Episode3 Oliver
【ざっくりあらすじ】
肝臓移植を待つチャックのドナーが見つかった。チャックはクレアが研修医初日に担当した思いれのある患者だ。メレンデスは手術の助手にジャレッド(カルー)を選び、クレアとショーンには搬送の仕事を任せた。
ショーンとクレア
ドナーのいるサンフランシスコの病院へクレアとショーンはヘリで向かった。初めてヘリに乗ったショーンは興味深げな様子で、話しかけるクレアを無視し続けた。病院にいるときと様子の違うショーンとの接し方に悩むクレアはグラスマンに電話で相談した。グラスマンのアドバイスは「ショーンと心を通わせたいなら自分なりの方法を見つける」だった。
サンフランシスコの病院では、急変した別の患者のために臓器の摘出が済まされていた。摘出後8時間しか時間の猶予はなく、すでに3時間が経過している。さらに、帰りは天候が悪化しヘリを利用できなくなった。
救急車も出払っていると言われたクレアはパトカーを手配した。パトカーの警告灯が弟スティーヴを亡くした日の記憶につながるショーンは、動けなくなった。ショーンがなぜ動かないのかわからないクレアだが、ショーンの視線がライトを見ていると気が付いた。警告灯を止めると、ショーンは安心したようにパトカーへ乗りこんだ。
パトカーの中でもクレアとショーンはかみ合わず、ショーンはドナーのスキャン画像に見入っている。保冷容器が警告音を発したため氷を求め入った店で、やっとクレアはショーンが会話をしない理由は質問されるのが嫌いだからと気が付いた。
ショーンのアイディアでスムージーを利用し、容器の問題は解決した。ずっと画像を気にしていたショーンは、スキャンで検出されなかった血栓があると気が付いた。クレアもショーンに同意し、警官の協力で道路を閉鎖しショーンとクレアはその場で血栓を取り除く手術を行った。
祝いの1杯
病院ではチャックの術前検査で問題が見つかった。規則通り半年間飲酒はしてないと話したチャックだが、飲酒を示す数値が出たのだ。欲求に負けたのかと責められたチャックは、3日前にシャンパンを1杯だけ飲んだことを告白した。それは身内で初めて大学に行った娘の卒業祝いのシャンパンだった。娘を祝いたかったチャックは、娘に勧められたシャンパンを口にしてしまったのだ。
事情を知ったメレンデスは数値を計算し、チャックの話が本当だと確認した。メレンデスはチャックが移植を受けられるよう訴え、グラスマンも「患者を思えば規則は二の次だ」と後押しした。しかし、理事長のアオキとアンドリュースが例外を認めることはなかった。
移植が中止になったチャックは待機リストに改めて登録された。チャックに残された時間は、あと約3か月。臓器は別の待機患者のもとへ引き渡され、ショーンは「チャックではないけど、命を救った」とチャックを救えず落胆したクレアに声をかけた。
VIPの患者
高額の寄付が見込めるVIP患者のワナメイカーを担当するアンドリュースに、理事長のアオキは“安全策”として手術の第一助手にメレンデスをつけることを求めた。「ご心配なく」とアンドリュースは拒否したが、アオキはメレンデス本人にもオペに入るよう依頼していた。
理事長の意向か、自分のプライドかと迷うアンドリュースはグラスマンに助言を求めた。グラスマンは「院長の座を狙うなら、自尊心にフタをしてそれらしくふるまえ」と助言したが、アンドリュースはメレンデスをオペに入れなかった。手術中に原因不明の血種が見つかり、予想外にワナメイカーは危険な状態に陥った。結局、アンドリュースはメレンデスを呼び、ふたりで手術を成功させた。
その後、病院内にもかかわらずタバコを手にしたワナメイカーに、アンドリュースもメレンデスも何も言えることはなかった。
ショーン
弟スティーヴの事故の後、ショーンは家へ帰ることを拒み、困った警官はソーシャルワーカーのいる病院へショーンを連れて行った。グラスマンはショーンが自閉症であることを警官たちに教え、ショーンを引き受けた。グラスマンのオフィスで医学書を見たショーンは、医学書を夢中で読むことで弟の死を乗り越え、そんなショーンをグラスマンはただ見守った。
サンノゼでの新しい生活にショーンは少しずつ馴染み、自分の居場所をつくっている。隣人のリアは気さくな人で、窓の外に住む猫とも顔なじみになった。
おちゃのま感想 ★★★
1杯のシャンパンでチャンスを失ったチャック。“ひとつの命”をめぐる重いテーマでした。
思い入れのある患者を救えず落胆するクレアと、シンプルに命を救ったと言うショーン。ショーンなりにクレアを励ましていると思えるシーンは、ショーンとの接し方に悩んでいたクレアとショーンの心が通じた瞬間のようでした。
グラスマンは、ショーンが外科医としてやっていけると信じてるからこそ採用したのだと思うんだけど、今回クレアを無視するショーンを見ていると、自分のチームに置きたくないというメレンデスの言い分もなるほどと思えます。メレンデスが問題にしているのは、医師としての能力ではなくコミュニケーション能力ですよね~。その辺をどうメレンデスに認めさせるのか、期待したい部分です。