Episode21 Whatever Remains, However Improbable
【ざっくりあらすじ】シーズン最終話
マイケル殺害の第一容疑者になったジョーンのアリバイを証明できるのは、認知症の母だけだ。FBIのマリクがジョーンを疑う最大の理由は、死の直前のマイケルがベイズモアへ残した留守電の中でジョーンの名を呼んでいるからだった。
危険な捜査
市警への出入りを禁じられたシャーロックはグレグソンに捜査資料の提供を求めるが、グレグソンは無理だと断った。「ジョーンの潔白は証拠が示してくれる」と言うグレグソンは、辛抱するんだとシャーロックを諭した。
グレグソンの協力を得られなかったシャーロックは検視局へ侵入し、検視報告書のコピーと遺体の写真を入手した。マイケルの死因は鈍器による頭部損傷で、眼窩骨も折れている。マイケルがジョーンの名を呼んだときには、両目に入った血のせいで見えてなかったはずだ。
遺体の写真から、ジョーンが刺した傷を縫合した人物が見つかった。縫合に使われた糸はベトナム戦争時の衛生兵が使っていたものとそっくりで、マイケルの集会仲間にはベトナム戦争記念品収集家の帰還兵デニーがいる。デニーの自宅を調べると、壁に飛んだ小さな血痕が見つかった。さらにルミノールを床に吹きかけると、血痕を拭き取った痕跡とともに足跡が浮かび上がる。その足跡は、犯人が女性でジョーンと同じサイズだと示していた。シャーロックはデニーに自宅の焼却を勧め、新たな家に住めるよう匿名口座から数十万ドルをデニーの口座へ振り込んだ。デニーの家は燃え、犯行現場もなくなった。
協力者の名
密かにベルが提供した捜査情報をもとに、シャーロックはマイケルの遺体遺棄を手伝った協力者を特定した。ゴミ収集車の整備士カーティスは、マイケルに妻を殺され、無実の罪で服役したグラハムの父親だ。(第7話『殺しのオーナメント』)シャーロックとジョーンはカーティスが遺体遺棄を手伝ったと考えたが、マイケル殺害犯をヒーローと呼ぶカーティスは協力を拒んだ。
車庫には24時間守衛がいるうえ、全車GPSで追跡されているというカーティスの話から、ジョーンは犯人が車庫に遺体を持ち込んだことに気が付いた。守衛に確認すると、犯人が映っているはずの監視映像は匿名の通報で来た捜査関係者が消去していた。その捜査関係者の名はグレグソンだった。
大切な人のために
グレグソンの自宅へ侵入したシャーロックは、帰宅したグレグソンと対峙した。犯人はハンナだと指摘されたグレグソンは、マイケルが殺したマディはハンナの親友だったと話し始めた。マディが殺されたのち、仕事を休んだハンナはマイケルの関係者を調べあげ、ケガをしたマイケルが頼る相手はデニーだと考えたのだ。グレグソンがハンナの犯行を知ったのは、ハンナがデニー宅にいるマイケルを殺した日の夜のことだった。
このまま捜査が収束するのを待つつもりのグレグソンに、シャーロックは容疑者にされたジョーンの名誉やマイケルに殺された女性たちの遺族はどうなる?と訴える。しかし、グレグソンは「お前がいなければ、娘は人殺しになっていなかった」と、マイケルを近づけたシャーロックを責めた。
シャーロックはマリクに真相を知らせるべきだと考えるが、ハンナやグレグソンを刑務所に送りたくないジョーンは何もしないことを望んだ。殺人の容疑をかけられ人生が一変しても、他人を思いやるジョーンのために、シャーロックは自分が“犯人”になる決心をした。
愛する相棒
ハンナから犯行の詳細と凶器のありかを聞き出したシャーロックは貸しのあるMI6に協力を求め、逮捕されずに自白する方法を考えた。マイケル殺害は国の任務ということになり、英米両国で取り決めがなされた。その結果、シャーロックは二度とアメリカに入国できなくなった。そのことを、ジョーンは“殺人共犯者”として訴追されずに済む供述書へのサインを求めたマリクから教えられた。
イギリスへ帰国するシャーロックは、「君は命の恩人だ」とジョーンに感謝の気持ちを伝えた。背を向けたシャーロックに、ジョーンは「私たち相棒よね?」と声をかける。シャーロックは「愛する者同士だ」と応じた。
半年後。
ロンドンで探偵業を続けるシャーロックの隣には愛する相棒ジョーンがいる。ジョーンはシャーロックの隣人になっていた。
おちゃのま感想
なんだかこれでお別れのようなラストシーンでした。
しかし、ファイナルは次シーズンです。
さて、マイケル事件のほうですが、犯人はハンナでした。この結末、わたしとしては納得できないものでした。これまで描かれてきたハンナはFBIを出し抜けるほど優秀ではなかったと思うんですよ。しかも、利己的な面のある人だったので、マイケルに復讐するとしても別の方法を考えるんじゃないかな。しかし、ハンナよりガッカリしてしまったのは、シャーロックに追及されたときのグレグソンの言い分です。娘をかばい証拠隠滅したことは理解できても、どうせジョーンは捕まらないから・・・って(涙)
『エレメンタリー』はよく練られたエピソードが多いと思うのですが、今回のマイケルについてのオチは期待とは遠く離れたものでした。希望としては、シャーロックとマイケルの頭脳を使った心理的な直接対決にしてほしかったです。とはいえ、シャーロックのジョーンに対する愛情をこんなふうにストレートに描いてくれた点はよかったと感じてます。言葉や態度では表現できないシャーロックらしい“愛”が伝わってきました。
次シーズンがファイナルとなるわけですが、どんなふうに続くのかまったく想像できません。シャーロックとジョーンの物語において、これ以上のラストを描けるのか、ちょっと心配にもなってます。残り13話。どうか明るい結末でありますように!(祈)