Episode6 A Woman’s Place
【ざっくりあらすじ】
メキシコの通商代表団を迎えるギレアデでは、その準備に侍女も借り出された。川辺に吊るされた罪人の死体は撤去され、侍女たちは血で汚れた壁の清掃を命じられた。
オブフレッドの嘘
代表団を招くウォーターフォードの屋敷では、セリーナが興奮気味に準備をしていた。“侍女”として代表団への挨拶を課せられたオブフレッドは、何か質問されたら慎重に答えるよう念押しされた。
警備をするニックの隣に立ち扉の向こう側から呼ばれるのを待つオブフレッドは、束の間の安らぎを感じた。ニックはオブフレッドにとって大切な存在になっている。綺麗だとささやくニックの声は、オブフレッドに勇気を与えた。
代理使節のカスティーヨは女性だった。気さくな雰囲気のカスティーヨは「侍女について事実と噂の判別が難しい」と率直に言い、オブフレッドに質問を始めた。想像以上にカスティーヨの質問に答えることは難しく、オブフレッドは慎重に言葉を選び本音を隠した。
司令官は侍女のことを「神聖な身分」と説明し、オブフレッドは自らの意思で侍女になったと嘘をついた。しかし、「今、幸せ?」という質問に返事をすることは難しい。オブフレッドはこみ上げる感情を抑え「ここで幸せを見いだしました」と精一杯の言葉を口にした。
セリーナの窮地
カスティーヨの質問に戸惑ったのはオブフレッドだけではなかった。前の世界で『女の領域』という本を執筆したセリーナのことをカスティーヨは知っていた。今のギレアデでは読書は許されず、主義主張のあったセリーナは“妻”でしかない。「このような社会になると想像したか」と問われたセリーナは「犠牲のかわりに神は祝福を授けてくださる」と答えた。
その夜、スクラブルの相手にオブフレッドを書斎に呼んだ司令官はイラついていた。カスティーヨとの交渉が決裂すればギレアデは窮地に陥ることになるのだ。オブフレッドもいつものように司令官の機嫌をとることができず、司令官はオブフレッドに「帰れ」と命じた。この家で生きなければならないオブフレッドは笑顔を作り、謝罪した。
司令官はオブフレッドにゲームではなくキスを要求した。自室へ戻ったオブフレッドは血を流すほど、歯を磨き続けた。
晩さん会
代表団を歓迎する晩さん会に侍女たちは客として招かれた。侍女たちをチェックしたセリーナは、傷がある子は省いてとリディア小母に命じた。熱心なギレアデの信者であるリディア小母は国のため罰を受けた侍女たちにも平等に敬意を払うべきだと意見するが、晩さん会でカスティーヨとの交渉をまとめる計画のセリーナは認めなかった。
侍女たちもテーブルに着き、セリーナがスピーチを始めた。セリーナは「子孫に誇れる社会を築き上げている」と侍女たちの貢献を称え、サプライズとして侍女たちが産んだ子供たちを会場へ迎え入れた。
同じように出生率の問題を抱えるカスティーヨは子供たちの姿に夢中になった。小さい子供の無邪気さが会場に温かな笑顔をもたらす一方で、侍女たちのテーブルは深い悲しみに包まれた。オブフレッドの隣に座る侍女は「これで交渉成立」とささやいた。カスティーヨとの交渉は侍女の輸出だったのだ。
侍女の真実
晩さん会の翌日、カスティーヨと補佐官のフローレスがウォーターフォードの屋敷を訪れた。日課の散歩に出かけようとしていたオブフレッドと会ったカスティーヨは、率直に話してくれてありがとうと感謝した。
「あなたが生きる世界を少し理解できた」と嬉しそうに話すカスティーヨにオブフレッドは堪えることができず、嘘をついたと告白した。オブフレッドは壮絶な虐待のうえになりたつ侍女の真実を語り、何か行動してと訴えた。しかし、6年赤ちゃんの産まれない街で暮らすカスティーヨの心を動かすことはできなかった。
カスティーヨが司令官と去ると、その場に残ったフローレスは「君を助けたい」とオブフレッドに声をかけた。フローレスはルークへの伝言を預かれると言い、ノートを差し出した。ジューンとオブフレッドを呼んだフローレスは、ルークが生きていると話した。
セリーナの過去
以前の世界のセリーナとウォーターフォードはごく普通に愛し合う夫婦で、新しい政府を望む同志でもあった。すでに出生率激減の状況で、セリーナは「生殖能力を国家資源と捉え、出産は道徳的義務」という執筆のテーマを夫に明かした。それは、ウォーターフォードたちが企てていたクーデターの3週間前のことだった。
新しい政府にセリーナの居場所はなかった。革命に最初から参加していたセリーナに用意された役割は、司令官の“妻”だった。
おちゃのま感想 ★★★★
面白い展開になってきました~!
ルークが生きてるって本当でしょうか。フローレスはオブフレッドに「君を助けたい」と言ってたけど、どうやって?
ルークが本当に生きているとすれば、オブフレッドのニックへの感情も複雑なことになりそうです。そうでなくても、ニックは『目』なんだし。
今回描かれた、“妻”という立場に満足してないと想像させられるセリーナがよかったです~。これ、原作とは全く違う設定です。
侍女の案を思いついたのはセリーナなんですね。それを司令官が政府へ提案したってことなんでしょうね~。
セリーナも司令官も新しい政府を思い描いていた頃は人間らしさがあったのに、いつから今のような愛のない人に変わったんでしょうか。これでよかったと思ってるのか知りたいです(´・ω・`)