Episode10 Blood Magic
【ざっくりあらすじ】
養護ホームで就寝中に亡くなった91歳のカトラー夫人の死が殺人だと通報が入った。前日、世話係のメイソンが夫人の首を絞めているところを看護師が目撃したのだ。看護師は、メイソンが「夫人は怪物だ」とわめいていたとニックたちに説明した。
死ほど確かなものはなく
死期ほど不確かなものもない
認知症のヴェッセン
メイソンに襲われた夫人を診たランドー医師は「状態もよく痛みも訴えていなかった」と話し、メイソンのせいではなく、年齢と病状から自然死だと診断していた。「殺してない」と訴えるメイソンの話から、重度の認知症だったカトラー夫人は自制できずヴォーガし、メイソンを襲ったのだとわかる。しかし、メイソンの正当防衛を証明することは難しい。
検死の結果、メイソンとのもみ合いが死因ではないと判明した。夫人の体内から、サシガメという虫の唾液に含まれる“ヒアルロニダーゼ”が検出されていた。普通、人には無害なものだが、夫人の体内には異様な量の“ヒアルロニダーゼ”が注入されていた。
ニックたちから『“ヒアルロニダーゼ”を大量に使うヴェッセン』を尋ねられたモンローとロザリーは顔を見合わせた。言い淀みながら、モンローは「おそらく“ゲファータ・トート”だろう」と教えた。ゲファータ・トートは“死の教父”と呼ばれ、認知症になったヴェッセンを苦痛なく旅立たせる、彼らにとっての守護者だった。
ヴェッセンたちにとって、ヴォーガが抑制できなくなる認知症は人間より深刻な問題だった。モンローとロザリーも“その時”が来れば“死の教父”を呼ぶと決めている。「逮捕しない」とニックたちに約束させたふたりは“死の教父”に連絡を取った。現れた“死の教父”はカトラー夫人を診たランドー医師だった。
ニックがグリムだと知ったランドーは驚くが、メイソンが無実の罪で投獄されそうだと聞き心を痛めた。カトラー夫人の主治医としての証言をランドーに頼んでいると、ランドーに助けを求める電話が入った。相手はスパイスショップの常連スタントン夫人だった。
ランドーとともにスタントン夫人の家へ駆けつけると、夫人は床に倒れ、認知症の夫は家にいなかった。外で何か悪いことをしていると涙を流し説明した夫人を落ち着かせ、ニックたちは夫の携帯を追跡した。見つけた夫は混乱した様子で妻を探していた。
自宅に戻った夫は出迎えた妻のことがわからなかった。スタントンの杖は、最近起きたヴェッセンが犯人だと思われる2つの殺人事件の防犯カメラに映った老人の杖と一致した。スタントン夫人はランドーに“死の教父”の仕事を頼み、ロザリーとモンローが夫人を支えた。
鏡の向こう
ダイアナが話した『鏡の穴が通じている“別の場所”』へ行くと決めたイヴは、アダリンドに鏡の仕組みを質問した。「鏡の中に入りたい」というイヴをアダリンドは危険だと止めるが、「ドクロが接触してくるのは模様が見えるせいだと思う」と言われ、イヴに母親の魔術の本を貸した。イヴの考えが正しければ、模様が見えるダイアナも危険だ。
“血”が異界へ行く鍵だと確信したイヴはモンローたちに知らせようとしたが、自宅には誰もいない。「一人でなんかやりたくない」とニックに話していたイヴはモンローたちを待たず、自分の手を切り血を鏡に塗り付けた。しばらくすると、鏡の中に渦巻く世界が現れた。手を伸ばしたイヴは、そのまま鏡の中へ入っていった。
ダイアナの父
ダイアナの絵の調査を頼んだダーシャから「いずれ大ごとになる」と警告されたレナードはダイアナのことが心配だ。レナードは「トンネルを見せろ」とアダリンドに迫るが、アダリンドの返事は「ニックと話して」だった。
レナードはダイアナの描いた絵をニックに突きつけ、「この模様のあるトンネルを見たい」と要求した。娘が危険に巻き込まれているのか?と憤るレナードに、ニックは危険だと教えた人物の情報と交換だと告げた。
おちゃのま感想 ★★★★
哀しいエピソードでした。
ヴェッセン界のおはなしは、まだまだいろんなアイディアがあるんでしょうね~。よく練られた内容で、見終わったあとに余韻が残ってます。
さて、イヴは鏡の中に入っちゃいましたよ~!
鏡に血が塗られているので、イヴが行ってしまったのはわかると思うけど・・・。モンローたちを待って欲しかった(涙)
イヴを見ていると、ジュリエット時代より、なんとな~く演じる楽しさを感じます。同じようにすっかり穏やかになったアダリンドにも違う一面を演じる楽しさを感じます。みんな『グリム』の中で、成長してるんですよね~。しみじみ…。