原題:Zoey’s Extraordinary Playlist
作品データ
- ジャンル:ミュージカルコメディ
- シーズン:2(キャンセル)
- エピソード:25
- 主な舞台:サンフランシスコ
- アメリカでの放送:2020-21
- キャスト:ジェーン・レヴィ(ゾーイ)スカイラー・アスティン(マックス)ジョン・クラレンス・スチュワート(サイモン)アレックス・ニューウェル(モー)
- メモ:最終話まで視聴済
- お気に入り度:
あらすじ
憧れのIT企業スパークポイントでプログラマーとして働くゾーイの心配事は、進行性核上性麻痺(PSP)を患う父と、父を世話する母のこと。日に日に弱ってゆく父は意思の疎通もできなくなり、感情があるのかさえも分からない。
父の病気のこともあり、頭痛が続いているゾーイはMRI検査を受けることにする。MRIの検査中に大きな地震を体験したゾーイは、他人の心が歌になって聞こえる不思議な能力を得てしまう。困惑するゾーイは音楽通の隣人モーに相談し、ゾーイの特殊な能力をあっさり受け入れたモーは良き相談役になる。
モーに「歌は心の底にある感情を引き出す」と教えられたゾーイは、痛々しいハートソングを歌っていた片思い中のサイモンに声をかけてみる。悲しみに寄り添うゾーイはサイモンと親しくなるが、サイモンには婚約者がいた。落ち込むゾーイは昔のように父に愚痴をもらす。「自分を見失いそう」と父の隣で涙を流したゾーイは、愛しい娘を励ます父のハートソングを聞く。
おちゃのま感想
観終わった後、笑顔になってる。そんなハートフルなドラマでした。IMDbでは高評価・・・なのにシーズン2でキャンセルになってしまいました(涙)
『他人のハートソングが聞こえる』・・・という奇抜なアイデアは、製作総指揮のオースティン・ウィンズバーグさんがゾーイの父ミッチと同じPSPという難病で父を亡くしたことがきっかけとのこと。快活だった父と意思疎通ができなくなってゆく経験は辛く悲しいことだったと思いますが、視聴者に元気を与える物語を生み出してくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
ミュージカルドラマなので、やはり歌とダンスが魅力なのですが、わたしの心をつかんだのは登場人物たちの人となり。主人公のゾーイはキャリア志向でありながらもガツガツしておらず、春の日差しのようなあたたかさを感じる人でした。そのゾーイの家族や友人だけでなく、会社のライバルや上司、果てはCEOまで、全員が憎めない愛嬌の持ち主。親近感を持ちながら楽しめた理由は、心の声がダダ漏れしちゃうという設定があればこそなのかもしれません。
たくさんのミュージカルシーンがありましたが、わたしのお気に入りは、シーズン2第2話「邪魔だらけのプレイリスト」で、ついにロマンチックな夜を迎えたゾーイとマックスが歌う『A Moment like This』。
大好きだった父を亡くした悲しみの中にいるゾーイとの大切な夜を、自分のハートソングで台無しにしたくないマックスは感情と無関係の歌(『Take Me Out to the Ballgame』)を思い浮かべようとするんですが、ゾーイへの想いは抑えきれません。「相手が他でもないあなただから、何があっても一緒に頑張れる」と言うゾーイが、マックスのハートソング『A Moment like This』にデュエットしてゆく様子は、とってもロマンチックなシーンでした。
シーズン2でのキャンセルは本当に残念ですが、マックスと互いの愛を確認し合ったところでの終了は、(ゾーイ&マックスを応援してたわたしとしては)良いタイミングだったのかも。(その後ストリーミングサービスのRoku Channelで救済され、クリスマスバージョンのスペシャルエピソードが配信されました)そう遠くない未来、マックスと結婚したゾーイが母になり、我が子のハートソングにオロオロする・・・そんな楽しい姿を想像しながら、わたしの心を温めてくれた『ゾーイの超イケてるプレイリスト』の感想はおしまいです。