Episode4 A Life Plan for Two, Followed by One
コメディアンになる夢を叶えたリルのショーは今日も大盛況。ステージで輝くリルは、客席に懐かしい笑顔を見つける。その笑顔の主は、12歳のリルが描いた未来予想図の中で夫になるはずのヴィンスだった。
友達ゾーン
12歳の頃、オハイオからブルックリンに移ってきたリルは“最高!”と感じたその街で、ヴィンスと出会った。物怖じせず個性的なリルをからかう男子を止めた生徒会長のヴィンスに一瞬で恋したリルの片思いは、そのときから始まった。
バスケを通じ親しくなったふたりはいつも一緒に過ごすようになるが、ヴィンスにとってリルは親友でしかない。ふたりの関係は出会いから6年経っても変わらず、高校卒業を前にヴィンスは初体験を済ませ、リルの片思いは継続中。ヴィンスは「一緒にプロムへ行こう」とリルを誘うが、それは親友としてだ。ヴィンスの瞳はいつも他の女の子を見ているのだ。
プロムに現れなかったリルのために、ヴィンスはサプライズを用意する。NYの街が見渡せるふたりにとって特別な場所で、ふたりきりのプロムを開いてくれたヴィンスにリルは告白しようとするが、二次会の誘いに邪魔されてしまう。結局、友達のまま高校生活は終わり、別々の大学へ進んだふたりは必然的に会う機会も減っていった。
分かれ道
プロムの夜、「待つしかない」と自分に言い聞かせてから2年。ついに、リルに“その日”がやってくる。切実なメッセージで呼び出したヴィンスのもとへ駆けつけたリルは、ヴィンスと結ばれた。
幸せな気持ちで目覚めたリルとは裏腹に、ヴィンスは後悔の朝を迎えていた。「僕は関係を変えたくない」と言うヴィンスは、こんなつもりじゃなかったと本音を漏らす。困惑しているヴィンスは「君は大事な友達だから知らん顔してた」と言い、長い間リルの気持ちに気づいてたと打ち明ける。その言葉は、ヴィンスも同じ気持ちだと思っていたリルを傷つけた。
「話し合おう」と止めるヴィンスを振り切り、自分の部屋へ戻ったリルは大好きなスタンダップコメディに癒やしを求める。「おとぎ話から自由になって好きに生きなきゃ」というコメディアンのネタに触発されたリルは、飛び入りで参加した初めてのステージでヴィンスの仕打ちをジョークにする。こうして、リルの長い片想いは終わり、ヴィンスは親友を失ったのだ。
親友へ
それから2年が経ち、リルは大きなホールを満席にするほどのコメディアンになった。あの日を堺に、リルと疎遠になったヴィンスがショーに足を運んだ理由は、留学が決まったからだった。
2年の月日はわだかまりを溶かし、リルはヴィンスとの再会を喜んだ。夢を叶えたリルを祝福するヴィンスは「初めて独りになってみて、少し成長できた」と話し、それはリルも同じだった。
ヴィンスと親友に戻ったリルは、12歳の頃、思い描いた夢が“ある意味”叶ったのだと悟る。ヴィンスはリルの王子様ではなかったけれど、一生ともにいる大切な存在なのだ。
おちゃのま感想
ヴィンスよ、寝ちゃダメでしょ(ー_ー;)
リルの気持ちを知ってたなら、なおさらだわ〜。
リルの明るくさっぱりした性格のおかげで、悲壮感なく描かれてますが、そうでなければ、ヴィンスがとんでもなくずるい男に見えたはずです。ヴィンスにとってリルがとても大切な存在というのは理解できるけど、リルの想いに気づきながらベタベタするのはよくなかったなぁ。良い面に目を向ければ、ヴィンスへの想いを断ち切れたことで、リルがコメディアンとして成功したことですよね。そこがなければ・・・(涙)
ソウルメイトのようなリルとヴィンスの関係を思うと、この先、誰かと出会ったとしても、そのお相手はふたりの関係を受け入れられるだろうかと余計な心配がよぎりましたが、エッセーを書いたマリナ・シフリンさん(リルのモデル)は、ケヴィン(ヴィンスのモデル)の友人と結婚されたとのこと。ケヴィンも結婚し、家族ぐるみで仲良くしているそうです。