Episode5 Blood, Sweat & Tears
パンデミックの影響で集団献血ができなくなり、輸血用の血液不足は深刻な問題だった。多重事故が起きた他病院に緊急用の血液を回したヘレンは「あと1つ大事故が起きたらアウトなの」とマックスに知らせる。「血液は僕が確保する」と言うマックスに血液の手配を任せたヘレンは、追突事故で搬送された16歳の少女エリサに必要な血液を探す。
血のつながり
血液の提供を希望したエリサの母アニタを検査したヘレンは困惑する。血液型はふたりが実の親子ではないと示したのだ。「エリサは養子ですか?」と聞かれたアニタは31時間かけて産んだ実の娘だと主張し、ヘレンは病院で取り違えられた可能性を考える。
DNA鑑定を勧められたアニタが「知りたくない」と拒否する一方で、家族の中で自分だけ“違う”と感じていたエリサは鑑定を希望する。実子だと信じるアニタと本当の親を知りたいと言うエリサの会話を聞いていたヘレンは、DNA鑑定ではなく生検を提案する。
検査の結果、ふたりは親子だと証明される。血液型が違った理由は、アニタの遺伝子構造が特殊だったためだ。「双子が子宮内で融合すると起こる」と説明されたアニタは驚きを隠せない。エリサは実子で間違いないが、卵子は成長できなかったアニタの双子の妹のものだったのだ。
一方、予算削減でリストラされたサンドラをアシスタントにスカウトしたマックスは“血液獲得作戦”を開始するが、コロナ禍で疲弊している人々に献血する気力は残っていなかった。血液を確保できない病院の窮状を救ったのは、来院者を呼び込むためマックスが手配したシェフやパフォーマーたちだった。献血の列に並ぶ彼らに感激するマックスは、尽力してくれたサンドラをハグする。
新たな一歩
外傷外科でシンの補佐をすることになったレイノルズを迎えたERのローレンは「ERはオペ室とは違う」と念押しするが、レイノルズは心臓外科時代のやり方を変えない。ひとりの患者に時間をかけ、ランチも定時にとるレイノルズにローレンはイラ立つが、輸血用血液が在庫切れの中、臨機応変に対処し患者を救ったレイノルズを見直した。
フロムの摂食障害は対処すべき点が多く、医師は「感情面のケアを誰かに手伝ってもらっては?」と提案する。必要ないと断ったフロムだが、心の痛みをウソで隠していた患者に「ウソをやめれば楽になる」と声をかけたことで、自分も苦しみをごまかすためウソをついていると悟る。問題を受け入れたフロムは、医師が勧めた“回復コーチ”に連絡を入れる。
アグネスは30年の実績があるカプールの代役は無理だと言い張るが、脳神経内科の“暫定部長”にふさわしい実力を示す。カプールに学んだアグネスは、検査や見た目の症状に惑わされず、患者本人も無関係と思っていた話から病気の原因を突き止める。原因はコロナ禍で激増したアジア系を憎悪する男から受けた暴力だった。診断に感心するマックスに、“よく見て聞け”はカプールの教えだと説明したアグネスは、コロナ被害が最悪の頃に経験した恐怖を打ち明けた。
ふたりの隔たり
シンとキスするヘレンを目撃したマックスは困惑する。「僕には話してくれると思ってた」と言うマックスに、ヘレンは「去年、恋人がいたでしょ」と反論する。恋人の存在を秘密にした理由を問われたマックスが言葉に詰まる中、シンに誘われたヘレンは席をたった。
病院の物品室で寝泊まりするようになったレイラは、親しげに話しかけるローレンに心を開こうとしない。「素性の知れない彼女のために多くの危険を冒している」とケイシーに指摘されたローレンは、「もう少しあなたのことを知りたい」と率直な思いをレイラに伝える。そんなローレンに少し心を開いたレイラは、好きな音楽やピザを教えた。
おちゃのま感想
今回も病院改革というより、パンデミックが招いた事態に対処するマックス・・・でした。公立病院を舞台にした『ニュー・アムステルダム』にとってコロナ禍での問題を無視することはできないですよね。病院の立て直し=改革というストーリーになってゆくのかな?
カプールの代わりを務めるアグネスが、なかなか好演しております。アジア系俳優を多用している『グッド・ドクター』がスルーした急増したアジア系への憎悪犯罪も、パンデミックが引き起こした問題として、アグネスの物語に組み込んでくれました。カプール先生の不在は寂しいけれど、アグネスには頑張ってもらいたいです。
ヘレンとシンのキスシーンを見たマックスがなかなか興味深かったです。やはりマックスはヘレンに惹かれてるってことでしょうかね?その気持ちに向き合えない理由は、ジョージアが生きていたときから感じていた想いだから・・・かな?シーズン1からのふたりの雰囲気からそんなふうに感じてます。