Episode8 Ogden Greeley (No. 40)
引退を決めたウォリック上院議員の後任を打診されたクーパーは困惑し、ブラックリストの件で呼び出したレッドに意見を求める。妻シャーリーンより先に相談されたと知ったレッドは呆れながらも、「私と組める君はモラル的に曖昧だと思ったのかも」と率直な意見を述べ、次のブラックリストとして5日前に失踪したオグデン・グリーリーの捜査を指示する。
国家の危機
レッドが捜査を指示したグリーリーは、政府が30年も存在を認めなかった国家偵察局の請負業者で、アメリカのスパイ衛星に関するあらゆる情報を握る人物だ。CIAは敵対国がグリーリーを拉致したと考えていたが、レッドが入手した動画の中でグリーリーはアメリカの衛星システムの知識を競売にかけている。国家偵察局によると、衛星だけでなくソフトの設計者であるグリーリーが書いたコードは国の中枢システムに繋がっており、今回の件はアメリカの非常事態だった。
夫を信じているグリーリーの妻は「夫は家族思いで善人だ」と断言したが、5か月前、ベルリンのホテルで女性と密会するグリーリーの映像が見つかる。女性はロシアのスパイ、ニーナ・クリレンコだと特定したチームは、ロンドンにいるクリレンコを捕らえるが、グリーリーはすでに入札者との受け渡しに向かっていた。
レスラーは「協力すれば、悪いようにはしない」と独断でクリレンコに取引を持ち掛け、グリーリーが情報の受け渡しに選んだ場所はモンゴルのウランバートルだと聞きだした。取引の時間が4時間後に迫り、入札した者が敵対国なのか、犯罪組織なのかもわからない中、クーパーは国家機密の漏洩を阻止するため、国家安全保障会議に無人機での暗殺を提案する。前例のない事態に政府の意見もまとまらず、長い協議の末、大統領はグリーリーを標的にした攻撃を許可した。
国家安全保障会議のメンバーたちと、無人機が捉えたグリーリーの映像を見ていたクーパーは愕然とする。取引相手として現れたのはレッドだった。クーパーが攻撃中止を訴える間にレッドたちは消え、その後、レッドとの取引を終えたグリーリーはクリレンコの部屋で待機していたレスラーとパクが逮捕した。
上院議員
妻シャーリーンを伴い、引退するウォリック議員と会ったクーパーは、就任後すぐに投票がある“ブラック・バジェット”に賛成票を入れるよう指示した議員に疑念を抱く。予算800億ドルの総額についてのみ投票するという“ブラック・バジェット”の内訳は極秘で、明かされていないのだ。
“ブラック・バジェット”の内訳はアラムでも調べられず、クーパーはレッドに調査を依頼する。案の定、ウォリックがブラック・バジェットに執着する理由は、息子が所有する会社を利用し1億ドル入手するつもりだからだった。調査結果を突きつけられたウォリックは悪びれもせず、逆にクーパーを脅す。機密事項を手に入れたのは違法だと指摘したウォリックは「君のために忘れよう」と言い、話を終わらせた。
“クーパー議員”の話はなくなったと知ったレッドは「我々がしていることのほうが、ずっと意義があるよ」と励ました。グリーリーから買い取った情報を買い戻すよう求められたクーパーは、レッドが支払った1億5千万ドルに500万上乗せした金額を提示する。始まった頃とは同じ人間ではないと自覚したクーパーの愁いを聞いたレッドは「君の影響で、私もより良く変わった」と言い、クーパーの実直な人間性を称えた。
安らぎの時間
NYのセントラルパークで、ひとり憩いの時間を過ごすレッドは、以前、公園で出会ったアンと再会する。25年近く連れ添った夫を亡くしたアンは、大好きな芝居を堪能するため1週間の旅程でNYに滞在している。
現実の煩わしさを忘れ、アンとの会話に心の安らぎを覚えるレッドだが、デンベは用心を怠るレッドを心配する。デンベに「あなたが誰か知らない彼女が傷つくことになる」と諭されたレッドは、カンザスへ帰る便を変更し、レッドが誘った映画館の前で待っているアンに断りの電話をいれる。心配しないでとレッドを気遣うアンは、いまカンザスの自宅にいると嘘をついた。
おちゃのま感想
リズ不在のエピソードが続きますね~。今回はレッドとクーパーに焦点があてられた物語で、どこかで暗躍してるリズの存在を感じさせなかっただけに、偶然(というかタイミングよすぎでない?)ドムやリズを失った傷心のレッドの前に現れたアンはリズの手先ではないかと勘ぐってしまいます。
そう思いつつも、今のレッドに安らぎを与えてるアンに裏がないことを祈らずにはいられません。シーズン7で登場した(第12話)カサンドラと消えてたら、今頃、南仏で穏やかな日々だったかも…と思ってしまうもの。リズへの義務は果たしたと悟ったときに去れなかったレッドの心情を思うと・・・辛いものがあります。
今回、久しぶりにクーパーの妻が登場しました。いろいろあったクーパー夫妻ですが、すっかり落ち着いた雰囲気でしたね~。暗いニュースが多い『ブラックリスト』の中でホッとする件でした。議員話は流れてしまったけど、クーパーには作戦本部を率いてもらわねば!