Episode13 In the Graveyard
大学病院が死期の近い患者を病院の玄関前に置き去りにしたことをきっかけに、マックスは終末医療の改革に乗り出す。ニュー・アムステルダム病院がホスピスへ転院させた患者全員を連れ戻したマックスは、ひとりずつ担当の医師を決め、最後までケアするよう指示する。
生前葬の効果
カプールが担当することになったデブラは数日後に訪れる死を受け入れ、独りで過ごすことを望んでいる。マックスの「“いい最期”の手助けを」という助言に従ったカプールは、妻に贈りたかった生前葬を提案するが、デブラは「死んでも嫌」と拒否した。
デブラが孤独に死のうとしている理由は家族や友人たちを思ってのことだと知ったカプールは、生前葬が必要と確信する。カプールが招いた家族や友人たちの前に立ったデブラは困惑しながらも、姉夫婦に託した愛犬ビバリーとの思い出を語り、密かに恋してたジェレミーに「ずっとあなたを愛してた」と告白する。そんなデブラを大慌てで止めたカプールは、唐突に生前葬を終わらせた。
カプールが慌てた理由は、ビバリーとの思い出を語るデブラの「私と一緒に病気になったみたいだった」という言葉から誤診に気づいたからだった。抗生物質で治ると教えられたデブラは、驚きと喜びで涙が止まらない。誤診の原因は、デブラがここ数年患っている強皮症のせいだった。
強引だったことを謝るカプールに、「今日は人生最良の日」と感謝したデブラの病室にビバリーを連れたジェレミーがやってくる。生前葬で気持ちを声に出したデブラは大切なものを手に入れたのだ。
最期の望み
フロムは、12年音信不通の父に会いたいと言うピーターの望みをかなえるが、ピーターが最期に父に告げた言葉は「あんたが嫌いだ」だった。同じ言葉を自分の父に言ったことのあるフロムは「嫌うと同時に愛し続けていた」とピーターの気持ちを代弁し、ピーターの最後の願いはあなたと会うことだったと、ショックを受けた父親に教える。「最後に話さないと」とフロムに励まされた父は息子の手を握り、お前のそばにいるよと話しかけた。
数学教授のジークに死の解明を求められたヘレンは、フロムの「実存的危機に直面した人にはシロシビンが効果的」という助言に従う。幻覚作用をもたらすシロシビンは手続きを踏めば合法だが、マックスに信頼されるヘレンをよく思わない上司のカストロは使用を認めず、ヘレンは内密に看護師のケイシーに協力してもらう。しかし、答えを求めるジークには幻覚作用も効果なく、ヘレンは「命の終わりを数字で理解しようとせず、経験を拠り所にしてみては?」と助言する。
ローレンとレイノルズ
大学病院が玄関前に置き去りにした患者マリアンが心停止したことで、ローレンとレイノルズは口論になる。分娩中の娘に付き添っていたマリアンが孫に会うことを切望していたと知っているローレンは蘇生しようとし、レイノルズはマリアンがサインした蘇生拒否に従い安らかに逝かせるべきだと主張する。
ローレンが強引に蘇生した結果、意識が戻ったマリアンは生まれたばかりの孫の顔を見ることができた。その一方で、ローレンに「あなた以外はみんな規則を曲げてる」と指摘されたレイノルズは、仲間たちとの違いを自覚する。レイノルズは、返事を保留していたサンフランシスコの病院のオファーを受けた。
緩和ケア病棟
物置になっていた通称“墓場”のフロアを整えたマックスは、ホスピスから連れ戻した患者たちに“緩和ケア病棟”を披露する。まさに病院の“終の棲家”に落胆するマックスの患者兼臨時アシスタントのアデルは「私たちは生きるための場所が欲しい」と訴え、マックスは常駐のセラピストやソーシャルワーカー、鍼師、ヨガ講師、マッサージ師、セラピードッグを手配する。
100万ドルの予算が必要になったマックスは、ブラントリーに紹介されたオジー・コブの寄付をアテにしていたが、オジーは寄付の話を持ち掛けるだけで、1セントも寄付しないことで有名だった。
ブラントリーに緩和ケア病棟撤去を指示されたマックスは、オジーに快く寄付してもらう策を考える。院内を案内する流れでオジーを緩和ケア病棟に誘導したマックスは、集めたメディアや患者たちの前で『オジー・コブ緩和ケア病棟』設立を発表する。メディアや喜ぶ患者たちを前にしたオジーは、500万ドルの小切手にサインした。
おちゃのま感想
マックスの終末医療改革のエピソードでした。テーマは重いけど、『ニュー・アムステルダム』らしく、感動的な演出がされておりました。
ローレンが背中を押したみたいになってしまったけど、レイノルズはサンフランシスコへ行くふんぎりがついたみたいです。結婚するイーヴィーと一緒にサンフランシスコへ行くレイノルズを引き留めるのは難しそうですよね~。引き留めるべきとも思えないし…。別居婚だと思い込んでるマックスはどう対処するでしょね?
今回のMVPはカプール先生ですよね!ねちっこいカプールが担当したからこその誤診判明でした。あのままホスピスにいたら、デブラさんはどうなってたんだろう?