Episode5~6
アニマル軍から逃れたガスとジェップの絆はさらに強くなる。ジェップはガスと一緒にコロラドへ行くと決めるが、コロラドは遠く、アニマル軍に連れ去られたせいで今いる場所もわからない。そんな中、アニマル軍を追放されたベアが現れる。
コロラドへの旅
追われる身になったベアがふたりを待ち伏せしていた理由は、元仲間が見つけたガスのママ“バーディ”の情報を渡すためだった。情報は“ゴーグロ”という住所の一部だったが、ママを捜す貴重な手がかりだ。ベアがこれから列車に乗ると聞いたガスは一緒に行こうと誘い、渋るジェップを説得する。
ベアが加わったガスの旅は賑やかになった。しかし、家族をラストマンに殺されたベアと、アニマル軍に殺されかけたジェップは事あるごとに言い争う。ケンカをやめないふたりにうんざりなガスはひとりでボロボロのつり橋を歩き、疫病から生まれたという不吉な紫の花が咲く“悲しみの谷”へ転落してしまう。
意識を失ったガスは不思議な夢を見る。ぬいぐるみのイヌの導きで再会したパッバは、どんなに辛くても心に従い進み続けろとガスを諭す。「お前と同じ子たちが助けを待っている」と言うパッバが消え、動揺するガスの耳にジェップとベアの声を届く。ガスが目覚めると、肩で息をしながらケンカするジェップとベアがいた。猛毒の花畑に落ちたガスを、ふたりは懸命に救出したのだ。
その後、なんとか飛び乗ったコロラド行きの貨物列車で、ジェップはアメフトのチームメイト、ジミーと再会した。貨物列車で働いてるジミーは、謎の地名“ゴーグロ”を知っていた。“ゴーグロ”はエセックス郊外のゴス・グローブの通称だとジミーが教える中、血相を変えたベアが「ラストマンがいる」と知らせる。3人が飛び乗った貨物列車はラストマンの貸し切りだったのだ。
3人はジミーの手引きで最後尾の車両に移動する。逃げ道は列車から飛び降りることしかなかったが、ラストマンがいる隣の車両の床に落ちたガスの大事なイヌに気づいたジェップは、捨て身でイヌを取りに行く。パッバの靴下で作られたイヌのぬいぐるみは、ガスにとってパッバのニオイがする唯一無二の宝物だった。
ラストマンが押し寄せるドアを押さえたジェップはガスとベアに飛び降りろと指示するが、ふたりは動かない。ジェップと一緒にドアを押さえるジミーは「どうせ死ぬなら最後にもう一花咲かせたい」と言い、ためらうジェップの背中を押す。この世界で得た新しい“家族”と行けと言うジミーに感謝したジェップは、ガスたちを連れて列車から飛び降りた。
列車の旅を経たジェップとベアは、互いが抱える事情を察するようになる。世界が大崩壊したとき、ベアには妹が、ジェップには妻子がいたのだ。ベアはガスのためにイヌを取りに行ったジェップを見直し、ジェップは「よければ一緒にこいよ」とベアを誘う。ふたりの先を歩くガスは、そこがエセックス郡だと知らせる看板を見つけた。
アディとラニ
自警団のメンバーが、姿を消したナンシーの捜索を始めた。ナンシーの隣人であるアディは「ダグの件から会ってない」と苦しい説明でやり過ごそうとしたが、診療所の冷凍庫に隠したナンシーの遺体を発見されてしまう。
自警団に囲まれたアディが必死に切り抜けようとする中、ラニに感染の症状が出る。「うつらないから大丈夫」というアディの言葉を信じる者はおらず、診療所に火をつけた自警団は、自宅ごとアディとラニを燃やして終わらせようとする。絶体絶命のふたりを救ったのは、ラストマンを率いるアボット将軍だった。
アディに治療薬開発の重荷を押し付けたベル医師の末期がんは、残酷な実験にウンザリしたベルの嘘だった。隠匿生活を送るベルを見つけたアボットは、研究ノートを渡した相手は後任のアディだと聞き出したのだ。
研究ノートを探すアボットのおかげで命拾いしたアディたちだが、アボットに必要なのはノートだけだった。しかし、ラニが10年もの間、生き延びてる被験者のジェーン・ドウだと知ったアボットは、“治療法を見つけた”とハッタリをかましたアディ共々極秘施設へ連れて行くと決める。
動物園の保護区
動物園をハイブリッドの保護区にしたエイミーとウェンディはチラシで活動を広め、保護を求める人と無線で連絡を取り、指定した場所にハイブリッドを置き去りにさせることでリスクを減らしていた。
ある日、保護区まで赤ちゃんを届けると言い張る男から無線が入る。危険を冒せないエイミーはすぐに無線を切ったが、まもなくして動物園のフェンスにピンクのリボンが結ばれた。ピンクのリボンは、ラストマンが使う目印だった。
すぐに行動を起こしたエイミーは、下水道のトンネルからハイブリッドたちを逃がす。落ち合う場所に決めた教会へ仲間を引率するウェンディは不安を抑えきれない。「他の子を守らなきゃ」とウェンディを鼓舞したエイミーは、何があっても強く生きろと送り出す。ひとり動物園に残ったエイミーは、ラストマンの襲撃に備えた。
おちゃのま感想
3つの物語は中盤でも繋がりませんが、接点があるとするとラストマンくらいです。アディだけでなくエイミーたち動物園組にも不穏な空気が迫ってます。避難したウェンディたちも、動物園に残ったエイミーも無事で済むとは思えない流れ・・・。いくらエイミーがたくましくなったといっても、ひとりで立ち向かえるとは思えません。(>_<)
貨物列車で再会したジェップの旧友ジミーは、救世主のような登場でした。ジミーがあの列車で働いていたことも偶然とは思えない不思議な導きを感じます。意識を失ったガスがパッバと会ったあの不思議な世界のこともあり、何か大いなる力の存在を想像したくなります。
さて、ガスとジェップの絆が深まり、ジェップとベアの間にあったわだかまりも解消されつつあります。ガスを中心にしたこの3人は、ジミーが言っていたように、ある意味“家族”のような絆で結ばれようとしています。地獄耳のガスを気遣うジェップとベアがヒソヒソと話すシーンは、まさに弟を心配する長女と父親って感じでした。
いよいよコロラド。アディやエイミーのことを思うと、ガスたちにも危機が迫る流れのような・・・。ところで、ラニの目力がすごくって、アディではなくラニなら恐ろしいこともできそうに感じております。