Episode17 Sanctuary
【ざっくりあらすじ】
停電時の頼みの綱である発電機が作動せず、非常用バッテリーは1フロア1時間分しかないとわかる。患者のトリアージを提案するヘレンの助言に耳を貸さないマックスは、患者たちをICUに集める。
ヒーローになった受刑者
患者たちに命の危機が迫る状況で、発電機の修理をしていた設備担当のヘンリーが感電の事故に遭ってしまう。院内に残っている設備担当は他におらず、途方に暮れるマックスに、フロムは受刑者のバールは元電気技師だと教えた。問題はバールが殺人犯ということだ。子供時代の虐待と職場でのいじめが原因で同僚を殺したバールを“行動に問題があるだけ”と擁護するフロムは、責任は持つと約束する。
全員を救うため、マックスはバールに協力を求める。皮肉を言いながらも「直してやる」と返事したバールは、病院の見取り図と減刑を要求する。僕に減刑の権限はないと説明したマックスは「君はヒーローになれる」とバールへの信頼を示し、フロムはバールの良心に訴える。
作業を始めたバールは溶接機があれば10分で直せると請け合うが、溶接には非常用バッテリーをすべて使うことになる。殺人を犯したバールを信じられないヘレンは、全員の命を救うのは不可能だと反発する。ヘレンと衝突したマックスは、10分電源が落ちることをみんなに伝えてくれと命じた。
溶接機を受けとったバールは「万が一、爆発でもしたら危ない」と言い、監視役の刑務官やマックスたちを下がらせる。溶接の火花が止まり、様子を見に現場に入ると、そこにバールはいない。だまされたと悟ったマックスは動揺し、ヘレンは「今のあなたの仕事は、被害を最小限におさえること」と励ました。ヘレンの言う“仕事”は、救う患者と見捨てる患者の選別だ。選ぶことのできないマックスの代わりをヘレンが引き受けると同時に、電気が戻った。
バールは逃げたのではなかった。溶接では無理だと判断したバールは、図面に載っている昔の地下プールに燃料ポンプを探しに行っていたのだ。大勢の命を救ったバールに、マックスは「望みはある?」と質問する。バールの望みは、まともになることだった。
停電の病院にて
救助したヒューを手術室に運んだものの、明かりも機器も使えない状況でレイノルズは手術できない。手をこまねくレイノルズを助けたのは戦地での経験があるカンデラリオだった。カンデラリオは昔ながらの手法で手術し、ヒューの鼓動に合わせ縫合するレイノルズは自画自賛する。しかし、麻酔の調整がうまくいかず、意識が戻ったヒューがパニックを起こしてしまう。ヒューには輸血が必要になるが、病院に血液の在庫はない。マックスはICUに集まった患者たちに「100年に一度の猛吹雪の夜、僕たちは最高のことをしたと語り継ぎましょう」と呼びかけ、人々はヒューのために献血を申し出た。
入院に保険が適用されず、出産後すぐに退院しようとしていたキラが倒れた。キラの頭痛の訴えを聞いていたヘレンはカプールの部下アグネスに治療を任せ、アグネスはエレベーターに閉じ込められたカプールとハートマンに指示を仰ぐ。キラの状態を聞いたハートマンは“羊水塞栓症”と診断し、「電気が戻らないと、できることはない」と判断する。一方、必要な機器の準備を指示したカプールは、磁石を使った昔ながらの手法をアグネスに教え、アグネスはキラを助けた。
嵐の後
吹雪の夜は終わり、病院に日常が戻った。手術を終えたヒューは夫に電話をかけ、キラの腕には赤ちゃんがいる。
君なしじゃ乗り切れなかったとヘレンに話すマックスは「僕らはいいチームだ」と満足しているが、ヘレンは違う。停電になる前に話そうとしていた話の続きを切り出したヘレンは、マックスが求める“すべて”になることは無理だと言い、主治医をスタウトン先生に代わってもらうと告げた。
おちゃのま感想
やはりヘレンは主治医をやめてしまいました。
補佐としての助言も、主治医としての指示も、マックスはすべて無視していたので、ヘレンの決断は仕方ないものだと思えます。
ヒーローになった囚人バールの物語に加え、今回のエピソードは古き手法に目を向けるというものでした。大雪に埋もれ、杭が体を貫き、しかも心臓の手術中に目覚めてしまったヒューの今後の精神状態が気になりますが、とにかく助かってよかった。和ませ役のカプール節も健在でしたが、前回危篤状態だったクリッシーは亡くなったんでしょうね。
困難な状況を乗り切り、達成感が伝わる大吹雪の夜の物語でしたが、患者さんたちの命綱である発電機が作動しなかったことは大問題ではないのかな?