Episode8 Peking Duck Day
【ざっくりあらすじ】
感謝祭関連のケガ人で混雑するERにVIP患者ハリスが搬送される。数年前にアカラシアと診断されたハリスは「手術も受けたが悪化してる」と説明し、喉の詰まりを訴える。祝日は手術室で過ごすと決めているベルとミーナがハリスの病室へ向かうと、そこには独断で執刀医を決めたキムがいた。
外科部長ベル
キムが執刀医に選んだトーレスは、レッドロックが他の病院と競って引き抜いた若手の外科医だ。ハリスに必要な手術の複雑さを熟知しているベルは新任のトーレスの初仕事には不適切だと言い、「医学的な判断をするのは外科部長である私だ」と抗議する。一方、ベルの助言を無視するキムは「私の仕事に口を出すな」と言うだけでなく、外科医としての手腕も見下した。
ベルがスパイとしてトーレスの手術に送り込んだミーナによると手術は完璧だったが、合併症を起こしたハリスは急変する。トーレスより先にハリスの状態を把握したベルは主導権を握り、珍しいうえ複雑な処置を提案し、トーレスの関心を得る。トーレスがその処置をしたことがないと知ったキムは、しぶしぶベルに執刀を頼んだ。
ベルが執刀するハリスの手術に参加したトーレスは、教科書では学べないベルの知識と技術に感嘆し、ベルもトーレスの手術は完璧だったと称える。VIPの手術の成功に安堵しながも、キムは反抗的な態度をとるベルに憤る。キムの批判を遮ったベルは「礼をいうべきだ」と告げ、話は終わってないと食い下がるキムに背を向けた。
兄弟の絆
デリバリーと映画で、ニックとふたりきりの感謝祭を過ごす予定だったコンラッドは、咳が止まらないという少年トミーをERへ運ぶ。休暇中の主治医と連絡が取れないトミーの父親は焦り、近所に住む医師のコンラッドを頼ったのだ。
搬送途中、2度も失神したトミーは危険な状態だった。コンラッドに呼ばれ、育ての親と生みの親の家族を招待した緊張と不安の感謝祭から抜け出したオースティンは「俺が執刀すれば助かる望みは少し増える」と言い、執刀を引き受ける。感謝祭の日に家族を失わせたくないコンラッドは手術の延期を提案するが、トミーは1日も待てない状態だった。
コンラッドの心配は杞憂に終わり、トミーは厳しい手術を乗り切った。トミーに付き添う兄を見たオースティンは「世話をしてくれる人より、自分が世話をする人が愛しい」と詩人になる。兄弟が欲しかったコンラッドは、突然ふたりの弟ができたオースティンに「よかったですね」と声をかける。年の離れた弟たちとの接し方に戸惑っていたオースティンは、「思い出は作ればいい」というコンラッドの言葉に勇気づけられた。
オースティンの家族
自宅へ戻ったオースティンは、帰ろうとしている弟たちに遅くなった理由を説明するが、医師の母に育てられたふたりは気にしていなかった。オースティンは「酒でも飲みながら話そう」と提案し、父ラマーも息子たちを引き留める。
「1杯なら」と言う弟たちと戻ったリビングでは、育ての両親と生みの母ボニーが楽しそうに笑っている。いつもは笑えないラマーの冗談にみんな笑い、オースティンも「なじみすぎだ」と冗談をお返しした。
ニックとカイルの感謝祭
コンラッドが病院でトミーを診ている間、ニックは父カイルと、カイルの“友達”セイディと感謝祭を過ごしていた。病院のボランティアを続けているカイルは、ジェシーと同じ年の依存症患者セイディを気にかけ、断薬を支えているのだ。
ジェシーのいない感謝祭を過ごす父の寂しさを理解できるニックはふたりに料理を任せるが、セイディがオーブンの点火を忘れたことで父ともめる。その間に姿を消したセイディは薬を物色し、ニックの宝石を盗んでいた。
本当にすまないと謝る父を抱きしめたニックは「私たちは家族よ」と慰め、ふたりは悲しい感謝祭の思い出を共有する。ニックとカイルにとって、感謝祭は母が亡くなった記憶に繋がる日だった。「コンラッドがいる」とニックを励ましたカイルは自宅へ帰り、ビデオの中のジェシーと感謝祭を過ごす。画面の中の小さなジェシーは「パパ大好き」と言い、満面の笑みをカイルに向けている。
おちゃのま感想
ジェシーを亡くしたニックとカイルの深い悲しみが伝わり、心が痛くなくなるエピソードでした。
明るい話題といえば、オースティンの両家初顔合わせと、回復してるジェシカですね。実の家族を捜し求めたオースティンにとって、今年の感謝祭は忘れられない日になったでしょうね。『レジデント』は不正と闘う医療ドラマだけど、こういう優しい気持ちになれる物語も必要ですよね。
こんなふうにしみじみとした気持ちになれた理由は、ケインが登場しなかったからかも。ベルとキムの対決も、心穏やかに見守ることができました。トーレスを懐柔したベルのしたたかな反撃は見ものでしたよね。このままキムが黙ってるとは思えないけど。