ハンドメイズ・テイル／侍女の物語 ４ 第8話「陳述」【あらすじ感想】

ジューンの証言

毅然とした態度で証言台に立ったジューンは、ギレアドが“儀式”と呼ぶ繰り返し行われるレイプの件、夫の生殖能力を疑うセリーナがギレアドの法に背き運転手とのセックスを強要し、行為の一部始終を監視していた件、フレッドの指図でレイプせざる得なくなったローレンス家の悲劇まで、ウォーターフォードの屋敷に入ったその日から始まった監禁、暴力、レイプの実態を冷静に証言した。

一方、質問の機会を与えられたウォーターフォード夫妻の弁護士は「不義という罪を犯したからあなたはここにいる」と指摘し、ジューン自らの意思で侍女の道を選んだと主張する。ジューンの「妊娠中に犯されるのは知らなかった」という反論を聞いたフレッドは「神聖な儀式だ」と口を挟み、判事の警告を無視し、ギレアドの素晴らしさを語り始める。

「我々は神の道に従い苦しんだ末に報われた」と主張するフレッドは、傍らに座る妻セリーナの膨らんだお腹に触れる。そんなフレッドの茶番を一蹴したジューンは「後は裁判で」と告げ、いまもギレアドにいるかのように振る舞う夫妻に圧力をかける。

司令官と侍女の対決となった法廷の様子は波紋を広げた。ギレアドを称賛したフレッドを批判する声が高まる一方で、奇跡的に子供を授かったセリーナを祝福する者たちもいた。

癒しの集会

モイラやエミリーの元侍女たちのグループセラピーに参加したジューンは、怒りを表さず、癒しを求める集会に馴染めない。そんな中、エミリーと話したい言う元おばのアイリーンが現れ、感情のまま怒ってもいいと考えるジューンは行動を起こす。

ジューンが独断でアイリーンを集会に連れてきたことで、エミリーは否応なしにアイリーンと向き合うことになった。難民だと偽り新たな名前と人生を手に入れたアイリーンがわざわざエミリーの前に現れた理由は、許しを求めるためだった。ギレアドで処刑されたマルタとエミリーの関係を密告したのはアリーンだった。ジューンが激しくアイリーンに詰め寄る一方で、エミリーは「あなたにできることは何もない」と静かに告げた。

ギレアドで味わった苦しみを役立つ形に変えたいと考えるモイラに「集会ではない場所でアイリーンに証言させたら？」と勧められたエミリーは、アイリーンを訪ねる。しかし、エミリーに許されなかったアイリーンは自ら命を断っていた。

集会の元侍女たちはエミリーを気遣うが、ジューンに意見を促されたエミリーは「彼女が死んでうれしい」と本音を漏らす。それを聞いた元侍女たちはそれぞれ抑えていた怒りや憎しみを吐露し始める。癒しを目的にしているモイラは「怒りを捨てなきゃ前へ進めない」と諭すが、元侍女たちはジューンに感化されていた。

リディア

おばに復帰したリディアは掃除も満足にできない若い侍女たちに苛立ち、緊張感のないルースおばたちに不満を抱く。そんな中、誤ってルースを攻撃してしまったリディアは問題になる。

必要な存在のリディアをクビにしたくないローレンスは「立ち直ってくれ」と言い、シカゴで捕らえたジャニーンのファイルを見せる。安堵するリディアを見たローレンスは、ジャニーンをリディアに任せることにする。

再びギレアドに捕らえられたジャニーンは生きる希望を失くし、リディアが教育したジャニーンとは別人のようだった。ジューンがカナダにいると教えられたジャニーンは喜び、侍女には戻さないでと訴える。「ここで死なせて」と言うジャニーンを抱きしめたリディアは「あなたをどうすればいいかしら」とつぶやいた。