レジデント・エイリアン ～宇宙からの訪問者～１ 第1話「ドクター殺人事件」【あらすじ感想】

エイリアン町へ行く

不慮の事故で宇宙船が地球に墜落し、予定外に地球に潜伏することになったエイリアンは、湖畔の小屋にひとり滞在していた医師のハリーを殺し、ハリーに成りすましていた。“任務”を遂行するため人間に馴染む必要があると考えたハリー（エイリアン）は、TVドラマ『LAW & ORDER』で人間の言葉や風習を学ぶ一方で、雪に埋もれた装置を捜す。任務に必要な装置は、雪解け前に見つけなければならない。

サムの遺体を見てほしいと頼まれたハリーは、避けていた町の中心街を訪れる。サムの遺体を見たハリーは「Law & Orderの事件みたいだ」と興奮し、自前の効果音でテンションをあげる。遺体を見ただけで“自殺”と判断したハリーは「傷の角度と手の血痕から自殺だと分かる」と断言するが、「もし違ったら殺人犯がどこかにいる」と動揺する若き町長のベンは検死を頼む。人間ハリーの専門は病理だったのだ。

初めてのウイスキー

ひとりでサムの解剖を楽しむつもりのハリーだったが、「サムに何があったのか知りたい」と言う看護師アスタを拒めない。サムは自殺なんかしないと信じるアスタの「自殺だとしたら頸動脈を刺すはず」という指摘に納得したハリーは、人間アスタを見直した。

アスタにバーに誘われたハリーは断るが、「変わり者ね」と言われたことで思い直す。普通の人間だと証明すべきと判断したハリーは、初めてのバーを経験する。初めて飲んだウイスキーがなぜかやめられず、音楽に合わせ体が動き出す。フロアで踊り始めたハリーは勧められるままに酒を飲み、意図せず人間に馴染むことに成功する。

ウイスキー効果で大胆になったハリーは、昼間、遭遇した少年マックスを殺そうと決める。エイリアンの姿が見える人間は100万人に1人しかいないのに、人口1000人の町に住むマックスはその1人だったのだ。マックスの部屋に侵入したものの、殺害は失敗する。ハリーを見たマックスの叫び声で部屋に現れた父親は、町長のベンだった。

アスタの事情

翌朝、初めての二日酔いに苦しみながらも、ハリーはアスタとの約束を守り、別れた夫ジミーの家から荷物を運ぶアスタを手伝う。外出から戻ってきたジミーは銃を見せ、「先に帰って」とアスタに言われたハリーは立ち去るが、身の危険があるアスタを見捨てることはできない。ジミーの家に引き返したハリーは、人間とは思えない怪力でアスタを脅すジミーを懲らしめた。

人と違うハリーは自分と同じ“はみ出し者”だと納得したアスタは、ジミーとの結婚について打ち明ける。16でジミーと結婚し出産したアスタは、「子供は無理」と言うジミーに従いその子を養子に出した。その選択を無駄にしたくない思いから結婚生活を続けたアスタが家を出たのは、ハリーの宇宙船が墜落した4ヶ月前だった。

殺人事件

サムの葬儀に出席したハリーは、アスタの「あなたは新鮮な空気みたい」という言葉から、サムが自分を刺した理由に気づく。遺族の前で棺桶を開き、においを嗅ぐハリーを止めたアスタはその場を取り繕う。

サムの死因は窒息だと断言したハリーは、サムは自分で気管切開しようとしたが間に合わなかったと説明し、アスタも納得する。ハリーの推理では、サムは葬儀に出席している誰かに毒殺されたのだ。

エイリアンの任務

ハリーが暮らすことになったペイシェンスの町には英雄の歴史がある。1884年、地元の坑道で落盤事故が起きた。脱出した59人の作業員は取り残された1人の救出に向かい、59人が命を落としたのだ。『1人残らず救う』それが町の誇りだった。

人間には救済の余地があるのかもしれないと考えるようになったハリーだが、装置を見つけたら任務を完遂しなければならない。ハリーの任務は人類抹殺だった。