Episode13 Return 0
【ざっくりあらすじ】最終話
破壊的なウイルス『アイス・ナイン』の影響でシステムダウンが相次ぎ、サマリタンは必死の攻防を図る。
最後の作戦
サマリタンはルートの人工内耳を手に入れ、その痕跡からフィンチ、リース、ショウ、ファスコを追跡した。
警察署も安全ではなく、署長には“スーツの男”がリースだというタレコミが入っていた。買収された警官たちに捕まったリースとファスコをマシンが派遣したソーンヒルの狙撃チームが救出した。そして、ふたりの前にフィンチが現れた。
フィンチはリースとファスコを連れて地下鉄基地へ戻った。初めて見るマシンの本拠地にファスコは驚いている。地下鉄では、マシンの指示でコアコードのコピーをブリーフケースに収めたショウが待っていた。
フィンチとリースがサマリタンのコピーを破壊し、ショウとファスコが地下鉄のマシンを守ることになった。フィンチはショウからブリーフケースを受け取り、「幸運を」と別れの言葉を告げリースとともに地下鉄基地を出発した。
ショウの涙
敵の襲撃に備えるショウとファスコに、マシンは地下鉄の車両を移動させる指示を出した。動き出した車両に乗っていたブラックウェルはショウを撃ち、怒りのファスコに殴り倒された。ショウは軽傷で、ブラックウェルは拘束された。ショウはブラックウェルの持っていた銃がルートを殺したものだと気が付いた。
機能が低下したマシンは、最後の言葉としてショウへメッセージを伝えた。ショウを“まっすぐな矢印”だと表現し、人と違うからこそ美しいと言うマシン。ルートの声で最後のメッセージを告げられたショウの目には涙が浮かんでいた。
ショウは、ブラックウェル『殺さない』選択をした。ホームに到着し、ショウはマシンに別れを告げた。ブラックウェルは靴に隠していたナイフでファスコを刺し、逃走した。
サマリタンの逃亡先
サマリタンのコピーは連邦準備銀行の厳重な金庫室のサーバーに保管されている。フィンチがテロリストを装いセキュリティを突破し、リースがビル内に催眠ガスを撒き金庫室に侵入した。
金庫室にマシンの目は届かず、突如フィンチが撃たれてしまう。ひとりで応戦しているリースは、フィンチの様子に気づくことができない。フィンチは痛みをこらえ“アイス・ナイン”をアップロードした。
生き残る方法を探すサマリタンは衛星に逃げ、事態が収束するのを待つつもりだった。マシンはサマリタンの狙いの衛星をフィンチに教え、ミッドタウンのトーラス・アンテナを利用すると知らせた。マシンは自分のコピーをその衛星に送るようフィンチに求めた。
シミュレーションで1度も勝利したことないマシンを送ることにフィンチは躊躇するが、サマリタンを完全に破壊するためには他に方法はない。問題は、抜かりのないサマリタンが自分を衛星に送った後、軍艦からミサイルを発射しアクセスポイントのアンテナをビルごと破壊しようとしていることだった。マシンを無事衛星に送れたとしても、ミサイルに狙われたビルから脱出することはできない。フィンチはこれは自分の役割だと決め、リースを金庫室に閉じ込めた。
ブリーフケースを持って死の任務に向かうフィンチをリースは必死に呼び止めた。フィンチはあふれる感情を抑え「君とこれほど良い友人になれるとは思わなかった」と、リースに別れを告げた。
リースの任務
撃たれた傷が痛むフィンチをルートの声のマシンが励ました。フィンチが自分のいるビルのアンテナでは衛星にマシンを送信できないと気づくと、「あんたは、そこで合っているよ」とリースの声がフィンチに届いた。
フィンチが隣のビルの屋上を見ると、そこにリースがいた。マシンはリースと以前かわした約束通りこの任務をリースに託していたのだ。フィンチを見つめるリースは満足そうな表情で「これが俺の仕事だ」と話しかけた。
かつて世界を救いたかったリースにとって、対象者をひとりずつ救う仕事はじれったくもあったが、やがて“1人の命こそ大事”だと気づいたのだった。リースの今救うべき相手は、この仕事を与え生きる目的をくれたフィンチだ。救う相手は「1人で十分だ」と言うリースの瞳は、まっすぐフィンチに注がれていた。
サマリタンの刺客を倒し任務を遂行するリースを、フィンチは離れた場所から見守るしかない。なすすべのないフィンチは、リースの計画を無駄にしないでというマシンに説得され、ビルから脱出した。マシンはフィンチに別れを告げて、リースの援護へ向かった。
サマリタンの刺客は際限なく現れ、ついにリースは撃たれてしまう。倒れたリースのそばにはマシンがついている。そして、ミサイルがビルを直撃した。
その後の世界
衛星に送られたマシンはサマリタンに挑んだ。
国内ネットワークはほぼ回復した。
サマリタンと手を組んでいたギャリソン議員は、今回の攻撃元は中国だったと報告するが、政府は“ノーザンライツ”の仕業を疑いギャリソンを追及した。
ショウは逃亡しようとしていたブラックウェルを射殺した。
