Episode6 The Wellstone Agency (No. 127)
リズが世界規模の違法な取引の場に信用できる通訳を派遣する“ウェルストーン・エージェンシー”を利用したとつかんだレッドは、チームにウェルストーンへの潜入捜査を指示する。レッドの作戦は、通訳として潜入した捜査官が、会社のシステムに記録されているリズが雇った通訳を突き止めるというものだった。
アラムの潜入捜査
“秘密を守るためなら平気で人を殺す”ウェルストーンへは、6か国語に加えラテン語と手話もできるアラムが潜入した。ポリグラフをはじめとする各種テストを優秀な成績でクリアしたアラムは窮地も切り抜け、リズが雇った通訳の情報を入手する。
リズが雇った通訳はDCの国連人権理事会で働くアレグザンダー・フレインだった。クーパーはフレインのもとへ警察を送るが、先回りしたレッドと共にフレインは消えていた。確保したフレインの情報で、リズが会った男はボスニア人で、70万ドル払って封筒を受け取ったと判明する。
顧客情報を把握するウェルストーンの経営者の“大佐”と会うため、レッドは「通訳として潜入しているFBI捜査官がいる」と教え、幼いころ聴力を失った大佐との密談の席に手話通訳としてアラムを呼ぶ。言葉巧みなレッドに言い含められた大佐は取引に応じ、逃亡の見返りにレッドのファイルを削除し、リズが取引したボスニア人の名前を書いたメモを渡す。
約束通り大佐を逃がしたレッドは録音していた大佐との会話をクーパーに渡し、リズが会ったボスニア人はエイディン・マルコヴィッチという賞金稼ぎだと知らせる。レッドの名を出せないクーパーは、レッドが大佐との密談に同席させたアラムが盗聴器をつけていたことにし、大佐が見捨てたウェルストーンの社員と大勢の顧客を有罪にした。
友の死
「至急、会いたい」とレッドを呼び出したグレンの母ポーラは、グレンが死んだと知らせる。突然の訃報に言葉を失くすレッドだが、“俺が死んだら”と書かれたレッド宛ての手紙の内容は悲しみも吹き飛ばすものだった。
レッドの協力者として大金を得ていたグレンは「自分はヒューイ・ルイスの発想の源だった」と吹聴し、大金はそのお礼だと説明していたのだ。突拍子もない嘘のつじつま合わせを押し付けられたレッドは憤るが、「グレンのために俺たちがやるしかない」とデンベに諭され、重い腰をあげる。
貸しのあるヒューイのマネージャーの紹介で会った本人に直談判したものの、ヒューイは見ず知らずの陸運局職員の“お別れの会”への出席を断った。しかし、マネージャーから、冗談としか思えない頼みごとをした男があの“レイモンド・レディントン”だと教えられたヒューイは、レッドとグレンの関係に興味を抱く。
グレンの“親友”としてお別れの会でスピーチしたヒューイは、何でもすると約束したレッドに、グレンへの弔辞を要求する。『暖炉の上に飾るつもりの母から遺灰を盗み、自由の女神の足元でまいてくれ』というグレンのもうひとつの望みをかなえるべく、遺灰を盗んだレッドとデンベにヒューイも付き合う。自由の女神の足元に立ったレッドはグレンに語りかける。ためらいも後悔もなく人生を受け入れ、人生すべてにおいて恐れと無縁だったグレンを偲ぶレッドは、大勢がグレンのように恐れずにいられることを祈った。
パクとレッド
“ブラックリスト”チームに加わったものの、レッドを受け入れられずにいるパクに問題が起きる。友人メリッサが家族と経営するダイナーが放火され、恋人と別れダイナーで寝泊りしていたメリッサが犠牲になったのだ。
放火したのは、銀行に融資を断られたメリッサが利用した高利貸しのメイソン・ディーターリだった。パクは独断でメイソンを逮捕するが、目撃者も物証もなくメイソンは保釈される。怯えるメリッサの姉妹に“何とかする”と約束したパクは話し合いに応じないメイソンを半殺しにし、嫌悪しているレッドに助けを求めた。
その後、メイソンが消えたと知ったクーパーは、“メイソンには何もしない”という約束を破ったかとパクに質問するが、パクの返事は“いいえ”だった。
謎のメモリ
クーパーは、何者かが車に置いたUSBメモリの解読をアラムに頼む。“内密で”と念押しされていたが、ファイルを開けなかったアラムはNSA(国家安全保障局)で働く信用できる友人に連絡した。
おちゃのま感想
グレン追悼のエピソードでした。グレンらしさが溢れる内容で、涙よりも笑顔でお別れしたいという思いが伝わってきました。そして、自由の女神の足元でグレンを偲ぶレッドの言葉は、パンデミックで困難に見舞われたすべての人へのメッセージのようでした。
グレンは13エピソードしか登場してないとは思えないほど、強烈な存在感あるキャラでした。のらりくらりとしたグレンはレッドの人間性を引き出すキャラで、その根底にはいつもレッド愛を感じました。レッドが語った通り、協力者の多くがレッドを恐れる中、グレンは違いました。シーズン7でレッドとの間に緊張が走ったときでさえ、媚びへつらうことなく自分らしさを貫きました。グレンという愛すべきキャラを私たちに届けてくれたクラーク・ミドルトンさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、暴走したパクはレッドを頼ることになりました。正義感だけではやっていけないチームですが、パクは心の中に猛獣を飼っているような人ですよね~。今後のパクとレッドの関係に要注目です。