Episode9 Smart Power
【ざっくりあらすじ】
爆破事件をきっかけに外交の道が開け、ギレアドの代表としてウォーターフォードがカナダを訪問する日が来た。セリーナとニックも同行し、ウォーターフォード家はまだ若い守護者のアイザックに任された。
あなたの味方
出発前、オブフレッドの体調を確認したセリーナは、行きたくないと本音を漏らした。「考えていたのだけど」と切り出したセリーナは、出産後すぐに家を出て行くことをオブフレッドに求めた。
侍女は乳離れまで赤ちゃんのそばにいることが許されているが、妻の決定は絶対だ。動揺したオブフレッドは、日課の買い物へ向かう途中ジャニーンに不安を打ち明けてしまった。「赤ん坊に母親は必要よ」と大声をあげたジャニーンはオブフレッドを監視している守護者のアイザックに殴り倒され、アイザックは強引にオブフレッドを連れ帰った。
リタとふたりきりになったオブフレッドは、セリーナに出産後すぐに出ていけと言われたと話した。リタはいつものように表情を変えず「女主人が言うなら、それが一番なのよ」と、正しく応える。しかし、生まれてくる赤ちゃんには誰か優しい人が必要だというオブフレッドの言葉の意味を受け止めたリタは「できることはする」と約束した。オブフレッドはリタに感謝し、おなかの子どもに「彼女は味方」と教えた。
次にオブフレッドは、リディアを味方に選んだ。健診のためウォーターフォード家を訪れたリディアに、オブフレッドは「代母になったことはあるか」と質問した。ギレアドの神が認めない代父母の話題に、リディアは身構えた。慎重に言葉を選び、オブフレッドは司令官の暴力をリディアに伝えた。オブフレッドの意図を理解したリディアは「赤ちゃんには絶対に何もさせない」と約束した。帰り際、リディアは前の世界で甥の代母になったと打ち明けた。その子は生後4日で亡くなっていた。
カナダでの出来事
テレビのニュースでカナダに到着したギレアド代表団を見ていたモイラは「ウォーターフォードだ」とルークに教え、ルークはジューンをレイプしている男の顔を知った。司令官の身元は公表されていなかったが、モイラとルークはリトルアメリカの“アメリカ政府”にウォーターフォードの逮捕を要求した。しかし、カナダに居候しているアメリカにできることは、抗議のデモくらいしかない。
ギレアドの女性を代表しているセリーナの仕事は、“妻”として世界の目を欺くことだ。自由と幸せが存在している国で、ギレアドの“妻”の衣装を着たセリーナは奇異の目に晒された。バーでひとりで過ごすセリーナに“アメリカ政府の関係者”と名乗ったマーク・トゥエロが声をかけた。トゥエロはセリーナに亡命を勧め、ギレアドでは“罪深い”女性が原因とされている不妊問題の多くは男性側にあり、現在不妊の研究の成果が出始めていると教えた。
トゥエロの話は、自由とともに自分自身の子供が持てるかもしれないという魅惑的なものだった。しかし、セリーナは「私は国を裏切ったりしない」と断った。「もう裏切っているだろう」と指摘したトゥエロは、「話せたのは予想外の収穫だった」とあっさり引き下がった。
託された真実
ルークはジューンとハンナの写真を手にデモに参加した。車から降り立ったウォーターフォードに、ルークは「俺の妻をレイプしている」と罵声を浴びせた。フレッドは「誤った情報だ」とごまかしたが、ルークの手にある写真がオブフレッドであることにセリーナもニックも気が付いた。
ニックは危険を冒し、ルークを見つけた。「ジューンの友達」と名乗ったニックは、妻と娘の様子を知りたがるルークにジューンが妊娠していることを教えた。「あいつ(ウォーターフォード)の子か?」という質問に、ニックは「そうだ」と答えた。ニックがルークを捜した理由は、ジューンが燃やそうとした手紙の束を託すためだった。その手紙をルークたちはネットで公表した。手紙の真実はカナダ政府にギレアドとの交渉を打ち切らせ、ウォーターフォードは追い出されるようにカナダを後にした。
帰国したニックは密かにオブフレッドの部屋を訪ね、イゼベルの店の手紙が公表されギレアドを攻撃したことを教えた。驚きと喜びでニックを抱きしめたオブフレッドに、ニックは「何があろうと愛してる」というルークからのメッセージと、モイラがルークたちと暮らしていると伝えた。ジューンはニックの誠意に感謝し、ニックは「愛してる」とジューンに告げた。
おちゃのま感想 ★★★★★
面白かった~!
それぞれの登場人物の心情を想像させる、深い内容でした。
ニックはジューンのことを本当に愛してしまったんですね~。ルークと会ったことをジューンに知らせたニックは、どんな気持ちだったんでしょう。ニックはギレアドの人らしく感情を表さないけれど、ジューンを愛した瞬間から死を覚悟しているような気がします。なので、この先も非常に心配。
出産後すぐに出てけ!と言ったセリーナの真意は、一刻も早くフレッドから解放してあげたいという気持ちからだったのではと想像してます。すぐ次の司令官のもとへ送られるとしても・・・です。そのセリーナの発言にからみ、ジューンが味方作りをしたリタとリディアのシーンが感動的でした。それぞれいろんな苦しみを経て、現在の位置にいるんですよね~。周辺の人たちの背景も、もっと知りたいです。
一方、処刑された人を吊るしてるギレアドに観光客を呼びたいというフレッド!この人の心のうちは全く想像できません。カナダに拒否されたフレッドがどんな行動に出るのか、不安です。