原題:The Woman in the House Across the Street from the Girl in the Window
作品データ
- ジャンル:ミステリーコメディ
- シーズン:1(完結)
- エピソード:8
- 主な舞台:アナの自宅周辺
- アメリカでの放送:2022
- キャスト:クリスティン・ベル(アナ)トム・ライリー(ニール)
- メモ:最終話まで視聴済
- お気に入り度:
あらすじ
8歳の娘エリザベスを亡くし、夫も去り、ひとりで暮らすアナは、セラピストが処方した薬とワインに溺れる日々を送る。現実と妄想の区別も曖昧になったアナの日課は、窓の外の風景を眺めること。
悲劇から3年経っても前へ進もうとせず、過去にしがみついているアナの時間は、通りを挟んだ向かいの家にニールと娘エマが引っ越してきたことから動き始める。エリザベスと同じ年頃のエマを気づかう一方で、アナは“悲劇的な事故”で妻を亡くしたというニールに惹かれる。しかし、ニールにはリサという恋人がいた。性悪なリサに苛立つアナは、何者かに殺されるリサを目撃してしまう。
おちゃのま感想
様々なクリスティン・ベルの表情を楽しむ・・・。それがテーマのような作品でした。『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』や『裏窓』などからインスピレーションを得た作品とのことで、どこかで観たようなネタをダークコメディに脚色した内容になってます。
良かったと感じた点は、短めのシリーズとしてまとめられたこと。1話毎に仕掛けられているミニクライマックス&ミニクリフハンガーで興味を引きながら最終話の結末に繋げる展開は謎解きの面白さを感じます。しかし、肝心のオチが矛盾だらけのダークコメディになってるので、ガッカリ感に襲われる視聴者の気持ちを和らげるためにも短めの内容は正解でした。
このドラマの要、アナが目撃したリサ殺しの犯人はニールの娘エマだったわけですが、諸々な事情を無視した結末をどう受け止めればいいのやら?と困惑しています。エマは、アナ宅の向かいに引っ越して来る前にママと学校の先生を殺しており、ラストのアナとの戦い前にパパを殺し、アナ宅で働く便利屋さんのビューエル(←かなり大柄な成人男性)を襲ってるんです。エマがサイコパスだとしても、リサの死体を処理して遺棄できたの?パパとビューエルをどうやって?と疑問がパンパンに膨らむ結末でした。
真実を知ったアナとエマの対決シーンが、ある意味、このドラマのクライマックスになるわけですが、まるで悪霊に憑かれたようなエマに唖然としてしまい、迫力満点のアクションシーンが台無しになった印象です。
なので、わたしのオススメ見どころは、クリスティン・ベルが演じるアナという人物。感情移入はできないけれど、それしかありません。アナが自宅に籠もっている理由を“雨恐怖症”という設定にし、お天気次第で外出できるという自由度をアナに与えたことが効果的でした。アナ中心に描かれる内容ですが、そこに閉塞感はなく、シンプルな中にも世界観を広げられた点は良かったです。
ツッコミどころが満載の作品ではありますが、手軽に観る娯楽作品としては良いかもしれないなと思います。赤ワインとおつまみを準備して、アナの世界を遠くから眺めるような・・・そんな距離感で観ると、より楽しめたかもと思う作品でした。