Episode10 Prestonpans
【ざっくりあらすじ】
チャールズの軍と合流したジェイミーたち。目の前にいるイングランド軍との間には、草原とは名ばかりの沼地が広がっている。強行すれば沼に足を取られた兵が一斉攻撃されかねない危険な地域だ。攻撃か撤退か議論ばかりでらちが明かず、チャールズは敵に寛大な降伏条件を提示しようと言い出す始末。
軍行を阻む沼地の問題
ジェイミーは沼地の土壌を調べる事が重要だと考えていた。騎馬が通れれば歩兵も渡れるはずだというジェイミーの策を聞いたドゥーガルは、一人で馬に跨り沼地へ入って行った。
果敢に進むドゥーガルだったが、途中で馬は沼に足を取られ動けなくなってしまった。 ドゥーガルのおかげで沼地を抜ける事は無理だと解り、チャールズは勇敢なドゥーガルを褒めたたえた。しかし、他に良い作戦もなく、チャールズはこの状況を打開できないなら自分が司令官になるしかないと宣言した。
夜。リチャード・アンダーソンという男性から耳寄りな情報がもたらされた。この辺で生まれたというアンダーソンは、沼地を避け敵に気づかれず接近できる道を知っているという。アンダーソンを信じるかどうか、決断はチャールズに委ねられた。チャールズは迷いの表情を浮かべるが、みなの視線を受け決行を命じた。
奇襲攻撃
襲撃前夜。 それぞれ眠れぬ夜を過ごしていた。
小作人からにわか兵士になったロスとキンケイドは、死んだ場合はお互いの家族の面倒を見る約束をかわし、アンガスもルパートにもしものときは自分の物をやると話している。史実を聞いているマータフは憂いた表情で剣を研ぎ続けていた。一緒に戦いたいとジェイミーに訴えたファーガスは、クレアを守る任を言いつけられた。
夜明け前、チャールズの軍はアンダーソンの案内で深い霧の中イングランド軍に近づいた。敵目前の地点で、ジェイミーはチャールズと司令官たちをその場に留まらせ、静かに敵陣営に乗り込んだ。
敵はチャールズの軍が接近していた事に全く気付かず、奇襲は成功した。寝ているところを襲われたイングランド兵は反撃もままならない状態だった。戦いはチャールズ軍の圧勝だった。
戦いのあと
クレアが作った野戦病院に次々負傷兵が運ばれ、敵のイングランド兵も捕虜として治療を求めていた。
小作人の兵士ロスがキンケイドを担いで戻ってきた。しかし、すでにキンケイドは息絶え死亡していた。次にアンガスも重症のルパートを連れて戻ってきた。ルパートは腹をざっくり切られ、クレアはすぐに縫合した。
ジェイミーやマータフも無事に戻り。ファーガスも戻ってきた。ファーガスはジェイミーの言いつけを守らず、小さいナイフを握りしめ兵士たちに紛れて同行していたのだ。初めて人を殺したファーガスは、ショックを隠せず疲労感をにじませていた。クレアはファーガスをしっかり抱きしめた。
チャールズは病院を訪れ、治療を受ける敵兵もみな同じ父の臣民だと言い差別なく受け入れた。そこに興奮したドゥーガルが戻ってきた。ドゥーガルは勝利後も負傷して動けなくなった敵兵を殺していたのだった。病院に居る敵兵を見たドゥーガルは、敵兵たちに罵声を浴びせ剣を抜いた。 ドゥーガルの行為を見たチャールズは「イングランド人を顧みない者は我が軍には必要ない」と告げ、ジェイミーにドゥーガルの名前を軍から抹消しろと命じた。
ジェイミーは、ドゥーガルを指揮官にしハイランド人の騎馬隊と作ろうと提案した。任務は敵陣営の偵察と物資補給を断つ事だ。軍とは別行動となり、チャールズがドゥーガルを目にすることもなくなる。チャールズはジェイミーの意見を取り入れ、ドゥーガルを軍に残すことにした。 ドゥーガルはジェイミーに礼を言いつつ、体よく自分を危険な任務に追いやったと非難した。
ドゥーガルがアンガスに声をかけると、アンガスは血を吐き震えている。戦場で自身も砲撃を受けたアンガスは、ルパートを連れて帰ることに必死で自分は後回しだったのだ。内出血していたアンガスを救う方法はなく、アンガスはみんなが見守る中あっという間に息を引き取った。
今回はクレアの話した史実通り勝利した。
この先はカローデンでの敗北が待っている。
おちゃのま感想
粗野な人だったけれど、ルパートとともにクレアを守ってくれた人(見張っていたともいう)。せめてもの救いは、みんなに見守れて息を引き取ったことでしょうか。
名物おじさんの死で、ドラマの色合いがぐっと暗くなってしまいました。 戦いに犠牲がないはずはなく、この先も死者が出るんだなと思うとすごく暗い気持ちになってしまいます。
ドゥーガルの言うように彼らの戦術は「奇襲」のみ有効という印象です。武器も装備も、敵と比較にならないくらい貧相。
結末を知っているジェイミーやマータフが、今後どのような心情で戦うのか・・・非常に心配。手を引くことはもうできないんですよね・・・(涙)
フランス編では、娼館で戦争を語るチャールズはすごくうさん臭い人物に見えていたのですが、この人の揺るぎない信念に驚いています。今のところ優勢という事もあり、自ら戦場へ出てゆく気持ちはあるみたい。