Episode2 Unwomen
【ざっくりあらすじ】
ジューンはニックの手配で安全だという建物に身を隠した。ジューンを移送したメーデーの男は慌ただしく去り、ひとり取り残されたジューンは武器になりそうな物を探した。
ジューンの弔い
メーデーの男が「中にいれば安全だ」と話した廃墟は、以前の世界の新聞社“ボストン・グローブ”の建物だった。当時のまま放置されているオフィスの状況から、突然襲撃された様子が伺え、印刷場の壁に空いた無数の銃弾の痕はそこで大虐殺が行われたことをジューンに教えた。
外で鳴り響くサイレンやヘリの音がすべて自分を捜す音に聞こえ、ジューンは絶望感に襲われた。「安全」と言われた場所で起きた残酷な事実も追い打ちをかけた。感情的になったジューンは、命がけで様子を見に来たニックに「ここは嫌」と言い張った。ハンナを取返し北へ向かうというジューンを止められないニックは、車のキーと銃を手渡した。ジューンは見送るニックの前から去ることができなかった。
ニックと愛し合うことで束の間現実を忘れたジューンは、虐殺された人々の思い出の品を集め、彼らのために祈りを捧げた。
コロニーでの出来事
車を暴走させ男をひき殺したエミリー(オブグレン→オブスティーブン)はコロニーで生きていた。コロニーに送られた女性たちは、無防備な恰好で汚染物質の除去をさせられている。女性たちは働くためだけに生き、使い捨てされるのだ。そんな状況でもエミリーは諦めず、食料と引き換えに手に入れたわずかな医薬品で強制労働させられる女性たちを助けていた。
コロニーに司令官の妻が送られてきた。女性たちは夫人を嫌悪し、誰も相手にしなかった。死の強制労働を課せられても夫人は信仰を捨てず、神に祈り続けている。
感染症を恐れ必死に手洗いをする夫人に、エミリーは水も汚染されていると忠告した。エミリーが前の世界で教授だったと知った夫人は「大学の粛清には反対だった」と弁解した。エミリーに親近感を持った様子の夫人は「法律が変わる前は美術学修士を持っていた」と話し、肉欲の罪を犯したためコロニーへ送られたと打ち明けた。
「愛があれば許されるはず」と同意を求めた夫人に、エミリーは「水は大腸菌だらけ」と抗生物質を手渡した。エミリーを「神の子羊ね」と称えた夫人は、指示されたとおり薬を飲んだ。深夜、苦痛に悶える夫人に近寄ったエミリーは「夫のレイプに協力した」と、苦しみの理由を教えた。翌朝、磔にされた夫人の遺体を見て、悲しむ者はいなかった。
コロニーに新たな罪人たちが運ばれてきた。赤い侍女の衣装を着た女性は、ジャニーンだった。
エミリーの過去
以前の世界で大学教授をしていたエミリーは、理由もなく「来期は研究に専念してくれ」と告げられた。終身在職権のあるエミリーをクビにできない大学側は、同性婚を隠そうとしないエミリーから講義の場を奪ったのだ。
DCでクーデターが起きて以来、ゲイは憎悪の対象になった。エミリーの同僚で友人のダンはゲイが差別された過去の時代を知っていた。自身もゲイであるダンは「目立たないようにしていれば、じき元どおりになる」とエミリーを諭したが、エミリーは「私たちの存在を無視させちゃダメ」と反論した。しかし、そのダンが構内で処刑される事件が起きた。
ダンの警告が正しかったと悟ったエミリーは、妻のシルビアの故郷であるカナダへの移住を決意した。大混雑の空港の窓口で、カナダ国籍のシルビアと息子は問題なく発券できたが、エミリーにはビザが必要だと告げられた。すでに同性婚は法律で禁じられ、エミリーとシルビアの結婚は無効になっていた。エミリーは妻と息子を見送り、それがふたりを見た最後だった。
おちゃのま感想 ★★★★
今回はエミリーを中心にコロニーの様子が描かれてました。
死を意味する場所で、エミリーは強く生きていました。エミリーがどうやって医薬品を入手しているのかは描かれなかったけど、外部と接触できるチャンスはあるってことなんでしょうかね?エミリーとジャニーンにも希望を期待したいです。
ジューンをかくまったニックは命がけですよね~。ニックがジューンのおなかの子の父親だと知っているセリーナは、ニックを疑ってないのかな~?出産まで猶予はあるけど、国を出ない限り安全はないですよね。
このドラマは現実社会と重ねることでリアルさを演出してますよね~。遠い世界で起きたお話ではないってところに、恐怖を感じます。