Episode7〜13
ざっくりあらすじ
マックス
ヘレンとの破局を乗り越えたマックスは、ワイルダーとの絆を深めてゆく。マックスの手話も上達し、ふたりが前へ進み始めた頃、テレビに映るヘレンを見たマックスは動揺する。NYを訪れていたヘレンから「会いたい」というメッセージが届くが、自分の気持ちと向き合ったマックスはワイルダーを選ぶ。その後、ルナを人生の中心に置くと決めたマックスは、ワイルダーに託したニューアムステルダム病院をあとにする。
フロム
自己改善に励んだフロムはマーティンへの愛を再認識するが、フロムの気持ちを尊重して別居を承諾したマーティンは離婚を決意していた。離婚を受け入れる一方で、フロムはマーティンとの関係をはじめからやり直し、ふたりは子どもたちに見守られながら愛を誓い合う。
ローレン
酒と薬に溺れる人生を送った母を亡くしたローレンは、母がしていた支援金を打ち切ることで依存症の妹ヴァネッサを立ち直らせようとするが、母が700万ドルを超える全財産を遺した相手はヴァネッサだった。資産を手に入れたヴァネッサの反発は強まり、ローレンは自分を憎むヴァネッサとの関係を断ち切る決断をする。自分らしい人生を歩み始めたローレンは、依存症の集会でヴァネッサと再会する。
レイノルズ
双極性障害だと分かった父ホレスを引き取ったレイノルズは、付き合い始めたガブリエルとのデートもままならない。そんな中、息子が恋人よりも父である自分を選択していると知ったホレスはレイノルズのもとを去る。その後、レイノルズ家恒例の食事会にホレスも加わるようになり、レイノルズの隣にはガブリエルがいる。
おちゃのま感想
前半の感想をアップしてから、はや2ヶ月・・・。引き続き最終話まで見たものの重い腰があがらず状態で、ぐずぐず先延ばしにしておりました。今更感ハンパないですが、自分自身のけじめとして、サラッとした感想を書きたいと思います。
ファイナルシーズン後半は慌ただしい病院の日常をこれまで通りに描きながら、マックスたちメインキャラの歩む道を示すという流れでした。最終話には懐かしい面々も登場し、フィナーレにふさわしい演出もされていましたが、そこはかとなく「物語を完結させねば!」という焦りのようなものを感じてしまい、感傷的になるよりも少々残念な気持ちになってしまいました。そう感じてしまったのは、はやくにシーズン5がファイナルになると発表されていたこともあり、結末に期待しすぎていたからだと思います。
そんな後半エピソード(7話〜13話)の中で、最も印象に残ったのは第7話「明日への一歩」でした。米最高裁がロー対ウェイドの判決を覆したことで巻き起こった論争や医師たちの葛藤を描いたエピソードです。いつも客観的な立ち位置にいたブラントリーの内なる悲しみ、フロムが中絶反対男に心のなかで言い放った言葉。そんなフロムを諌めるマーティンが語った「普通の生活はもう当たり前じゃない」という事実。さらに患者と信念が衝突したワイルダーの苦悩。様々な視点や立場を盛り込んだ渾身のエピソードでした。
ドラマ全体を通しては、ヘレンとカプール先生が完走できなかったこと、ひとつの街のような大病院という設定が徐々にしぼんでしまったことが心残りです。前者は演じていた俳優さんの降板という事情あってのことなので仕方ないのですが、ふたりの別のストーリーを見たかった思いが残ります。良かった点に目を向けると、『ニューアムステルダム』は音楽を使った演出が素晴らしかったです。慌ただしい病院の様子をパーカッションの音で表現したり、コロナ禍で疲弊する病院をセリフではなく音楽で見せたり。
『ニューアムステルダム』には巨大公立病院の改革という大きなテーマがありましたが、わたしは医師たちの人間ドラマに魅力を感じました。そんなわけで、わたしにとっての『ニューアムステルダム』は、改革に挑む医師たちの物語というより迷える医師たちの物語。もがきながら人生のステップをのぼってゆく医師たちの姿を描いたドラマでした。
さて、マックスを中心とした医師たちの物語は終わったわけですが、はやくもスピンオフの計画が発表されてます。ニューアムステルダムの物語はマックスの娘ルナに受け継がれるとのこと。ルナの物語の中で、愛着ある医師たちのその後を知ることができればいいな。そんな期待を抱きながら、わたしの感想は終わりにします。