Episode5 Am I…? Maybe This Quiz Will Tell Me
ケイティがアレクサを見つけたのは、生徒たちで賑わう放課後だった。名前も知らなかったアレクサの笑顔が忘れられないケイティは、自分が同性愛者かどうかの答えを心理テストに求めてみるが、好みの靴下で診断された答えは“あなたの同性愛度は20%”。
青と赤
ケイティは青チーム、アレクサは赤チーム。チームの違うふたりは接点もない。友人のムーシュ曰く“運命の相手”のタイラーにもときめかないケイティの視線は、いつもアレクサを追いかけていた。
ケイティが遠い存在のアレクサと友だちになったきっかけは、アニメ。誰も知らない日本のアニメの説明をするケイティに、アレクサが声をかけたのだ。
ムーシュたちのお喋りも上の空、お迎えを知らせるママの電話も無視するほど、ケイティはアレクサに夢中になるが、その感情の意味はわからない。また同じ心理テストをしてみるが、今度の答えは“同性愛度0%”。
本当の自分
ナーバスな気持ちで参加した学校のお泊り会。チーム対抗戦のゲームで、ケイティは同じ青チームのムーシュを無視し、赤チームのアレクサを追いかけた。立入禁止の2階に足を踏み入れたふたりは先生に見つかりそうになり、慌てて身を隠す。「いつまで隠れるの?」という問いかけに“永遠”と答えたアレクサにケイティはキスをした。
ケイティが違うチームのアレクサと消えたことは、ムーシュを怒らせた。ムーシュは「ふたりで何をしていたの?」とアレクサに詰め寄り、ケイティは「知り合いじゃない」と咄嗟に嘘をつく。ショックを受けたようなアレクサを気にしつつも、ケイティはその場を取り繕うことで必死だった。
さらに悪いことに、立入禁止の2階に入ったことが先生にバレていた。先生に呼ばれたふたりは、2階で何をしていたのか詰問される。説明しなければ親に連絡すると言われ、先に口を開いたのはアレクサだった。気分が悪かったと説明したアレクサは「彼女は手を貸してくれただけです」とケイティをかばった。
その夜、寝袋に入っても落ち着かないケイティはママに迎えに来てもらった。楽しみにしてたお泊り会を早退した娘を心配するママは「いつでも何でも話して」と気遣う。思わず泣き出したケイティはママを抱きしめるが、相談できる相手は心理テストだった。
アレクサから送られたメッセージを何度も見返し、眠れぬ夜を過ごしたケイティは、2ブロック先のアレクサの自宅へ向かう。ケイティは家の前でアレクサを待つつもりだったが、アレクサのママはケイティを自宅に招き入れた。
お泊り会から帰宅したアレクサは、自分の部屋にいるケイティに戸惑いを隠せない。ケイティは「ひどいこと言ってホントごめん」と謝り、自分でも分からない気持ちを言葉にする。あの時、キスをしたのは“したくなったから”。それはアレクサも同じだった。シンプルなその答えに安堵したふたりは笑顔になる。何度も心理テストに求めた答えは、ケイティ自身が知っているはずなのだ。
おちゃのま感想
ほかの『モダン・ラブ』のエピソードとは、ちょっと違うような・・・。脚本も演出も、どうしちゃったんだろう?と感じたエピソードでした。良かった点は、恋するケイティの抑えた演技とアレクサの爽やかな笑顔くらい。
自分のアイデンティティに思い悩む思春期のケイティの掘り下げが物足りなく、“心理テスト”というネタにこだわりすぎてしまった感がぬぐえません。あれだけ自分の同性愛度を気にしてたケイティなので、相手のアレクサが同性愛者かどうか思い悩むと思うんですよね〜。
さらに気持ちが萎えたのは、まるでスマホで撮影したような揺れる映像。子どもたちのわやわやした雰囲気を出したかったのかもしれませんが、酔いそうになってしまった。
もとになったエッセーの著者は、元BuzzFeedの編集者でライターのケイティ・ヒーニー(Katie Heaney)さんです。おそらく、ヒーニーさんがエッセーで伝えたかったことは、何度も心理テストに求める答えはすでに知ってるはずだよ、ということかなと思います。そこが伝わってこなかったのが残念なエピソードでした。