原題:Limitless
作品データ
- ジャンル:SFコメディクライム
- シーズン:1(キャンセル)
- エピソード:22
- 主な舞台:NY
- アメリカでの放送:2015~2016
- メモ:最終話まで視聴済
ストーリー
ブラッドリー・クーパー 製作総指揮。
映画『リミットレス』を下敷きにした1話完結の犯罪ミステリー。
偶然知った1錠の“NZT-48”という脳を100%活性化する薬から、普通の人ブライアン・フィンチの人生が大きく動き出す。“NZT-48”には、超人的な能力を手に入れられるほかに恐ろしい副作用があった。
NZTの力でのしあがったモーラ議員はブライアンに副作用を抑える薬を与え、引き換えに自分のスパイになることを要求した。ブライアンの監視はモーラの側近サンズが務め、ブライアンは人を殺すことも厭わないサンズの裏の顔を知ることになる。
解毒薬の存在を知らないFBIのナズ・ポーランは、ブライアンの免疫の謎を解明するため、部下のレベッカの提案に従い、ブライアンをコンサルタントとして雇った。ブライアンは“マイクとアイク”と名付けた護衛たちに毎日1錠NZTを支給され、その頭脳を使いレベッカたちとともにFBIの難事件を解決する。
モーラ議員誕生まで
映画を見てなくても十分に楽しめるドラマですが、エディ・モーラの物語を少しだけ。
モーラとNZTの出会いは、元妻の弟から渡された1錠のNZTから。人生に行き詰まり、家賃も払えない・・・そんな(ブライアンと同じような)状況だったモーラは、NZTの能力を存分に活用しつつ1歩ずつ目標とする人生を手に入れていきます。その過程で命を狙われ、NZTをめぐる敵の多さを知り、副作用の恐ろしさを味わう…という流れ。
モーラは早い段階でNZTの製造を始めたのですが(出資して作らせてた)、生き延びたあとは改良品を製造するようになり、その時点でおそらく副作用を抑える薬を完成させたのだと思います。(これはわたしの想像)
ドラマでのモーラ議員が、副作用を抑える薬を武器にNZTを独占し支配しようとしているのは、映画版での顛末を思えば、なるほどな~と納得です。
こんなところにあの人が!
このドラマが楽しかった理由のひとつに挙げられるのは、ほかのお気に入りドラマで活躍した人が大勢出演していたところ。遊び心満載で、特にメインキャラのブライアンとレベッカの相手役にシビれたのはわたしだけではないはずです。(視聴率を~・・・なんてことはこの際なしで)
ブライアン・フィンチ
『私と彼とマンハッタン』ピーター
ブライアンの元カノ
『私と彼とマンハッタン』ピーターの彼女デイナ
レベッカ・ハリス
『デクスター』妹のデボラ
レベッカの秘密の(元?)恋人ケイシー
『デクスター』クイン
スペルマン・ボイド
『CSI;NY』ホークス
『コバートアフェア』カルダー
ナズ・ポーラン
『グリム』ニックのママ、ケリー
『Law&Order:クリミナルインテント』ゴーレンたちの上司
ブラアンのママ
『フリンジ』ニーナ・シャープ
パイパー
『ワンス・アポン・ア・タイム』エルサ
モーラ議員
ブラッドリー・クーパー
おちゃのま感想
このドラマの魅力は、なんといっても主役のブライアン!ブライアンの癒し系善人オーラが、シリアスな展開になってもドラマ全体を包みこみ、このドラマ特有のコメディ部分とうまく馴染んでおりました。
FBIのコンサルタントになり、モーラ議員に脅されても(実際に脅してたのはサンズ)、ブライアンは“自分”変えることはありませんでした。ここが他の常用者たちと違うところです。もちろん、普通(というよりダメ人間)だったブライアンもNZTを飲むことで、その力に魅せられはします。しかし、ブライアンがいつもいちばんに考えていたのは「愛する人たちのため」。そして、自分らしくいること。ブライアンが、最初の1錠で使おうとした能力はパパのためだったし、最後はレベッカのため。そんなブライアンだからこそ、レベッカやFBIの仲間たちはブライアンを信じ、受け入れたんだと思います。
ドラマを見終わって感じた根本的なテーマは『NZT-48を正しく使える人間がいるとしたら・・・』です。そのうえで・・・
・ブライアンをスパイにしたモーラ議員の目的と、その支配から逃れるブライアン
・暗躍するサンズ
・NZTを服用していたレベッカの父の死の真相
が大きなストーリーとして描かれていました。
序盤からブライアンを脅していたサンズがシーズン通しての悪役となり、最終的にレベッカに撃たれ倒れます。レベッカの父親を殺したのもサンズでした。ラストは、サンズに拉致されてたブライアンの恋人(と呼んでいいのだろうか?)パイパーが永遠に続く解毒剤をブライアンに与え、ブライアンはFBIへ復帰。特捜班までつけてもらえることになって、ハッピーエンド。次への期待感を残して終わります。
シーズン1で終了したのは残念ですが、ドラマ特有の明るい雰囲気を壊さないまま終わったので良かったとも感じてます。メンバーだったケイシーがNZTがらみで死んでしまったりという出来事がありましたが、ブライアンの悲願だった“司令部!”のメンバーたちは個性豊かで最高でした。このメンバーのスピンオフを作って欲しいと思うほど。
永遠に続く解毒剤を接種したブライアンの、これからの活躍も見たいのですが、ここでドラマは終わりです。「あなたは誰よりも思いやりと正しい心を持った人。薬を飲まなくても。」というレベッカの言葉通り、NZTなど関係なくブライアン個人の魅力にあふれたドラマでした。