原題:The Good Place
作品データ
- ジャンル:コメディ
- シーズン:4(終了)
- エピソード:50(Netflix参照)
- 主な舞台:あの世
- アメリカでの放送:2016-20
- キャスト:クリステン・ベル(エレノア)、テッド・ダンソン(マイケル)
- メモ:最終話まで視聴済
ストーリー
死後の世界には“いい所”と“悪い所”がある。生前の善行が全てポイントとして加算され、それにより死後住む世界が決まるのだ。
何かの手違いで“いい所”の住人になったエレノアは、本物の“エレノア”好みの小さな家へ案内され、ソウルメイトのチディを紹介される。“いい所”に住み続けたいエレノアは、ウソのつけないチディに「誰にも言わない」と約束させ、自分はここにいるべき人間じゃないと打ち明けた。約束を破ることができないチディはエレノアに道徳を教え、エレノアは善人になるべく努力を始める。しかし、真実を隠しながらエレノアが住み始めた“いい所”は、次々災難に見舞われる。エレノアたちが暮らす“いい所”は、人間を研究したマイケルが初めて設計した場所だった。
おちゃのま感想
気楽に見るのもよし、笑いの中にちりばめられた奥深いテーマを考えるのもよし。明るく楽しめる正統派コメディでした。
物語は、間違っていいところへ来たエレノアの、“いいところ”に住むための画策から始まります。生前のエレノアはよい人間とはほど遠い行いばかりしていたのだけど、間違っていいところに来たと自覚したところに、エレノアの善を感じます。ひらめきと行動の人であるエレノアが、実はデーモンだったマイケルの心を動かし、人ではないジャネットを巻き込み、仲間たちと試練に挑み、死後の世界を大改革するというのが大筋です。
凄まじい努力の末、いいところへ住むことが認められたエレノアたちですが、結局のところ、すべての願いがかなう永遠は人間にとって苦痛でしかないと知ります。長年いいところで暮らす住人の苦しみを知ったエレノアのアイデアで、“そのとき”が来たと感じた人は自分の意思で旅立つことができる、というラストでした。エレノア、チディ、タハニ、ジェイソンのメインキャラの4人のうち、誰よりも先ににその境地に達した人は一貫したおバカキャラだったジェイソンでした。おバカ発言ばかり目立っていたけど、ジェイソンはいつもピュアな心でシンプルに物事をとらえてたんですよね。
相性がいいのか悪いのか分からなかったエレノアたち人間4人組が友情で結ばれてゆくにつれ物語に引き込まれ、いつしかマイケルやジャネットを含め、みんなに愛着を感じるようになりました。水と油のような全く違うタイプのエレノアとタハニが互いの違いを認め、尊重しあうところは大好きなお気にいりポイントです。最初は高慢な人に思えたタハニですが、回を追うごとにその人となりが描かれ、止まらないセレブ自慢も愛おしく思えるようになりました。そして、マイケルが拷問として考えた“ソウルメイト”のエレノアとチディの揺るがない愛にも感動させられます。
死後の世界をユーモラスに描く一方で、人間は常に成長でき、誰しもいい人間になれるというテーマを含んだ作品です。失敗を恐れず今を精一杯生きるんだよというメッセージを感じました。