当ブログはコピペ防止の措置をとっています。予めご了承ください。
記事内に広告が含まれています

ドロップアウト〜シリコンバレーを騙した女【ドラマファイル】

この記事は約5分で読めます。
スポンサーリンク

原題:The Dropout

The Dropout

作品データ

  1. ジャンル:実話
  2. シーズン:1(完結)
  3. エピソード:8
  4. 主な舞台:シリコンバレー
  5. アメリカでの放送:2022
  6. キャスト:アマンダ・セイフライド(エリザベス・ホームズ)ナヴィーン・アンドリュース(サニー・バルワニ)
  7. メモ:最終話まで視聴済
  8. 評価:4.0

あらすじ

シリコンバレー最大の詐欺事件を引き起こしたアメリカ最年少の女性ビリオネア、医療ベンチャー企業セラノスの創業者エリザベス・ホームズの栄光と没落を描く、実話に基づくドラマ。

はじまり

大統領奨学金を得たエリザベスは、スタンフォード大学への入学が決まる。そんな中、父が勤めていた会社が倒産し、ホームズ家は隣人のリチャードに援助を求める。父いわく「恥知らずの詐欺師」のリチャードと会ったエリザベスは億万長者になる夢を語り、「特許を申請して金をせしめてる」とリチャードを批判する。(後に、Richard Fuiszは、秘密のベールに包まれたセラノスを脅かす人物になる)

その後、エリザベスは留学した北京で19歳年上のバルワニ(サニー)と出会う。楽しみ優先の同年代の学生に辟易していたエリザベスにとって、ソフトウェアの会社を4000万ドルで売ったと話すバルワニは刺激的な人物だった。(後に、バルワニはエリザベスの恋人兼メンター的存在になり、2009年にCOOとしてセラノスに入社する)

スタンフォード大に入学したエリザベスは「バイオメディカル業界へ進み、ジョブスみたいな億万長者になりながら人を救う」という明確なビジョンを持ち、院生対象のロバートソン教授の研究グループに入る。自信のまま突き進むエリザベスはロバートソンも一目置く存在になるが、最初のアイデアは尊敬するフィリス・ガードナー医師に「実現不可能」と一蹴される。(後に、ガードナーはエリザベスの詐欺を暴く存在になる)

同じ頃、レイプ被害を訴えた大学に「証拠はない」と突き放されたエリザベスは研究に没頭し、1滴の血液で検査できるiPodサイズの医療デバイスを思いつく。こうして、大学2年の19歳で退学を決めたエリザベスは、両親に大学の授業料を投資してもらい、起業家への道を歩き始める。

セラノス設立〜廃業までの流れ

  • 2003年
    セラノス設立

    エリザベス・ホームズ当時19歳

  • 2009年
    バルワニ COOとして入社
  • 2011年
    ジョージ・シュルツ 取締役会に入る
  • 2013年
    ウォルグリーンと提携
  • 2015年
    WSJ暴露記事掲載
  • 2018年
    9月4日
    セラノス廃業

おちゃのま感想

シリコンバレー史上最大のスキャンダルという事件そのものもそうですが、エリザベス・ホームズの人間性や、ホームズを信じた人々の背景が興味深いドラマでした。

まずホームズの裁判について書いておくと、12件すべての罪状について無罪を主張し、投資家に対する詐欺罪と通信詐欺罪3件の計4件について有罪になったとのこと。「失敗は犯罪ではない」という主張は弁護士が考えたものかもしれませんが、ドラマの中ではホームズのセリフとして使われ、ホームズの人間性を表すシーンのひとつになってます。

そのホームズの人間性について。ドマラを観て感じたのは、共感力ゼロのナルシシストな本質をうまく隠している人。そんな印象を受けました。ドラマは脚色されたものだとしても、“エリザベス・ホームズ”という人物の調査も研究もしたはずですよね。そう考えると、人間らしさがまったく伝わってこなかったのは、実際のホームズがそういう人だから・・・と解釈しております。特に、自殺した主任研究員のギボンズに対しての仕打ちは酷かった。社員を守秘義務契約で縛る様子は、怪しげな秘密組織そのもの。

そんなホームズの周りに集まった大物たちの顔ぶれがすごいです。ドラマの中でも重要人物として描かれたシュルツ元国務長官をはじめ、多数の有力者を取締役に迎え、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に暴露記事が出そうだと知ると、メディア界の大物ルパート・マードックを(WSJも傘下)株主に迎えるという周到さでした。(マードックはホームズの思惑通りに動かず、記事は発表されました)

第4話のタイトルにもなってますが、ホームズが接触した相手は“Old White Men”。医療とは無関係の年配の白人男性です。“医療とは無関係”という部分に、社内の実情を探られたくないホームズの本音が見えてるような気がします。一方で、大物“Old White Men”の面々がホームズに耳を傾けた理由にも人種的な背景があるのではないかと感じます。ホームズが有色人種だったら?バルワニとの関係を公表していたら?と考えずにはいられません。

ドラマそのものの感想としては、フィクションならば「面白い!」と言えますが、これは実話。なので、「ただただ驚いた」というのが正直な気持ちです。衝撃的な詐欺の実態にばかり注目してしまいますが、実在する人を演じた俳優陣は素晴らしかったです。特にホームズ役のアマンダ・セイフライドは、自信過剰で尖ってた高校時代からビリオネアへと変貌してゆく過程をリアルに見せてくれました。

ウソとハッタリで巨額の富を得たホームズを追い詰めたのは、執念深い隣人リチャードとホームズの欺瞞を見抜いていた医師のガードナー。そして、内部告発者になったタイラー(シュルツの孫)とエリカです。身の危険を感じながらも、正義感に従ったタイラーとエリカは、この物語の救いのような存在でした。

スポンサーリンク
テキストのコピーはできません。