Episode10 The Wilderness
ウォーターフォード夫妻の司法取引は、ジューンだけでなくギレアドを知る全員にとって受け入れられないものだった。自由と引き換えにギレアドを売ったフレッドは、週末にはジュネーブの国際裁判所で免責を得ることになるのだ。
決意
フレッドの司法取引で窮地を脱したセリーナは残虐な犯罪者という事実を忘れ、傲慢さを取り戻す。セリーナにフレッドと息子3人で暮らす“安全で広い家”を要求されたトゥエロは「僕への釈明は?」と問いかけるが、司令官の“妻”に戻ったセリーナは「必要ない」とそっけない。
一方、家族のことを考えるべきだと分かっていても、フレッドへの憎しみを捨てきれないジューンは、あえてフレッドと面会する。「うれしい驚きだ」とジューンを迎えたフレッドは、ギレアドの司令官の顔を見せる。
ジューンの陳述を“作り話”と決めつけたフレッドが唯一謝罪したことは、ジューンの娘を思う気持ちを理解できなかったことについてだった。“オブフレッド”との間には「愛ではないが“強い何か”があった」と語るフレッドは、オブフレッドを恋しいと思う自分がいると打ち明ける。「私も彼女のあの強さが恋しい」と応じたジューンは、フレッドを縛り首にすると心に誓う。
より価値ある取引
「一緒に来て」と半ば強引に説得したトゥエロを連れたジューンは、廃墟のダイナーでローレンスと落ち合う。トゥエロたちアメリカ政府にとって、自分が失ったものよりフレッドの情報が重要だと悟ったジューンは、大使館に頼んでギレアドのローレンスに連絡したのだ。
“祖国を離れ道に迷っている”フレッドと、レジスタンスと共に活動していた22名の女性の交換を提案されたトゥエロは驚きを隠せない。死んだと思われていた女性たちの奪還はアメリカ政府にとって朗報だった。
モイラたちはフレッドがギレアドに戻ることで満足するが、ジューンはそうではなかった。フレッドを恐怖で震え上がらせたいと願うジューンの本音を聞いたエミリーは「それじゃ足りない」と指摘し、ジューンは死ぬほど震え上がらせると決意する。
闇夜の森
ローレンスの提案を受け入れたアメリカ政府は、ジュネーブへ向かうつもりのフレッドを拘束する。激しく抵抗するフレッドは「私には人権がある」と訴えるが、「ギレアドは君が草案に携わった法に基づいて裁くと保証した」と説明したトゥエロは、国境の先にいるローレンスに引き渡す。
帰国したフレッドをギレアド式に祝福したローレンスは、“目”を引き連れたニックに後を任せる。“息子”と呼びかけるフレッドを無視するニックは、カナダでもギレアドでもない深い森にフレッドを連れて行く。
暗闇の中から現れたジューンを見たフレッドは命乞いするが、ニックは「自業自得」と冷たく突き放す。ニックからジューンに渡されたフレッドは狩りの獲物だった。ジューンの笛の合図で現れた怒れる元侍女たちに追われるフレッドは懸命に森を走る。力尽きたフレッドに襲いかかった元侍女たちは、ギレアド式にフレッドを“救済”した。
早朝の自宅へ戻ったジューンはニコールを抱く。「5分だけ一緒にいたら出ていくから」と言う血まみれのジューンを見たルークは愕然とする。
その後、セリーナのもとには切り落とされた指と指輪が届き、吊るされたフレッドの遺体には『奴らに虐げられるな』というメッセージが添えられていた。それは、ウォーターフォードの家で“オブフレッド”が自らを鼓舞した言葉だった。
おちゃのま感想
ここでフレッドが退場となりました。ジューンが自らの手を汚してまでフレッドに復讐した一因は、トゥエロにあるような気がします。ウォーターフォード夫妻との司法取引は、ある意味、ジューンたちギレアド脱出組への裏切りでした。
フレッドは自業自得の結末でしたが、残るセリーナはどうなるでしょうね?フレッド同様にセリーナの免責も却下されるのかな?ジューン対セリーナの決着を見たいですが、どうやら何らかの感情をセリーナに抱いてるらしいトゥエロが守ろうとするのかも。
フレッドはギレアドに引き渡されたので、ジューンが罪に問われるとは思えないのだけど、ラストシーンから想像すると、ルークの家を出て行くということですよね〜。何もなかったようには暮らせないかな・・・やっぱり。
ところで、今回のローレンスはジューンに協力してくれましたね〜。裏切り者のフレッド確保はギレアドにとって重要だったので、利害が一致しただけかも知れませんが、ローレンスなりにジューンに同志のような繋がりを感じてるみたいです。ガッカリ大賞なんて言ってしまって、ちょっと反省しております。
実は、15年後のギレアドを描いた【誓願】を先に読んでしまったので、この先の予想は難しいのですが、まだまだジューンの闘いは続きそうですね。次シーズンでは、是非ともジャニーンを脱出させてほしいです。