Episode9 Intangibles
【ざっくりあらすじ】
聖ボナベントゥラ病院の国際人道プログラムにコンゴ出身の先天性心疾患の少年、ガブリエル・バングラが選ばれた。ガブリエルを選んだのはメディア受けを狙った理事のアオキと循環器内科部長のメータ医師で、執刀医のメレンデスは「手術は無理」と診断した患者だった。
先天性心疾患の少年
ガブリエルと母親を迎えたアオキは「社会的意義もアピール力も抜群」と満足気な様子で、メーテも「我々が救う」と母親に請合った。手術は無理だとメレデンスが抗議しても、アオキは「断る前に検査をして」と受け付けない。ガブリエルを担当することになったショーンとジャレッドがさっそく検査をしたが、結果はメレンデスの診断通りだった。可能性はあると考えていたメーテも手術は無理だと認め、はるばるアフリカから渡米したガブリエルは故郷での投薬治療が決まった。
ショーンは、ジャレッドがガブリエルに贈ったおもちゃからヒントを得て、ガブリエルの手術方法をひらめいた。メレンデスはアオキにもショーンの案を聞かせ、改めて手術はできないと告げた。メレンデスは薬の治療で数年生きることができるガブリエルを危険な手術で死なせたくないと考えていたのだ。
薬で安定するはずのガブリエルが悪化した。メレンデスは手術を強く望んでいる母親が原因だと気が付いた。メレンデスに見抜かれた母親はガブリエルに与えなかった薬を差し出し、故郷へ帰れば息子は死ぬと訴えた。自身も貧しい環境で育ち、障がいのある妹の治療もできなかったメレンデスは「救えないものは救えない」と厳しい現実を受け入れるしかないと話した。しかし、食べ物や平和よりも足りないものは希望だと言う母親の言葉は、メレンデスの心を動かした。
メレンデスとショーンは、成功を確信するまで何度もシミュレーションを繰り返しガブリエルの手術を始めた。しかし、確信を得たはずの方法ではうまくいかない。行き詰ったメレンデスたちを救ったのは助手を務めたジャレッドだった。冷静に術野を見ていたジャレッドの適切な提案で、ガブリエルの手術は成功した。
笑顔を見せるガブリエルの病室にいるメレンデスに、アオキは「すごい価値よ」と声をかけた。
紛失物の波紋
クレアは、アンドリュースとアンドリュースの妻イザベルの患者エリザベスを担当した。検査結果次第で声を失うことになるエリザベスの大切な検体が行方不明になり、病院のリスク管理担当者としてジェシカがエリザベスへ事情を説明した。ジェシカは“謝罪はするな”とクレアに釘を刺していたが、「あの容器には私の人生がかかっている」と動揺するエリザベスに責められたクレアは思わず謝罪の言葉を口にした。
心を痛めた様子もなく、自分は手術をするだけだと割り切っているアンドリュースに、イザベルは昔はもっと患者を思いやれる医師だったと指摘した。思い直したアンドリュースはクレアたちの検体探しを手伝うが、やはり検体は見つからない。エリザベスはガンの確定もなく咽頭を摘出することになった。
手術の助手についたクレアは、ふと容器のラベルが違う可能性に気が付いた。手術を止めたクレアは、違うラベルで保管されていたエリザベスの検体を発見した。検査結果はガンではなかった。麻酔から覚めたエリザベスはガンではなかったと知り、涙をながしクレアを抱きしめた。
長い勤務を終えたクレアに、ジェシカはエリザベスが病院を訴えたことを教えた。
ショーンの人間観察
グラスマンの勧めでライフコーチの面接をしたショーンは、服装が気に入らないという理由で断った。グラスマンは「人とうまくやれれば、より幸せになれる」と諭してみるが、ショーンを説得することは難しい。
クレアに“気の引き方”の3大アピールを教わったショーンは、人を観察することで対人スキルを高めようと考えた。観察記録の分析を見せられたグラスマンはショーンの努力を認めつつも、ライフコーチがつけばより早く多くを学べると説得を続けた。グラスマンが自分を見捨てるつもりだと感じたショーンは動揺し、知らない人は嫌だと激しく拒絶した。
おちゃのま感想 ★★★
このドラマの見どころはショーンの医師としての才能と、ショーンの葛藤や成長だと思ってたのですが、ショーンと関わる周囲の人々にも注目ですね~。特にショーンと直接関わることの多い、メレンデス、クレア、ジャレッドの変化は見ていて興味深いです。
最初からショーンとの接し方を模索していたクレアは、“友人”と呼べる間柄になっていると思うし、ジャレッドもショーンとの距離感をつかんでいるように感じます。そして、メレンデスはショーンの能力を活かし指導する方法を見つけたのかな。そんなことを感じたエピソードでした。
ペジ・ヴァーダトさん(Pej Vahdat)でした。信頼できそうな雰囲気を醸し出し、存在感あるお医者さんでした。