原題:Dead to Me
作品データ
- ジャンル:ダークコメディ
- シーズン:2(継続中)
- エピソード:20
- 主な舞台:LA
- アメリカでの放送:2019~
- キャスト:クリスティナ・アップルゲイト(ジェン)、リンダ・カーデリーニ(ジュディ)
- メモ:シーズン2まで視聴済
ストーリー
夫をひき逃げで亡くしたジェンは悲しみを癒す集会でジュディと知り合う。やりばのない感情を持て余し、眠れないジェンは深夜の電話に付き合ってくれるジュディに心を許すようになる。
ある夜、SNSで調べたジュディの自宅を訪ねたジェンは、ジュディの嘘を知る。その豪邸でジェンを出迎えたのは、ジュディが「死んだ」と話していた婚約者のスティーヴだった。
嘘がバレたジュディは、亡くしたのはお腹にいた赤ちゃんだと打ち明ける。5度も流産を繰り返した末、スティーヴと別れたと言うジュディに同情したジェンは、勤務先の介護施設に間借りしているジュディに亡き夫が使っていた離れを提供し、ジュディはジェンの家族と同居を始める。
犯人逮捕を警察に任せておけず、自らひき逃げ犯を捜すジェンに付き合うジュディには、明かせない理由があった。ジェンの夫をひき逃げしたのは、ジュディだったのだ。同乗していたスティーヴの指示で現場から逃げたものの、罪悪感から逃れられないジュディは、夫を亡くしたジェンの力になろうと考えたのだ。
おちゃのま感想
夫を亡くしたジェンと、不思議な女性ジュディの友情物語かと思いきや、それだけでない深~い内容のドラマでした。
シーズン2まで見終わったところでの感想ですが、裏テーマのように描かれるジェンとジュディの罪悪感と喪失感を通し、これまでの人生で溜めこんだ負の感情を互いに支え合うことで浄化し、ふたりが唯一無二の関係になってゆく物語かな…という印象です。
ふたりの出会いはジュディがジェンの夫をひき逃げしたことがきっかけですが、逃げてしまった理由は同乗者の元婚約者スティーヴに命令されたから。別れたものの、なんとなく未練のあるスティーヴの“一蓮托生”という言葉を信じているジュディなので、罪の意識に苦しみながらも出頭するつもりはありません。逮捕は嫌だけど、夫を亡くしたジェンを支えたいと考えるところがとってもジュディらしい発想で、ジュディのこの天然な性格がこじれたストーリーを生み出し、ダークに偏りそうな内容のコメディな味付けになっています。
一方、イラつきと怒りで毒を吐くジェンは、悲しみに浸れない理由がありました。ひき逃げされる前、ジェンは女性としてみてくれなくなった夫と激しくケンカしていたのでした。母を乳がんで亡くしたことが大きなトラウマになってるジェンは、予防のため乳房切除の手術を受け、理解してくれると思っていた夫の心はジェンから離れてしまうのです。夫が死んだのちに知ることになるのですが、家計をジェンに任せ、主夫をしながらミュージシャンの夢を追っていた夫は「妻は死んだ」とウソをつき、若い子と浮気をしていたのでした。悲しすぎる…。
愛していた夫の別の顔を知ったジェンが少しずつ立ち直り始め、ジュディに悪事を告発されたスティーヴをジェンが殺して終わったシーズン1。シーズン2では罪悪感と喪失感をチェンジしたジェンとジュディに、新たに登場するスティーヴの双子ベンがからみ、よりこじれた物語が展開されます。
このドラマのわたしのお勧めポイントはリンダ・カーデリーニ演じるジュディです。誰しも好きになってしまう…そんなジュディの魅力は包容力と愛情深さ。人の好いジュディの人間らしい苦悩と、愛されたい欲求はこのドラマの見どころだと思います。喋りすぎて墓穴を掘るジュディと辛辣なジェンの会話は、まるで息の合った漫才コンビのようです。
この記事を書いてる段階では、まだシーズン3への更新は発表されておりませんが、クリフハンガーで終わったので、きっと更新されると期待してます。迷路の中をぐるぐるとさまよっているようなドツボにはまったジェンとジュディが窮地を脱し、人生を立て直してゆく姿まで描いてほしいなと思います。
※シーズン3へ更新されました。シーズン3がファイナルになります。