Episode4〜6
第4話 海の彼方へ(Beyond the Sea)
第5話 心臓が動く音(The Tail-Tale Heart)
第6話 モンスターのいるところ(Here, There Be Monsters)
【ざっくりあらすじ】ボートで沖へ出たガス、ジェップ、シンの3人は停泊していたカナダ行きの船に乗り込むことに成功するが、感染に襲われた船内の生存者は一等航海士のダーウィンだけだった。一方、海岸に取り残されたベッキーはジャンに捕らえられ、難を逃れたウェンディはどこかへ連行されるベッキーの後を追う。
あらすじ
船でのできごと
感染するかもしれないジェップやシンに代わり船内を調べたガスは、唯一の生存者ダーウィンと無線で交信する。“感染を食い止める”という船長の遺志を尊重するダーウィンはエンジンは動かせないと断るが、ガスは諦めない。
「ジェップを失いたくない」という強い思いを抱くガスは、船長がやり残した仕事を引き受ける。感染で亡くなった人々を悼みながら水葬したガスは、船内に広がった疾病の印といわれる紫の花を一掃する。困難な仕事をやり遂げたガスとの約束を果たすため、ようやく船室から出てきたダーウィンは船をアラスカへ向け出港させるが、自身の感染に気づき海に身を投げる。
アラスカにて
アラスカでガスたちを出迎えたのは、船からの無線に応答したシアナだった。シアナは仲間のいる基地にガスたちを連れて行くが、やっかいなよそ者を歓迎する者はいない。そんな中、海岸で捕らえたベッキーを罠にはめ、ガスの居場所をつかんだジャン一味が現れる。娘ジンジャーの出産が迫り、一刻もはやくガスを手に入れたいジャンは住人のひとりを射殺し圧力をかける。
別の部屋から非道なジャンの行いを見た一行は、狭い通気口からガスを逃がす。ガスが向かった先は、バーディがシアナの娘ヌカに託したジェームズ・サッカーの日誌と、ガスにだけ聞こえる鼓動のような音から場所の見当をつけた洞窟だった。一方、サッカーの日誌から「自分の使命はガスを導くことではなく殺すこと」と確信したシンは軍隊を率いるジャン側に寝返る。
火災報知器で混乱を引き起こしたシアナは、ジェップを連れて脱出する。避難先のバーディの小屋には、ガスを目印のパイプラインまで送り届けたヌカもいた。さらに、基地から脱出した仲間たち、ジャンがアラスカまで連れて来たベッキーとベッキーのそばを離れなかったウェンディもやってくる。
伝説のカリブーマン
吹雪の中、ひとり洞窟を目指すガスは、訓練されたオオカミのハイブリッド(ジャンの孫)に襲われる。シアナたちが話していた伝説のカリブーマンに助けられたガスは、カリブーマンが“家”と呼ぶ場所で探し求めていたバーディと巡り合う。
ママを見つけた喜びも束の間、ガスが洞窟を目指していると知ったカリブーマンは反対する。洞窟には近づくなと言いながらも、「ジェップとママと友達のために洞窟を見つけて疫病を止める」と決めているガスに、カリブーマンは死期を悟った母が息子のために物語を彫ったセイウチの牙を見せる。
物語のはじまり
100年ほど前、万能薬を求めアラスカを訪れたジェームズ・サッカーは洞窟で発見した“大地の血”を奪い、おそるべき災いをもたらした。発見したものを持ち帰ろうとした傲慢なサッカーを止めた一等航海士のバークをはじめ乗組員は感染を止めるため死を選び、唯一生き延びたのはバークの妻イキアックだけだった。
ガスの前にいるカリブーマンは、イキアックとバークの息子だった。最初のハイブリッドはガスではなく、カリブーマンだったのだ。
おちゃのま感想
疑惑の人シンの真意は、ガスを生贄として洞窟へ連れてゆくことでした。本心を知って改めて見直すと、「ガスのことは任せろ」とジェップに何度も言うセリフが空恐ろしく聞こえます。
ガスの判断を尊重した結果なので仕方ないことだけど、シンをアラスカに連れてきてしまったジェップ(&ベッキー)の怒りは収まらないでしょうね。穏健派に見えたシンを変えたものは何?って考えずにはいられません。愛する妻が感染したこと?それとも彼の中にあった傲慢さ?身を置く状況や環境で人は変わるということを示しているようで、シンの物語には人間が持つ闇を感じます。
さて、ラスト2話を残して、ガスはバーディのもとへたどりつきましたね。カリブーマンさんの話を聞いても、世界を崩壊させた疾病については理解できませんが、原因はひとりの人間の傲慢さだったんですよね。現実の世界でも起こりうるという事実が、本当に恐ろしく感じます。奥深いテーマです。