはフロムの苦しみが理解できるんですよね。親の呪縛を解くのは簡単ではないと思うけれど、これをきっかけに乗り越えてほしいです。フロム先生が自分を愛せますように(祈)