Episode1 The New Normal
新型コロナウイルスの猛威に見舞われたニューアムステルダム病院にも、ようやく日常が戻る。マックスが地獄のような日々を乗り越えたスタッフを称える中、轟音と共に病院をかすめた飛行機がイーストリバーに墜落した。
機長の病気
怪我人の搬送が続く病院に現れた国家運輸安全委員会(NTSB)のペーニャは「治療の邪魔にならない範囲で、すぐに調査を始めたい」と説明し、さっそく機長との面会を求めるが、マックスは患者である機長の診察を優先する。
機長のスタークスは茫然自失状態で、精神科のフロムの診察を受けていた。ようやく口を開いた機長は、誰も知らないが双極性障害だと打ち明ける。処方された薬の量も細かく答えられる機長の様子から、治療が効いていると診断したフロムは「職務能力は十分だ」と断言する。しかし、4年前に幻覚にのまれて自殺しようとしたことのある機長の不安は消えない。
墜落の真相
ペーニャに連邦命令を示されたマックスは、診察中の機長を隠すようフロムに指示する。事情を察した機長は引き渡してくれと訴えるが、機長は飛行機を救おうとしたのではないかと考えるフロムは諦めない。
そんな中、ブラックボックスが回収され、ペーニャは機長の引き渡しに応じないマックスとフロムに音声を聞かせる。ブラックボックスには、「660」と意味不明な数字を繰り返す機長と、困惑する副操縦士の声が録音されていた。大惨事を防いだのは副操縦士で、機長は正気を失っていたと結論を出したペーニャに反論できないマックスたちは、機長を引き渡した。
手術を終えた副操縦士は麻酔によるせん妄があると知らされたマックスは、副操縦士のもとへ向かう。副操縦士が繰り返す「ハワイ660」に意味があると直感したマックスは、ペーニャに連行される機長にその意味を質問する。
「ハワイ660」は、計器の欠陥で太平洋に墜落した飛行機のフライト番号だった。機長がとった行動は、「ハワイ660」と同じことが起きた場合の対処法だったのだ。フロムが「機長が乗客の命を救った」と考えを示す一方で、マックスは「意識が戻った副操縦士が証言したがってる」とペーニャに知らせた。
カプール
感染したカプールの容態が改善し、ついに人工呼吸器が外せることになる。代替薬を使っているためすぐには外せないと聞いたマックスは近隣の病院に連絡を取ってみるが、どの病院も深刻な薬剤不足に苦慮している状況だった。
各病院の事情を知ったマックスはそれぞれの病院をつなぎ、薬剤や物資不足を互いの協力で補い合った。必要な物を確保できた友人たちはマックスに感謝するが、マックスが必要としているプロポフォールは見つからない。人工呼吸中の患者に使うプロポフォールは工場での生産が追いつかないのだ。
「うちのプロポフォールだけない」と落胆するマックスのつぶやきを聞いた友人のひとりが在庫を届け、ついにカプールが目覚めた。カプールは廊下から見守る仲間たちに手を振ってみせるが、心臓へのダメージが大きく危険な状態だった。最高の心臓外科医でも救えるか分からないと教えられたマックスは、病院を去ったレイノルズに電話する。
それぞれの痛み
苦しかったパンデミック下で「この瞬間のために今までやってきた」と実感したローレンは、待合室のようなERに戻ったことに落胆していた。ローレンの「パンデミックが恋しい」という気持ちが理解できるケイシーは、今でも大勢を救ってると励ました。
屋上で息抜きするマックスとヘレンは、それぞれ辛い思いを打ち明ける。マックスはジョージアの両親に預けた娘に会えない寂しさや、パンデミックで機能しなかったシステムについて。ヘレンは「前はウイルスが怖かったけど、今は”日常”が怖い」と、抱える問題を吐露する。当たり前だった親密さも奇妙に思えるようになったヘレンは、デートしたシンともそれきりになっていた。そんなふたりに、医療従事者へ感謝を伝えるNY市民の拍手が届く。
おちゃのま感想
メインの物語はパンデミックを乗り越えたところから始まりましたが、冒頭で描かれたパンデミック下で懸命に闘い疲弊する医師たちの姿が印象的でした。今年は各医療ドラマ、それぞれの視点でパンデミック下での闘いを描いてますが、セリフではなく音楽と演出でその様子を見せた『ニューアムステルダム』が最も心に響きました。
第1話のメインの患者は墜落事故を起こした双極性障害を患う機長で、フロム先生が機長の心に迫るという内容でした。双極性障害のことを隠していた機長を責めるのではなく、心の病に対する偏見に目を向けさせるというこのドラマらしいテーマを取り上げていました。
ところで、レイノルズは降板じゃなかったんですね〜。違うストーリーラインがあったのかも知れませんが、カプールを救うために戻ってきて・・・ということになりそうですね。そうなると、結婚は…(ー_ー;)