Episode7 Chemical Mary (No. 143)
リズがボスニア人の賞金稼ぎマルコヴィッチから入手したものは、“ケミカル・メアリー”こと化学兵器ブローカー、メアリー・ブレマーの情報だった。リズが“フリーランサー”に続きブレマーを仲間にするつもりだと知ったレッドは、次のブラックリストとしてブレマーの捜査を指示する。
化学兵器を売る女
腕利きの悪党マルコヴィッチも捜し出せず、レッドも初耳のブレマーの情報は少ない。確かなことは、化学兵器禁止に異議を唱えたことでMITの病理生物学教授をクビになったブレマーは化学兵器ブローカーとして暗躍し、2013年、化学兵器を供給していたシリアでNATO軍に急襲されて以来、逃亡しているということだった。
NATO軍の急襲で唯一生き残り、トルコの刑務所で8年も独房に入れられているブレマーの元護衛イスマエル・アクノーズはブレマーを恨みつつも協力を拒んだが、レッドが提供した写真を見たアラムは逃亡したブレマー自身もひどいヤケドを負ったはずと気づく。闇医者に詳しいレッドの調べで、秘密裏に皮膚移植を受けたブレマーの現在の顔が判明した。
特定したブレマーの偽造IDのひとつ“マデリン・トゥーサン”が、この9カ月パリに住んでいるとわかり、レスラーとパクがパリへ飛ぶ。現地警察と共に訪ねたトゥーサンの部屋にいた秘書を名乗る女性は携帯を取り出すと見せかけ、バッグに隠していた銃で攻撃する。応戦したレスラーたちが女性を射殺したため、ブレマーについてつかめた情報は今夜アルバニアから帰国するということだけだった。
フリーランサーの仕事
リズが保釈した“フリーランサー”ことヴェセリを見つけ出したレッドは、リズがヴェセリに依頼した仕事の標的は自分ではなくブレマーだと知る。すでに暗殺計画は進行中だと教えられたチームは、今夜アルバニアから帰国するブレマーが乗った飛行機に何か仕込まれたと確信する。
ブレマーを含め162人の乗客を乗せた飛行機は、アルバニアからパリに向け飛行中だった。事故を装うヴェセリが仕掛けた墜落計画の解明を急ぐアラムは、清掃員として機内に入ったヴェセリの映像に注目する。7年前の列車脱線事故に見せかけた時と同じように計器に細工したと見抜いたアラムのおかげで大惨事を回避した飛行機は無事シャルル・ド・ゴール空港に到着するが、ブレマーは乗っていなかった。
その後、ブレマーはアルバニア空港のターミナルの外で何者かに拉致されたと判明する。搭乗者名簿にブレマーの名前があった理由は、ブレマーのチケットでターミナルに入った身元不明の女が無関係の乗客のバッグにそのチケットを入れたためだ。その身元不明の女の後姿はリズそっくりだった。
新たな問題
ブレマーを拉致したリズの目的も企みもわからないままだが、ブレマーの家から見つかった情報で大勢の悪党が逮捕された。一線を越えたリズに心を痛めるクーパーにヴェセリが隠れるユースホステルの住所を渡したレッドは、リズが自分と同じ闇に生きるようになった事実を受けとめながら“東の友人”と会う。
東の友人はリズに手出しはしないと改めて約束するが、ハロルド・クーパーはその限りではないと指摘する。「彼がラキーティンのファイルを手に入れたら君が始末しろ」と命じられたレッドは、分かってると返事した。
ラキーティンのメモリ
レッドが東の友人と会っている頃、作戦本部のオフィスにいるクーパーはレッドの指紋で謎のUSBメモリを開いていた。メモリを開くため必要なのは“指紋”だと気づいたアラムの報告を受けたとき、クーパーの目の前には先ほどまで酌み交わしていたレッドが使ったグラスがあったのだ。
少し前、USBメモリの中身は、“ラキーティン”という正体不明のハッカーがハッキングしたものだと判明し、クーパーは情報委員会の委員長をしている議員と会っていた。委員会のPCにあるラキーティンの情報が破壊されたと同時に、愛国者だったスタッフの女性が消えたことで警戒を強めていた議員は、パナベイカーが身元を保証したクーパーを信用した。
「正体不明のラキーティンがアメリカ中枢部の秘密をハッキングする目的は、存在が証明されていない冷戦時に消えたロシアのスパイ“N13”に流すためではないか」という考えを示した議員が語った現在のN13の姿は、レッドそのものだった。
おちゃのま感想
リズを信じたいクーパーも、命を狙われるレッドも、リズに見切りをつける時が来たと覚悟を促すようなエピソードでした。
リズの計画はまったく見えてきませんが、レッドを見習っていることだけは確かです。レッドのような手口で凶悪犯をチームに逮捕させることで、自分を闇の住人に変えた事実をレッドに突きつけているようにも感じます。
さて、リズ不在の中、クーパー対レッドという展開になりそうですね~。レッドがFBIに投降した時から、気になっていたふたりの関係が明かされるといいなと期待しておりますが、なんの裏もなかったりして・・・(‘◇’)ゞ
カタリーナの件から、降ってわいたようなN13ですが、息を引き取る前にドムが話したことがN13の真実ではないかと思っております。そうすると、レッドとカタリーナという人物が重なるんですよね~。