Episode12 Postpartum
【ざっくりあらすじ】
唯一の望みだった赤ちゃんを手に入れたセリーナは“ニコール”と名付け、小さなニコールに夢中になった。セリーナはオブフレッドを受け入れず、オブフレッドは侍女のセンターに戻された。事後処理をしたフレッドは、変わらずニックをそばに置いている。
母と子の絆
セリーナは片時も離れずニコールの世話を焼くが、オブフレッドの母乳の出が悪くミルクが足りない。オブフレッドとの約束を守りニコールを気遣うリタは、赤ちゃんのそばにいないと母乳が出ないと意見してみるが、セリーナは頑なにオブフレッドを拒んだ。
考えたウォーターフォード夫妻は、オブフレッドにニコールを“見せる”ことにした。夫妻の思惑通り、フレッドが連れた赤ちゃんを見ただけでオブフレッドの胸には母乳のしみができた。出産前、赤ちゃんを守るとオブフレッドと約束したリディアは、侍女と赤ちゃんを引き離したままでは同じことの繰り返しになると、フレッドを説得した。
フレッドがオブフレッドを連れて帰ったことにセリーナは激怒した。「そばにいさせるほうが都合いい」と説明したフレッドに、セリーナは誰にとっての“都合”なのかと辛辣に皮肉った。セリーナが見抜いた通り、フレッドはオブフレッドと以前のような関係を望んでいる。
純粋な愛
オブフレッドはニックに赤ちゃんの名は『ホリー』にしたと教えた。わが子を抱くこともできないニックは「逃げようか」と、不可能な提案をしてみる。オブフレッドとニックはハワイのビーチで遊ぶホリーを夢想し、つかの間現実から逃避した。
夜のキッチンでオブフレッドとふたりきりになったイーデンは「愛と赤ちゃんが手に入るとしたらどうする?」と、質問した。イーデンの知る神は『親は愛し合って子どもを育てる』と教えているが、ギレアドの現実は違う。アイザックを愛してしまったイーデンは、ギレアドの信仰の矛盾に葛藤していた。「ためらわずに愛をつかむべき」とオブフレッドがイーデンの質問に答えた翌朝、イーデンとアイザックは姿を消した。セリーナは敬虔なイーデンを信じているが、駆け落ちは事実だ。
イーデンとアイザックが見つかった。連れ戻されたふたりには“一般赦免”という名の処刑が待っている。ニックは「罪を認めて謝るんだ」とイーデンを説得するが、神を信じるイーデンは応じない。冷たくしたことを謝ったニックに、イーデンはお別れのキスをした。処刑台に立ったイーデンとアイザックは恐れることなく愛する人と旅立った。
イーデンの死はウォーターフォード家に暗い影を落とした。ベビーベッドのそばで泣いているセリーナを見かけたオブフレッドは「大丈夫ですか」と声をかけた。セリーナはくずりだしたニコールをオブフレッドに任せ、授乳するオブフレッドを静かに見守った。
エミリーの新しい司令官
エミリーの新しい任務先がローレンス司令官の家に決まった。リディアによると、ローレンスはギレアド経済の中心的存在の大物司令官だ。ローレンスの屋敷にエミリーを送り届けるリディアは「もう後がない」と、4組の夫婦から断られたエミリーに忠告を与えた。
侍女を迎えたローレンスは品定めするようにエミリーを観察し、お決まりの挨拶もせずにリディアを追い返した。『具合が悪い』という夫人は顔を見せず、片目をつぶされた女中は司令官に平気で反論している。風変わりなローレンスを表すかのように、部屋の装飾は古めかしく、乱雑に絵画や美術品が飾られている。
深夜、突然エミリーの部屋に妻が入ってきた。名前を聞かれたエミリーは「オブジョセフ」と正しく答えるが、妻が知りたいのは本当の名前だ。混乱している様子の妻は、ローレンスが恐ろしいコロニーを考えたと教えた。
興奮して夫を罵る妻を自室へ戻したローレンスは、エミリーと対峙した。「うちはプライバシーを重んじる」と念押し、美術を教えていた妻は醜いものが許せないと話し始めた。ローレンスはエミリーの前の世界からのすべてを調べあげていた。
おちゃのま感想 ★★★★
イーデンは悲しい最期でした。
イーデンの死はギレアド信仰の歪みを大人たちに教えてましたよね。イーデンとニックの結婚を画策したフレッドとセリーナに罪の意識はあるのでしょうか。セリーナはイーデンの死にショックを受けてましたが、敬虔なギレアド信徒なので、どう受け止めてるのかわかりません。
ニックも被害者だけど、自分のことを責めるでしょうね~。そうでなくてもフレッドに対し堪忍袋の緒が切れそうなニックなので、今回のことで爆発しないか心配です。オブフレッドに話した「逃げようか」というのは、本音のような気がします。
新たに登場したローレンス司令官も怪しいにおいがぷんぷんしてました。なにか思惑があってエミリーを選んだのでしょうか。
次回は最終話。明るい兆しがありますように(祈)