Episode11 You’ve Come a Long Way, Baby
【ざっくりあらすじ】
タバコ業界大手のウォッシュバーン社の依頼で、合併先のストウ社を審査していた弁護士ギルバート・ファムが自宅で殺された。犯人は強盗殺人に見せかけていたが、手首の痣はPCの前の椅子に繋がれていたことを示していた。
密売タバコのにおい
殺害される直前、ファムは自宅のPCからウォッシュバーン社とストウ社の合併にGOサインを出していた。合併にからむ殺人が疑われたが、この合併で利益を得るストウ社の4人全員オハイオにいたというアリバイがあった。
ファムの合併審査の資料に『帳簿より多くの品が動いている』というメモが見つかった。オハイオからの密売タバコの納税印紙とロット番号はストウ社のものだ。密売タバコのにおいが微妙に違うことに気づいたジョーンは、非正規隊のノーズ(超嗅覚の持ち主)に協力を求めた。ノーズの嗅覚で、タバコは“北西部からホップを運ぶトラック”で運搬されたとわかり、密売組織のアジトが見つかった。
潜入捜査の利益
大量の密売品を運び込んでいる現場に踏み込もうとしたベルにグレグソンから中止の指示が入る。この密売組織にはATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)のバクシ捜査官が潜入中だった。バクシは同僚のエヴァニアと組み、ストウ社の営業部長“ダーシャ”として密売業者に品を流していたのだ。
「我々が隠すべきことはない」と潜入捜査について説明したバクシとエヴァニアだが、ストウ社のローウェルが提出した配送センターの防犯ビデオに映るふたりは高級車に乗り、身に着けている物は年収では買えない高級品だった。確認すると、作戦完了までふたりは密売で入手した数千万ドルを記録に残さず自由にできることがわかった。明らかに横領しているふたりに疑いがかかるが、そのふたりも射殺体で見つかった。
タバコ業界と捜査の闇
バクシとエヴァニアは互いを撃ち合っていた。通報したトラック運転手は、「俺じゃない」と叫ぶ男の声を聴いており、現場に落ちていたエヴァニアの物らしき携帯の画面には『2600万ドル引き出された』という通知が表示されていた。ふたりが裏金の件でもめたことは明らかだが、その金をケイマン諸島の口座へ移した人物が利用したWi-Fiから第三者の存在が明らかになった。
バクシとエヴァニアの裏金の動きを調べた結果、ATFの支局へたびたび送金していたことが判明した。通話記録から、送金の指示をしたと思われるホッブス捜査官に疑いがかかる。死んだふたりと同じように「隠すことはなにもない」と自信満々なホッブスは、正義のため裏金を流用していると悪びれもせず説明し、ファンが殺された日はベガスにいたとアリバイを示した。
ホッブスが教えた裏金の存在を知る口座管理者の通称が“ブルドッグ”と聞き、ジョーンはローウェンの事務長マギーのPCの壁紙が愛犬のブルドッグだったことを思い出した。ローウェンとともにオハイオへ帰ったマギーは、使い捨て携帯に電話したのち私用機のターミナルへ向かったのを最後に姿を消していた。その時間、離着陸した私用機はウォッシュバーン社のヴェンチュラが所有するものだった。マギーはヴェンチュラのスパイだったのだ。
ヴェンチュラの私用機のパイロットの証言で、ファン殺害時、マギーがNYへ移動していたことが判明し、ファンの自宅からヴェンチュラの私用機のカーペットの繊維が見つかった。「協力は惜しまない」と愛想よく署へやってきたヴェンチュラは、マギーの名を聞き顔色を変えた。
モリアーティとの交渉
モリアーティがモーランドを殺そうとしている事実をにわかに信じることができないシャーロックだったが、暗殺者ボロザンが残した所持品から見つけたカフェにはモリアーティが描いた絵画が飾られていた。
モリアーティが父を殺そうとしていると確信したシャーロックは監視カメラの向こうにいるモリアーティに「話がある」と告げた。文通を続けていたモリアーティから手紙がこなくなって1年。身構えて待つシャーロックに、モリアーティは代理人エロリーを送った。モーランドが殺されれば自分が組織を継ぐというシャーロックの意思を聞いたモリアーティは『休戦』を約束した。
シャーロックとモリアーティの取引を知ったモーランドはひとりでモリアーティと戦う覚悟をしている息子を心配しつつ、NYをあとにした。
おちゃのま感想
「正義のために不正もやむなし」なホッブス捜査官は、その後も裏金の流用を続けているのでしょうかね?( 一一)
モリアーティとモーランドの戦いは『休戦』・・・って、ことになりました。モリアーティは納得したみたいだけど、息子を案じているモーランドはどうだろう?約束を守るでしょうか?なんてったって、闇の組織の親玉なんだし。シャーロックの父親なんだし。
シャーロックのモリアーティへの感情は想像もできません。
“愛”と“憎”の比率は、今も“愛”の方が大きいのかな。
バクシ役は『BONES』でバジリ君を演じてたペジ・ヴァーダト(Pej Vahdat)さん。
エロリー役は『パーソンオブインタレスト』でキャンベル医師を演じてたレン・シュミット(Wrenn Schmidt)さんでした。ワルなエロリーには、ぜひ再登場してほしいです。