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モダン・ラブ1~今日もNYの街角で~ 第4話「夫婦という名のラリーゲーム」【あらすじ感想】

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Modern Love

 

 

NYタイムズの人気コラム『Modern Love』に掲載されたエッセーに基づく様々な“愛”の物語。

 

 

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Episode4  Rallying to Keep the Game Alive

【ざっくりあらすじ】
夫と共有している人生が子供だけだと悟ったサラは、子供が独立したら私たちも終わりなのかと疑問を抱く。ふたりきりの生活で、もし共有できるものがなかったら?夫婦セラピーを受け始めたサラとデニスの物語。

 

 

40-40

サラから見て、デニスは自己中心的な人だ。家庭では良い父親だが、俳優という職業柄、世話を焼かれることに慣れているデニスは精神的に未熟だと感じる。一方、デニスはサラの細かい点が不満だ。撮影で留守が多いデニスは、長い休みは義務だと言わんばかりにこき使われると感じている。

 

 

セラピストに二人で過ごす時間について質問されたサラとデニスは、この夫婦セラピーしか思い浮かばない。「カウンセリング以外で昼間楽しめること」と、改めて質問されたふたりは言葉に詰まる。さらに「共通の趣味は?」と聞かれたふたりは、かろうじて“テニス”という答えを出した。

 

 

「とにかく二人の時間が必要よ」というセラピストのアドバイスに従い、サラとデニスはテニスコートに立った。勝ちにこだわるデニスは『デニス・テニス』ルールを実践し、ラリーを続けたいサラは正しいルールでゲームをしたい。ケンカになりながらも、ふたりは辛抱強くコートへ通い、ボールを打ち合った。

 

 

 

ディサイディングポイント

共通の時間を持つようになっても、サラとデニスの関係は変わらない。試写会パーティーから帰宅したデニスは「楽しかった」の一言で片づけ、道端で仕事仲間に会うとサラを置き去りにした。家族との食事中にファンに声をかけられたデニスは断ることもせず、ファンとの会話を続けてしまう。

 

 

ふたりは「もう限界」という結論を出した。セラピストの建物を出たサラは階段を踏み外し、デニスはサラに手を差し伸べた。腕を組んで歩くことにしたふたりは、「何か食べたい」と言うデニスの希望でレストランへ向かう。

 

 

レストランのテーブルを挟んでデニスと向き合ったサラは、ずっと一緒だろうと思っていたと話し、心にある思いを打ち明けた。デニスのように生きられたらさぞ楽しんだろうと思うサラは、面倒なこと全て押し付けられていると感じていた。気持ちを確かめようともせず、パーティーや試写会に誘ってくれたこともない。あなたが一線を引いたのに共通点がないと言う私に驚いたふりをしないでと訴えるサラに、デニスは真摯に向き合った。サラの思いを受け止めたデニスは「本当にごめん」と謝り「ぼんやりしてると5年後は哀れな末路を辿る。それだけは嫌だ」と本音を明かす。

 

 

思いを吐き出したサラは食事をとることにした。バーガーを注文したサラは、ウエイトレスの「子供好きではないけどあの二人は可愛いわ」という言葉に目を丸くした。きっと誰かと勘違いしてると笑いあうサラとデニスの間にわだかまりは消えていた。

 

 

 

ロングラリー

2年が経ち、今でもサラとデニスはテニスを続けている。相手の良いショットを褒め、悪い球を打てば「ごめん」と謝る。続かなかったラリーは続くようになり、ボールを打ち合うふたりの間には互いへの敬意がある。夫婦に必要なのは勝負ではなく、互いの思いを受け止め、気持ちを伝えることの繰り返しなのだ。例えば、テニスのラリーのように。

 

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おちゃのま感想

4.0

テニスが鍵となるドラマなので、チョイ思い入れが強い記事になりました。いつもなんとくつけている段落のタイトルも、遊び心でテニスにちなんだものにしてみました。『40-40』は互いに一歩も引かないふたりの様子から、『ディサイディングポイント』は次のポイントで勝負が決まるという状況からつけてみました。

 

ラストに至るまで離婚するかのような流れでしたが、ハッピーエンド。「もう無理」と結論を出し、離婚が現実的になったことで、本音をデニスにぶつけたサラと、サラを失う人生に気づいたデニス。サラの本音を聞いたデニスが『ああ言えばこう言う』にならなかったあの場面は、ふたりの人生の分かれ目でした。

 

デニスの職業が俳優ということで、特殊なケースのようにも思えますが、共有してくれない世界を持つ相手に感じる疎外感や孤独さは一般人でも同じですよね。敬意を持って相手と接する・・・そんな人として大切な教訓をも感じるドラマでした。

 

せっかくなのでテニスにからめてみての感想です。メンタルのスポーツとよく耳にするテニスで、気持ちの強さの源にあるのは心の余裕かなと感じるのです。自分の心に余裕を持てば視野も広がり、相手のことを思いやれる…そんな深い意味も感じ、ひとり納得しております( ̄。 ̄)

 

サラのモデルはこのエッセイ作者のアン・リアリー(Ann Leary)さん。デニスのモデルは、アンさんの夫、俳優のデニス・リアリー(Denis Leary)さん。結婚30周年を迎えたふたりは、今もテニスを続けているそうです。

 

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