Episode3~4
ガスをコロラド行きの列車に乗せることにしたジェップ(ビッグマン)は、“ハイブリッドの仮装をした人間の子のフリ”をするよう言い聞かせる。ジェップはまるで緊張感のないガスに「バレたら捕まるんだぞ」と念押しするが、列車に乗る前に立ち寄る市場には大好物のシロップより美味しいカラメルをかけたリンゴがあると聞いたガスはワクワクせずにはいられない。
アニマル軍との遭遇
初めて見る列車や、市場の喧噪に圧倒されながらも、ガスはお約束のカラメルリンゴに夢中になる。切符を買いに行ったジェップを待つ間、“鹿っぽいマネをするな”という言いつけを守っていたガスだが、リンゴを食べ終わると好奇心に負けてしまう。同じようにハイブリッドの仮装をした子供たちの後をつけたガスは、子供たちが楽しむハイブリッド狩りのゲームにショックを受ける。動揺するガスに声をかけたティーンエイジャーの少女は深呼吸を促し、ガスを助けた。
いよいよコロラド行きの列車に乗る時間になり、最後までガスを気遣うジェップは、車内でお腹をすかさないようポップコーンを持たせる。しかし、嗅覚の鋭いガスが積み荷の中にあるジェップに必要な薬のにおいを嗅ぎ取ったことで、コロラドは遠のいてしまった。ジェップはガスの嗅覚で薬を盗み、ふたりはハイブリッドを狩るラストマンに捕まったのだ。
馬に引かれ、移送されるふたりは動物の仮面をつけた謎の集団に助けられる。“アニマル軍”というその集団を率いているのは、さきほど市場でガスを助けた少女ベアだった。いつもなら“ラストマン”の印を持つジェップをその場で始末するベアだが、話すことができる特別なハイブリッドのガスが信頼するジェップを拠点である遊園地へ連行する。
「ジェップには手を出さない」というベアの言葉に安堵したガスは、自分を好いてくれるアニマル軍のメンバーたちと楽しい時間を過ごす。アニマル軍は、家族をラストマンの殺されたベアが作った親のいない子供たちの集団だった。“ハイブリッドは地球の救世主”という信念のもと、犠牲を払っても彼らを守ると誓ったベアはアニマル軍を作ったのだ。
ガスにジェップの真実を教えたいベアは、ジェップに“ラストマンの仲間”だと告白させる。ラストマンだったが今は違うと説明するジェップは、世界が大崩壊したとき殺すか殺されるかの2択だったと訴える。“人は変わる”というジェップの言い分を受け入れないベアは「何組の家族を壊し、ガスのような子を何人さらった?」と追及するが、ガスのジェップへの信頼は揺るがなかった。
体を張って必死にジェップを守るガスを見たベアは、怒りで報復するのは動物的ではないと悟る。ベアはジェップの処刑中止を命じ、不満を抱くメンバーは反乱を起こす。アニマル軍が仲間割れを始めた隙にガスとジェップは逃げ、ベアはリーダーの座を追われてしまった。
医師の葛藤
元同僚ベル医師の診療所を引き継いだアディ(シン)は、半分人間の子供たちに残酷な実験をしていたベル医師の正気を疑いながらも、それが感染者の妻ラニと人類を救う唯一の方法かもしれないという思いを否定できずにいる。
人道的な解決策を探すシンが苦悩の日々を送る中、“生存者の日”がやってくる。地域の住人たちが集まるそのパーティーに参加しなければ感染者と見なされ、家ごと焼かれてしまうのだ。
万全な体調でないラニと共に参加したパーティーは惨劇に終わった。パーティーの主催者ダグの小指の震えに気づいた自警団長のナンシーは強引に検査キットで確認し、感染がわかるとその場でダグごと家を燃やしたのだ。
感染の広がりを懸念するナンシーは、毎週のウイルス検査や抜き打ち検査を提案する。「必要ない」と即答したアディに不信を抱いたナンシーは、アディとラニの秘密に気づいてしまう。仲間を呼ぶためアディ宅を出たナンシーは庭先にいた馬に蹴られ、死んでしまった。思わぬ事態に愕然としながらも、アディとラニはナンシーの遺体を隠した。
動物園の母子
動物園の前に捨てられていた豚と人間のハイブリッドの女の子を保護したエイミーは、ウェンディと名付け、娘として育てた。守るべき存在ができたエイミーは変わり、銃を手に物資の調達にも出かけるようになった。
安全な暮らしを守るため、エイミーは外の様子を無線で把握している。無線の“ルール”は聞くだけで応答してはいけないと決めたエイミーだが、ウエンディがハイブリッドのボビーをかくまったことで、考えを変えることになる。小さな仲間たちを守ろうとするウエンディに「助けてあげなきゃ」と背中を押されたエイミーは、ハイブリッドたちの避難所(保護区)を思いつく。
おちゃのま感想
ガスとジェップの旅は平坦ではありません。アニマル軍からジェップを守るガスの姿は、純粋で特別な何かを感じさせるものでした。一方、人間側のハイブリッドに対する感情や考えは千差万別という印象です。市場の子供たちがハイブリッド狩りのゲームをしてたことから想像すると、ハイブリッドに対する一般的な認識は“動物”で、忌むべき存在ということのようですね。
ドツボにはまるアディは、望まぬ方へと進んでますよね~。アディに治療薬開発を引き継いだベル医師(名前が判明!)が見込んだ通り、妻のためなら恐ろしいことにも手を染めそうです。アディ夫妻が暮らす地域の自警団のやってることは、この世界の一般的な感染対策なのかな?日常的にはマスクをせず(演出上の都合かもしれませんが)、症状を見たとたん口を覆い、火ですべてを燃やし終わらせるという発想が暗すぎて、気持ちが沈むシーンでした。
さて、こちらは元気。ハイブリッドのママになったエイミーのほうはすっかりたくましくなっておりました。エイミーとウエンディが暮らす動物園は、まるで小さな楽園のようでした。