原題:The Crossing
作品データ
- ジャンル:SF
- シーズン:1(キャンセル)
- エピソード:11
- 主な舞台:オレゴン州
- アメリカでの放送:2018
- メモ:全話視聴済
ストーリー
オレゴン州の小さな町、ポート・ケイナンの海岸に47人の難民と400人以上の遺体が打ち上げられた。真っ先に彼らを救助した保安官のジュード・エリスは、母親とはぐれた少女レアから「これから起きる戦争から逃げてきた」と教えられる。
彼らは180年後の未来から“長き平和”と呼ばれるこの時代に逃げてきた難民だった。彼らが話す未来は、『エイペックス』と呼ばれる遺伝子組み換えで進化した種に支配され、エイペックスの虐殺で人類は絶滅の危機にある。
難民たちの件は国家安全保障捜査局(HSI)の管轄になり、ジュードは町の保安官でありながらこの不可解な事件から締め出された。難民たちの聞き取りをしたHIS捜査官エマ・レンの報告を聞いた上司のリンダウアーは「彼らはカルトだ」と決めつけ、真相がわかるまで使われていないキャンプ場での監禁を命じた。
不満と不審を抱くジュードの前に娘を捜しているレアの母リースが現れた。リースはエイペックスだった。
ラストの内容
エイペックス誕生を阻む目的で先に未来から来たグループ(先行グループ)は、計画を危うくする存在のキャンプにいる難民たちを殺すと決めた。一方、先行グループに捕らえられたリースを救出したジュードは仲間たちとともに収容所から難民たちを逃がす。罪のない人々を殺す役目に抵抗を感じていたリンダウアーは先行グループを裏切り、ジュードに協力した。リンダウアーの協力で収容されていた難民の情報は消え、難民たちはジュードが手配したIDで新たな人生と自由を手に入れた。
収容所の壁にエイペックスの文字でナオミが記した未来の出来事の中に、何度も“エリス”(ジュードの名字)が出てくるとレアから教えられたジュードは、収容所から消えたナオミを捜し始める。そのナオミの先導で収容所を先に脱出した妻レベッカを案じるケイレブにジュードはある住所を渡し、ケイレブは行方不明の娘レイチェルと再会した。特殊な能力を持つレイチェルを育てていたリンダウアーは、父のケイレブに娘を返したのだ。リンダウアーは先行グループを離れ、姿を消した。
余命わずかなソフィーは手に入れたリースのDNAから作ったワクチンで回復した。先行グループはソフィーを消そうとするが、すでにソフィーは人間を超える存在になっていた。
おちゃのま感想
惜しい、打ち切り作品です。
多くの謎を残したまま終わってしまいましたが、ひと区切りついたところで終わっているので、まずまず納得しています。たとえるなら、序章が終わったところ。
まずインパクトが強いシーンから物語が始まります。未来から逃げてきた先が海の中だなんて、度肝を抜かれるシーンでした。どうしてそんな事態になったのか・・・は、エピソードが進むとともに明かされます。予想外に過去へ逃げようとする人々が押し寄せ、エイペックスの襲撃が迫る中、いちかばちかな賭けで未来の人々は時間を超えたのでした。
このドラマは設定に凝っており、そこがポイントだったと感じてます。未来からの難民や進化型人類のエイペックスだけの話に留まらず、人類の未来を救うため先にこの時代に来ていた集団の存在、奪われた子供たちの能力、エイペックスであるリースのDNAを自身の治療に使ったソフィーなど、とにかくベースとなる設定が面白かったです。複雑に入り組んだ展開が予想されただけに、打ち切られたのは残念です。
打ち切り承知で視聴したわたしのお気に入りは、主人公ジュードの人となりでした。人生をやり直すため舞台となるポート・ケイナンの保安官になったジュードの正義感や直観力。エイペックスであるリースに対しても誠実でした。そのジュードを支える相棒ネスターも、またよかったです。ふたりの信頼関係と、素朴に正しいことをしようとする姿勢がこのドラマを支えているように感じました。
ジュードたちの作戦で、先に未来から来ていた集団に殺されようとしていた難民たちは無事逃げ出し、望んでいた再出発の夢が叶ったところでドラマは終わります。まだまだ描けることが多かっただけに、ガッカリというより残念な気持ちで見終わったドラマでした。