Episode11 Holly
【ざっくりあらすじ】
森の奥に建つ屋敷に取り残されたことは、ジューンにとって逃亡のチャンスだった。窮地をチャンスと捉えたジューンは鍵のかかった小屋の中に車を見つけた。
“アメリカ”の声
屋敷の中を探しまわり、カギを手に入れたジューンは小屋の車のエンジンをかけた。無事エンジンがかかると、ラジオからニュースが流れた。『ラジオアメリカ』というニュースは、インドと中国がアンカレジにあるアメリカ政府へ経済支援を約束し、イギリスがギレアドに追加制裁を発動し、カナダへ逃れた難民の受け入れ拡大が計画中と伝えている。「私たちは屈しない」と鼓舞する声は、ギレアドに囚われているジューンを勇気づけた。
逃亡を決意したジューンは屋敷に戻り、必要なものを集めた。食料、水、救急セット。物資を集めることに夢中だったジューンは、車のガラスに映った“侍女”の姿に気が付いた。目立つ侍女の衣装を着たまま逃亡することはできない。ジューンは再び屋敷へ戻り、着替えを探した。
セリーナとフレッド
ようやく黒いコートを見つけたジューンに、屋敷に近づく車の音が届く。車はウォーターフォード夫妻のものだ。屋敷に入ってきたセリーナは鬼気迫る様子でオブフレッド(ジューン)を捜し、車を見られるとまずいと焦るフレッドは慎重に屋敷の主“マッケンジー司令官”の名を呼んだ。
妻の寝室に侍女の衣装を見つけたセリーナは「あなたのせいで逃げたのよ」と激昂した。フレッドは「娘に会えたオブフレッドは私に感謝している」と反論し、姿を消したニックのことも信じている。愚かな夫に、セリーナはオブフレッドのお腹の子の父親はニックだと教えてしまった。
激しく罵倒しあうセリーナとフレッドを盗み見ていたジューンは、手元にある箱が銃弾だと気づいた。慎重に散弾銃を取り出したジューンは玄関ホールのふたりに銃口を向ける。セリーナの怒りはオブフレッドとともに赤ちゃんが消えた悲しみに変わり、「地元の部隊に捜させる」というフレッドに従った。フレッドとセリーナはジューンに気付くことなく屋敷を去った。
命の重さ
突然強い痛みがジューンを襲った。陣痛が始まったのだ。このチャンスを逃せないジューンは、母が話してくれた自分が産まれた日のことを思い出した。医師だった母は、陣痛が始まっても手術を続け、仕事をやり遂げたのちにジューンを出産したのだ。
闘う母の記憶を励みにジューンは逃亡を強行しようとするが、扉が開かず車を小屋から出せない。無人の屋敷に電力は届いてなかった。エンジンをふかし強行突破を試みても、雪で凍った扉はビクともしない。それでも諦めず、懸命に扉を開けようとしていたジューンは破水してしまう。赤ちゃんは生まれようとしていた。
覚悟を決めたジューンは屋敷へ戻った。暖炉に火をつけ、シーツや毛布を集め、出産に備えた。そして、外へ出たジューンは先ほどの銃を撃つことで居場所を知らせた。
いよいよその時が来た。ハンナを授かったとき、「医者がいて、薬がないと不安」と話した自分を諭した母の「あなたの体は強いのよ」という言葉を支えに、ジューンはひとりきりの出産に挑んだ。ジューンの心はハンナを出産した日に戻り、あの日そばにいてくれたルークやモイラを空想した。
この世に生まれたばかりの小さな命に、ジューンは「ホリー」と名付けた。それはジューンの母の名前だ。ホリーをそっと腕に抱いたジューンは「お姉ちゃんがいるの」と話しかけた。
おちゃのま感想 ★★★★
壮絶でした。
『言葉は必要ない』…そんなエピソード。
鬼気迫るセリーナはホラーを見ているような怖さがありました。
前回、フレッドがニックを排除するため仕組んだ罠なんじゃ~?と疑ってしまったのですが、違ってました。フレッドはニックが子供の父親だと察してたようですが、プライスが送り込んだ“目”とは思ってないみたいですね。守護者に連れ去られたニックは大丈夫でしょうか。
思うに、ジューンがギレアドから脱出できるとしたら、ドラマが終わるときなんじゃなかろうか?「あとちょっとだったのに~」…という展開がパターン化されつつあるような気がします。屈せず闘う女性を描きたいのは理解してますが、見ていてもう辛すぎる(涙)なので、終わってもいいので脱出させてあげてほしいと願ってしまってます。