原題:Anne With an E(Anne)
作品データ
- ジャンル:人間ドラマ
- シーズン:3(キャンセル)
- エピソード:27
- 主な舞台:プリンスエドワード島
- リリース:2017-19
- キャスト:エイミーベス・マクナルティ(アン)ジェラルディン・ジェームズ(マリラ)RH・トムソン(マシュー)
- テーマ:さまざまな愛の形、偏見や差別に屈せず自分らしく生きること、時代背景にある社会問題
- メモ:最終話まで視聴済
- お気に入り度:
あらすじ
小説『赤毛のアン』に基づきながらも、新たな視点で描かれるアンの物語。
プリンスエドワード島アボンリーにて農場を営むマリラとマシューのカスバート姉弟は男の子を養子に迎えることにするが、やってきたのはやせっぽちの赤毛の女の子アンだった。
駅でアンを出迎えたマシューは手違いだと言えないまま、アンをグリーンゲイブルズへ連れ帰る。グリーンゲイブルズまでの道中、養子に迎えられた幸運と美しい風景に興奮するアンのおしゃべりを聞いていたマシューは、すっかりアンを気に入ってしまう。一方、長年の友人であるリンド夫人から不安な忠告をされていたマリラはいったんは手違いを正そうとしたものの、お試しでアンを引き取ることにする。
おちゃのま感想
このドラマを見たくてネトフリに加入したようなものなのに、シーズン1で視聴を断念しておりました。理由は、シーズン1で描かれたアンに対するアボンリーの人々の態度が辛すぎることと、小説に沿って描かれるとしたらマシューが去る展開になるはずで、悲しいシーンは見たくないなと思ったからです。そんな経緯があるドラマにようやく手を付けた理由は、これは別のアンの物語だと知ったから。もういちど第1話から再視聴をした今は、新しいアンワールドにすっかり夢中になりました。
小説『赤毛のアン』と大きく違う点は、マリラ&マシューの設定でした。小説では兄マシューと妹マリラという設定で、マシューは早い時期に亡くなるのですが、このドラマでは三人兄弟に変更して、すでに亡き人の長男、長女マリラ、末っ子マシューという設定でした。なんの疑いもなく、小説と同じ“兄妹”だと思い込んでしまったのですが、そう思い込んだのはわたしだけではなかったみたいです。以前NHKで放送されたもの(なぜか録画してた)を見てみたら、マリラが「兄さん」とマシューのことを呼んでました。これは制作開始時からの設定だったんでしょうかね?あらかじめ知っていれば、もっと早くに視聴してたのに・・・とグチグチ。(ちなみに、この記事を書いている現在、ネトフリの吹替版は“マシュー”って、名前での呼びかけになってます)
カスバート家の事情が変わったことで、この後の展開にも変化があるのは当然のこと。小説に忠実にすべきという意見もあると思いますが、わたしは新しいアンの世界に大満足です。シーズン2からドラマオリジナルの登場人物も増え、真っ直ぐな物差しを持つアンの視点で人権や平等・多様性など時代的に難しいテーマを盛り込んだ件は素晴らしいアイデアでした。さらに秀逸だったのは、時代の一歩先をゆくアンの強い信念に影響される周辺の人々のことも丁寧に描いている点です。愛してやまないキャラ全員が生き生きと描かれる世界観が素晴らしかったです。
小説と少し違った『アンという名の少女』を絶賛しておりますが、この作品を“赤毛のアン”として受け入れられたのはキャスティングのお手柄かも知れません。主人公アンはまるで小説から飛び出してきたようなアンそのものだったし、周囲の人々もイメージにピッタリ。マリラ&マシューはもちろんのこと、ダイアナやギルバートもまさにその人!特に、アンが愛するようになるギルバーㇳの素敵なことといったら!アンを見るギルバートの瞳にドキドキさせられたのは、わたしだけではないはずです。
さて、残念ながら『アンという名の少女』はシーズン3でキャンセルされてしまいました。諸事情あってのことだと思うのですが、できることならその後のアンたちを描いてほしいです。ドラマで取り上げたオリジナルテーマはもちろんのことですが、小説で描かれるアンの物語はこの先も続いているので。教師編とか、結婚編とか・・・。そんな成長したアンやみんなの姿を想像しながら、書き尽くせない感想を終えたいと思います。