原題:The Night Manager
作品データ
- ジャンル:スパイ
- シーズン:2(継続中)
- エピソード:(継続中)
- 主な舞台:ヨーロッパ諸国
- アメリカでの放送:2016~
- メモ:シーズン1まで視聴済
ストーリー(シーズン1)
ホテルのナイトマネジャーだったジョナサン・パインは、身分を変えて富豪の武器商人ローパーの闇組織に潜入した。パインをバックアップするのは、イギリスの国際執行機関のアンジェラ・バー。ローパーの側近になったパインは武器の闇取引を阻止しつつ、ローパーを追い詰める。しかし疑心暗鬼のローパーは裏切者の存在に気づいていた。
おちゃのま感想
パイン役をトム・ヒドルストン、ローパー役をヒュー・ローリー(『Dr.HOUSE』)が演じ、メインのふたり以外にもお気に入りのドラマ『アウトランダー』のフランク(Tobias Menzies)や、『スーパーガール』のヘンショウ(David Harewood)なども出演してて、出演者の顔ぶれだけでも十分興味をそそられるドラマでした。
序盤は、ローパーという悪人の存在を知ったパイン(ホテルのナイトマネジャー)のスパイになる過程をカイロ(エジプト)→スイス→イギリス→マヨルカ(スペイン)と美しい風景の移り変わりとともに描いてます。ドラマ全体の中でも映像美を全面に出してる部分です。
ちょっと気になったのは、この導入部分のパインがスパイになるあたり。死ぬかも知れない危険な任務を引き受けるパインの心情を表情から感じとるのは難しかったです。パインがスパイに転身する動機は、正義感とか、使命感とか、ソフィーを助けられなかった罪悪感とか・・・いろんな理由があったと思うのですが、も少しはっきりと描いて欲しかったかも。
そこはさておき、ローパーの組織に潜入してからのパインはバーの想像以上に有能なスパイとしてローパーの組織に深く潜ってゆきます。ローパーの信頼を得るための闇を抱える男の顔や、ローパーの息子に見せる優しい素の表情や、人を引きつける魅力あるパインの見せどころが続きます。(わたしがローパーならば・・・な視点で見ると、どうもパインの笑顔が嘘くさく見えてしまったんだけど・・・)
一方、身近に裏切者の存在を感じているローパーの疑心暗鬼な表情が対照的でよかったです。パインが善なら、ローパーは悪。パインが光なら、ローパーは闇。視線だけで何かを語るヒュー・ローリーさんの演技はローパーといううさん臭い役柄にピッタリハマってました。
お約束のようにパインとローパーの愛人ジェドが惹かれあうという流れで、ローパーの罪を暴くと同時にパインにはジェドをローパーのもとから救い出すという使命も加わります。このジェドが想像以上に芯の強い女性で、パインに対し誠実さを貫きました。単に美しいだけでなかったジェドの存在が、このドラマを上質な作品にするポイントだった気がします。
ラストはローパーとともにドラマの出発点カイロのホテルに戻ったパイン。ここでパインもバーもジェドも“死”と隣り合わせの危ない作戦を実行し、ローパーをハメることに成功します。最後はスカっとローパー退場で、パインの任務は完了。
このドラマは、わたしがあまり見る事のないジャンル(正統派スパイもの?)なのですが、パインがローパーの組織に潜入した後のストーリー展開はハラハラ続きで、ぐいぐいと引き込まれいっきに見てしまう内容でした。全8話と短めなのもよかったです。
豪華俳優陣、惹きつけられる脚本。そして美しい風景。長編映画のようにも感じる作品でした。