原題:Shōgun
作品データ
- ジャンル:歴史ドラマ
- シーズン:1(3まで更新)
- エピソード:10
- 主な舞台:豊臣秀吉が没した直後の日本
- リリース:2024−
- キャスト:真田広之(虎永)、アンナ・サワイ(マリコ)、コスモ・ジャーヴィス(按針)
- テーマ:日本の戦国時代における忠義、宿命、駆け引き・・・などなど
- メモ:シーズン1視聴済
- お気に入り度:
あらすじ
戦国時代の日本。豊臣秀吉が没した後、五大老の石堂(モデルは石田三成)と虎永(モデルは徳川家康)の対立が激しくなる。そんな中、イギリス人ブラックソーン(モデルは三浦按針)を乗せた難破船が漂着する。
いちはやく動き、鉄砲を積んだ船と船員を手中に収めた虎永は、アンジンと呼ばれるようになったブラックソーンの通詞(通訳)の役目を家臣のマリコ(モデルは細川ガラシャ)に命じる。言葉だけでなく風習や文化に戸惑うアンジンと、牢獄のような人生を生きるマリコは、いつしか絆をふかめてゆく。
おちゃのま感想
海外のドラマサイトで話題になってることや、IMDbでの評価の高さは知ってはいたけど、まったく興味がわかなかったドラマでした。見てみようかな?と思ったきっかけは、今年のエミー賞。主演男優(真田広之)と主演女優(アンナ・サワイ)を獲得したことで、どんな演技をしてるの?という野次馬的興味から。「とりあえず、第1話だけでも」と手を付けたら、なるほど納得です。違和感ない戦国時代の日本の描写と、海外ドラマならではの壮大なスケール。第1話の段階ではハマる予感はなかったけれど、物語が進むにつれ登場人物に愛着を感じるようになり、そうなるともう止まりません。
予想外にハマった理由は、ひとえにアンナ・サワイ演じるマリコ様に魅了されたから。明智光秀の娘である細川ガラシャをモデルにしたマリコは、実父が主君を討ったことで厳しい立場に置かれ、夫との関係も冷めきり、虎永への忠義を証明しなければならない・・・という極めて難しい背景を持つ女性。凛とした表情の下に激情を抱えるマリコに惹き込まれ、思い入れ強く視聴しました。
さらに、サイドストーリー的にマリコとアンジンが惹かれ合う件が描かれるのですが、”マリコとアンジンのラブストーリー”という単純なものではなく、ふたりの背景にある複雑な人間関係があいまって、一筋縄ではいかない濃厚なストーリーに仕上がり、このドラマの大きな見どころでした。
内容のほうは、戦国時代が舞台とはいえ心理戦中心で、大まかな歴史を知ってる(はずの)自分にとっても各キャラの思惑や心情を理解するのは難しかったです。さらに人間関係の相関図(主従関係、複雑な姻戚関係、正室と側室の力関係・・・などなど)も複雑で、戦国の世の風習を含め、海外の方がどんなふうに受け止めたのかな?と気になります。
最後に、素晴らしかった点をもうひとつあげるとすると、女性陣のみなさまの表現力!(男性陣はちょっとセリフカミカミ気味だったような・・・)世継の実母である落葉の方(淀殿)、虎永の命令でアンジンの妻になったフジ。マリコ様同様にそれぞれが重い宿命を受け止め、能面のような表情の下に感情を隠し、やるべきことを全うする。生まれながらに政治の駒にされる女性たちを大仰な演技ではなく、静かな存在感で演じておりました。
『SHOGUN』は当初リミテッドシリーズで制作されたそうですが、(この記事を書いている段階で)シーズン3まで更新されています。制作の方の考えは3シーズンがベストで、それぞれ違った物語を想定してるとか。ジェームズ・クラベルの小説(アジアン・サーガシリーズ)を基にしたドラマですが、マリコ様愛の余韻に浸ってる自分としては、シーズン1の前日譚になる本能寺の変あたりを描いてほしい・・・。そんな思いをめぐらせながら、感想を終わりにします。