フィンチはグレースのもとを訪れ、再会を果たした。
そして、はじまり・・・
全てが終わり、ファスコとショウは再会した。ファスコが預かっていたリースの犬ベアーはショウが引き取った。ファスコは警察に復職し、「次の終末戦争はパスする」と笑顔でいつもの軽口をたたいている。フィンチとリースも生きていると信じるファスコは、またどこかでと言いショウを見送った。
人ごみの中、ベアーと歩くショウを呼び止めるように公衆電話が鳴った。受話器を取ったショウを、防犯カメラのランプが見つめていた。 地下鉄基地のマシンが起動を始め、街にマシンが戻って来た。
おちゃのま感想
今はただただ放心状態・・・
ああ…終わっちゃった(涙)
このドラマが始まった第1話。
初めての任務を終えたリースに、フィンチが「いずれともに死ぬことになる」と言っていたセリフがずーーっと心にひっかかっておりました。
そんなわけでファイナルシーズンはそれなりの覚悟で見てたのだけど、やはり辛い。
リースが死の任務を引き受ける結末はマシンとリースの契約だったという事だったけど、おそらくマシンの計算でもこれが最小限の犠牲で済む終わり方だったのかな・・・と想像してます。
リースのラストシーンは、セリフといい、音楽といい、心に何かが突き刺さるような痛みをともなう感動シーンでした。
結局のところ、このドラマが伝えたかったことはリースの最後のセリフ“1人の命こそが大事”という事だったと感じます。だからこそ…リースにも生きていて欲しかった(涙)
最重要事項の「サマリタンは確実に消えたのか?」・・・という部分は、はっきりきっぱりと描かれてないのですが、マシンが地下鉄の我が家に戻ったこと、フィンチがグレースに会いに行ったこと・・・を考えると、シンプルにマシンが初めてサマリタンに勝ちサマリタンは全て破壊されたと解釈したいです。わたしは勝手に、そう解釈しちゃってます ( ̄∇ ̄;)
戻って来たマシンのその後は、やはりクローズシステムのまま(あんなにフィンチがこだわってたポイントなので)、おそらくソーンヒルの組織と、ショウを使って『人を守り救うこと』だけを目的として存在するのかな・・・。フィンチ側からマシンと関わるとは思えないので、この先は距離を保ち、マシンは独自に成長していくのかな~。
サマリタン破壊後の政府側のバタバタを描く時間がなかったのは、少し残念。NSAにグリアのサマリタンルームまであったのだから、大問題になってるはず。監視システムを推奨していた政府がどう処理したのか気になりました。で、失墜するギャリソンを見てスカっとしたかったです。
(触れたくないことではありますが)リースのお墓のシーンが意味深で、消化不良です。リースは過去に死んだことになっているはずなので、あれは過去のリース(本人)のお墓…なのだと思います。この二つ並んだお墓に意味があるのかな~。“Lawrence R Dixon”さんの方。このドラマは過去のエピソードに、さりげなく種を仕込んでいたりするので、どこかにヒントが隠されてるのかな (・_・?)
ラストのシーンは、シーズン1第1話のラストと同じシーンで終わりました。
マシンが見ている人物が、リースからショウに代わっているのだけど、ほぼ同じ。
第1話を見たときの「これから物語が始まる」という高揚感を持たせるシーンを最後にもういちど見せてます。ドラマは終わるけど、この先もマシンの物語は続く・・・という、未来へ思いを馳せることができる演出でした。
このドラマは、最初の第1話からラストの結末までテーマがブレることなく、秀逸でした。
やはりフィンチという人物の“人工超知能”に対する一貫した考え方が根底にあればこその世界観で、頑固なまでに揺るがなかったことが良かったと感じます。
そのフィンチの考え方同様に、ドラマの趣旨も『犯罪を未然に防ぎ、対象者を救う』という事から離れず、毎回普通の人助けを続けたことに『人間はひとりひとり大事な存在』という大きなメッセージに説得力を感じました。途中、人助けに奔走するフィンチたちがじれったく見えたりもしましたけど。
そして、ドラマ最大の魅力は何といっても、登場人物たちがみんな愛すべき魅力ある人たちだったということです。登場人物全員のそれぞれの背景をちゃんと描いてて、見てて自然に感情移入してました。最初は悪側だったファスコやルート、イライアスが仲間になり、その変化もとても自然な流れで描かれてました。ベアーも愛おしい・・・。シリアスな内容の作品だったけど、彼らの表情やウィットに富んだ会話で和み、本当にバランスの良いドラマでした。
彼らに会えないなんて
…今、すっごく寂しい気持ちです。
思い入れが強くって、とりとめもなく書いてしまったけれど、読んでくださってありがとうございます。
心にポッカリと開いた『パーソン・オブ・インタレスト』の空間に困りながら、希望感じるラストで完結してくれた事に感謝したいと思います・・・。